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◎ケータイ小説◎ モラトリアム
2006-06-16(金)
第2話

第2話
放課後屋上で、はがチャンを待っていた。ココの鍵を壊したのは、私。屋上に入れる事を知ってるのは、私だけ。つまり秘密の場所。柵につかまって、遠くを眺めるのは楽しかった。

「憂希チャン!!」
「いらっしゃい」
はがチャンは、風に髪をなびかせている。そして、柵に飛びついて言った。
「屋上開いてるんだね!!」
「あぁ、うん...まぁね。」
壊した事は内緒。

「っで、相談って何?」
「あぁ...それは...憂希チャンは恋してる?...よね」彼女は苦笑いした。
「うん、してるけど?」
「私...も、してるの。」
彼女は柵を握りしめ、遠くを見つめた。
「...龍サン...おじさんが好きなの。」
はがチャンは詳しく話してくれた。


おじさんは26歳、独身。婚約者がいる。ずっと一緒にいたら、好きになったらしい。しかも前から...


「でも婚約者がいるなら、諦めるしか...ないよ。」
「好きって言いたいの。」
彼女は泣いてた。
「まだ一度言ってない!!」美しいオレンジ色の涙。
「私...幸せになって欲しいって思ってる。けど、最後に言いたくて....」
なるほどね..。
「自分が今思ってる事をやったらイイんだよ。」
彼女は少し微笑む。
「ありがとう....。憂希チャンは笹川君だよね。頑張るんだよ。ファイト。」

私は...私の生活は、葬式後に激変した。
必要とされて、なんか、幸せを感じている。これは、はがチャンのおかげ。死にたいという思いは、まだ残っている。けど、薄れていることはたしか。
じゃあ、私は彼女に何をしてあげれるのだろう?

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