『"収集"だぁ?』
『そうだ…もうすぐ各国各里から選りすぐりの忍びが集まる事になる』
『それとオレにどんな関係があんだよ?』
『それにお前を推しといた』
『はぁ?なんでオレが…大体、オレじゃなくてもアイツだっていんだろ?』
『サソリには世界を見てきて欲しいんだよ。面白そうだろ?』
『………』
『なんせ世界初の試みだ。各国、各里を説得した"提唱者"はかなりの実力者だ…ま、雷の国の雲隠れの説得は失敗したみたいだけど』
『……少し考えさせろ』
『タイムリミットはこの任務終了までだぞ、それすぎたら拒否権なしだ』
『チィ………』
――"わかったよ"――
―異次元ストーリーズ12―
「眼の使いすぎは良くないっていつも言ってるだろ?サスケ」
「なっ!に、兄さん!!?」
小僧の眼が完全に赤に染まる直前にイタチが現れその眼を後ろからコートの袖で塞いだ。
どうやら兄弟だったらしい黒髪のツンツンした餓鬼の顔に見覚えがあると思った理由が判明した。
イタチにそっくりだ。
だが精神的にはまだまだ幼い子供だ…
「どうして…ここに!?」
「これから説明する…この人は兄さんの知り合いだ。失礼な真似はよせ…」
「………わかった。けどサクラの事は――!」
「サスケ…何度も言わせるな」
突然の兄の登場と叱責で戦意を喪失した弟は罰が悪そうに外方を向いた。
小娘からは安堵の息が吐き出されたのがわかった。
…これはオレの首も繋がったということなのだろうか?
「すまなかったな、サソリ。弟が迷惑かけた」
「………。遅かったじゃねぇか、イタチ」
「準備に少し手間取ってな」
「そりゃどうだか」
オレの小言を聞いていたかすらわからないイタチは、後ろへ振り返り木の葉連中に挨拶をし始めた。
気にくわない…
アイツが楽しんでることは明白だった。
「サソリ、改めて紹介しよう。サクラさんと同じ班員のナルト君にサイ君、弟のサスケだ」
各々に軽く会釈をされる。
愛想笑いの上手いサイとかいう餓鬼以外の2人の顔は差もあるが不満げに見えた。
うちは弟の方はさっきの延長でオレに敵意剥き出しだし
金髪の餓鬼(あれは確か九尾の人柱力だったか)からは敵意でわなく興味というのが正しいだろう。
「そして、こちらがはたけカカシさん…"コピー忍者"、と言ったらわかるだろう」
「いやーどうも。先程は失礼しました…コイツ等ヤンチャ過ぎてたまに手に負えなくて」
「別に構わない…アンタが"あの"はたけカカシか。噂は聞いてる」
握手…を求められているのだろうか。
差し出された手を見て、相手に怪しまれない程度に動作を止めた。
その手が右手だと確認してから自分も手を出し握手を交わした。
すると父譲りなのであろう白髪をゆらりと揺らしすと、
「お目にかかれて光栄です」
と社交辞令を述べて緩く笑った。
変わった男だと思った。
でも木の葉独特の空気を持った人間だった。
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