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Chess

「チェックメイト」

私は黒のキングを指で弾いた。指が少し痛い。

「お前……」

ルルーシュが珍しく目を丸くして私を見ている。私の実力、思い知ったか。

「賭けチェスなんてやってたくせに弱いな、ゼロちゃん?」
「その名前で呼ぶな……っ」

おお怖い。そんなに睨まなくても。

「お前、どうしてこれだけの頭脳を持ちながら表に出さない?」
「ん?」
「何もかもが中の中、わざと平均にしているな。宝の持ち腐れだ」

そこまで言わなくても……私はそれで満足してるんだからいいではないか。

「面倒じゃないか、天才とか秀才とか言われるのって。妬み恨み、尊敬憧れの対象なんて私の柄じゃない。あまつ変人扱いだぞ?」
「それは分かるが、変人というのはあながち間違っていない。むしろ当たっているだろう」
「何だと? 貴方こそ変人じゃないか。何、あのマスクとマント」
「………………黙れ」

黙る代わりにあかんべーしてやった。
ルルーシュの呆れた溜息。変人って言葉はアンタにこそお似合いだ。
話をしている間にルルーシュはチェスを並べ直し終えて、私を見据える。

「ラルシア、それよりもう一戦だ。今度は勝つ」
「返り討ちにしてやろう」

そしてまた始まる勝負。ルルーシュって案外負けず嫌いだな。


 のんびりとした日常は、こうして過ぎていく……。


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ギアス・ルルーシュ夢
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