〜赤屍さんと鍋〜
今年は暖冬というが、冬の季節はやはり寒い。
この寒い時期に食べたくなるのは鍋だ。
「さぁ、できあがりましたよv」
かぱっと赤屍が鍋の蓋を開けると、貴女の目の前にはぐつぐつと煮えたトマト鍋が広がっていた。
「トマト鍋は初めてです!美味しそう〜」
「しめはパスタにしますからね、楽しみにしていて下さい」
「やったぁ」
赤屍によそってもらった器を受け取り、トマトの旨味が浸み込んだ鶏肉や野菜などを頬張る。
「赤屍さん、凄く美味しいですっ」
「そうですか、それは良かったv」
出汁が出ているスープは、本当に美味しく一気に飲み干してしまった。
ふと赤屍を見ると、同じように蓮華に口を付けスープを味わっているところだった。
ゴクリと赤屍の喉仏が動き、蓮華が離れると目が合う。
(何だろう・・・このドキドキする感じ)
赤屍が食事するシーンは何故が胸が高鳴り、頬が熱くなる。
ジャッカルというよりもライオンがシマウマを食べているときのような感覚。
ガッツいて食べているわけではない。
寧ろ優雅に綺麗に食事をしているのだが、
捕食者の目をする赤屍に自分も次に食べられてしまうような、
狙われているような気分になってしまう。
「クス、貴女も頂きますよ、後で、ゆっくりとね」
END
拍手ありがとうございました。
トマト鍋と豆乳鍋と迷いましたが、作者が好きなトマトにさせていただきました。
次は薬売りさんと鍋です。
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