「おい、新八ィ」
「はいはい、何ですかー?」
ちょいちょいとソファーから手招きする手。
近くに居るんだからそこで言えや!とツッコミそうになったけど、なんか今日はそんな気分じゃない。
「さっきテレビで言ってたんだけどさぁ」
仕方なく隣に座ればさっき見たテレビの話らしい。あー、もうすぐご飯作らなきゃ。
「蜘蛛の巣の糸が鉛筆くらいの太さあったら、飛行機引っ掛けられるんだってよォ」
「…はい、……で?」
「そんだけ。凄くね?」
いや、凄くね?とか聞かれても。確かに凄いけどわざわざそんだけの為に呼んだの?なめてんのかコラ。
「はぁ…んなしょーもない事僕に話してどうするんです?今僕ご飯作らなきゃいけないんで」
「ん、だってよォ俺ずっと一人で居たからさー…こーやってそんなしょーもない事見付けても、話す奴が居なかったんだよ」
苦笑いみたいな、ちょっと切ないような笑顔。
「…っ銀さんの馬鹿、糖尿」
「少なくとも予備軍だコラ」
チキショー、そんな顔で、声で言われたら。
僕が弱いって知ってるくせに。
(こうなったら、何回だって聞いてやりますよ!)
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