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※神威誕の番外編です。
間に合わなかった/(^o^)\
拍手用短文。





『nightrabbit』と看板が立てられた喫茶店の扉には、何時もは無い「本日貸し切り」と急いで作られたであろう走り書きの貼り紙が風に揺れ自らの存在を主張していた

そして、何時もと違うのはそれだけでは無く、その優雅な外壁とは裏腹に店内では忙しなく一人の男が生クリームを泡立て、もう一人は大量の食材の調理にあたっている。

「おい、云業。それ本当に生クリームか?」

「……知らん」

ゴツい身体つきをし黒い髪を頭のてっぺんでミツアミにした、近付き難い云業と呼ばれた男が持っていたボールの中身を一瞥しながら店主……阿伏兎が問い掛ける。
本来ならば白くフワリと泡立っている筈のソレは、なめらかを通り越して水に近くなっていた。例えるなら生クリームよりカ〇ピスに良く似ている。

「……まぁ、あのバカなら何でもいいか」

そもそも、どうしてムサイおじさん二人がケーキ作りやご馳走作りをしてるのかと言えば、あのバカ――もとい神威の為であった。

「大体、何で俺まで手伝わされるんだ?」

「この、すっとこどっこい!お前さんの上司の誕生日なんだから、お前さんが準備手伝うのは当然だろが」

つまり、神威の誕生日……それが、今日6月1日だったのだ。
そのために喫茶店を貸し切り、二人して準備に取りかかっていたのだ。


「……よし、こんなもんだろ」

そう言って最後に置かれたお皿の回りには常人では食べきれない程の料理が並んでいる。満足気に阿伏兎がそれを見遣ればカランカランと店の扉が開かれた。

「あり?ご馳走だらけ……今日なんかあったっけ?」

入ってきた神威の惚け顔に阿伏兎と云業は顔を見合せクスリと笑う。
そして同時に口を開きいた。

「神威、」

「社長、」


happy birthday
(別世界のもうひとつのお話)

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