君の笑顔にくらくらする/切千 強い日差しの下、俺と清純くんはいつものように二人でたんぼの近くで遊んでいた。空は清々しいくらい真っ青で、白い雲が気持ち良さそうにその中に浮かんでいる。蝉がうるさいくらいあちこちから聞こえ、あめんぼがすいすいとたんぼで泳いでいた。 清純くんは、清純くんのお祖母ちゃんの麦わら帽子を被って、近所のおじいちゃんが間違って買ってきた女の子のワンピースをせっかくだから、と着ていた。白い布に水色のリボンがついていて、ひらひらしたスカートの裾には、可愛らしいレースがついている。サンダルもピンクのサンダルで、はじめて清純くんのその姿を見たとき、俺は清純くんは実は女の子だったんじゃないか。なんて思った。 「清純くん、赤也くん」 「ばーちゃん」 遊んでると、ばーちゃんがトウモロコシの畑から顔を出した。ばーちゃんはニコニコしながら「清純くん、よぉにあっとるねぇ」と頷く。清純くんは「ありがとう!」とお礼を言いながら二人でばーちゃんに近づく。すると、ばーちゃんはざるにいっぱい野菜を入れて俺に渡した。 「二人で食べなせ。二人ともいい子だっけ、ばあちゃんからの贈り物」 「ばーちゃんありがとう!」 「俺たち、いい子だって!赤也くん!」 清純くんは嬉しそうに笑った。俺もにっこり笑い返す。でも、俺は心のなかで心臓がすっげえ鳴ってて、ばれないか不安でしょうがなかった。清純くんは男の子。 でも、今は女の子。 「清純くん」 「なぁに?」 「笑って」 「?変な赤也くん」 やっぱり清純くんの笑顔はすごっく可愛くて、胸がキュウッてなる。もしかしたら、ねぇちゃんの言ってた「恋」っていうのはこのことかもしれない。 「清純」 「なに?」 「笑って」 「?変な赤也くん」 君の笑顔はいつまでも変わらない。 幼なじみ設定でした^^ 戻る |