俺の後ろの席は,窓側の最後尾。 そこは,赤茶色の髪の綺麗な女が座るはずの席だが,なにしろそいつは不良。 いつも空いているといっても過言ではない。 「はぁ…まだ来やせんねェ」 そいつに俺は心底惚れちまってるみたいで,来るのを待っている。 毎時間毎時間,今か今かと待ち続けている。 がらがらっ 午前の授業が終わるか終わらないかという頃,ドアが開く音がした。 こんな時間に来る奴はと思い,そちらを見ればやはり,あの女。 当たり前のような顔をして,チャイナ共に挨拶しながらどすっと自分の席に座る。教師は慣れた様子でそいつを無視して授業を進めている。 「いつもながら遅い登校ですねェ」 「煩いなー 今日は来たんだから見逃してよ」 そう言って,へらっと笑うと机に俯せて寝始める。 学校に来ても寝ていたら意味がないだろうとツッコミをいれると,先程と同じトーンで煩いなーと返すとそいつは寝始めた。 窓側最後尾の女 (すーすー)(俺の気持ちも知らないで寝息を立てるなんて,いい度胸ですねェ) 拍手ありがとうございます,★ |