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《もしも花シリーズの皆が高校で同じクラスだったら》
[下校編]

 放課後。
 かばんにいろいろな物を詰め込んで帰り支度を始めている晴の前に、ぬっと大柄な大志が立った 。
「あの、松浦…… じゃなくて、ハ、ハル」
「ん?」
「今日これから暇か? その…… 昨夜カレーを作ったんだが、カレーは大鍋で煮込まないと美味くなくて、でも沢山作るとオレだけじゃあ食べきれなくて、でも沢山作らないと美味くなくて」
「ん?」
「いやその…… ハルさえ良ければ、うちに寄って食べていってくれないか。一晩寝かせて更に美味くなっているはずなんだ。あ、うちにはオレの他には誰もいないが、美味いものを食べさせたハルをそのあとオレが美味しく頂こうなんてそんな不埒なことは決して考えていないし、食べ終わったら責任を持って家まで送り届けるし、ただオレはハルに美味いものを食べさせてやりたいだけで、あ、違うんだ、やりたいっていうのはそのヤりたいではなく……」
「行く!」
「だよな、やっぱり駄目だよな。オレの家で二人きりなんて、警戒するのも無理はない。いいんだ、ハルはなにも悪くない…… え、今なんて?」
「行く!」
「そ、そうか、良かった」
 そうして手を繋いで帰っていく二人の仲睦まじい後ろ姿に向かって、小笠原が口笛を吹いた。
「晴の好物のカレーで釣ってお持ち帰りたぁ、やるな、大志も」
 なにせ大志は生真面目すぎるのだ。
 大柄な体格を生かして上から覆いかぶさり、有無を言わせず気持ち良くしてしまえば、晴だって年頃の男だ、そうそう激しく抵抗はしないだろうに。
 それを隣で聞いていた祐一が、呆れたように言う。
「小笠原君、君ってほんとに、下世話だよね。松浦はただ晴にカレーを食べさせたいだけなんじゃないの」
 すると小笠原は心外そうな顔で祐一を見た。
「そんなことはないぞ。俺ぁこれでも、意外とロマンチストだぞ」
「ふーん」
 疑惑の目を向ける祐一に、小笠原は素知らぬ振りで続ける。
「ところで祐一。この近くに夕焼けが綺麗に見える公園を見つけたんだが、今から行ってみないか?」
「行く!」
 嬉しそうに答えた祐一には見えないように、小笠原はニヤリと笑った。


2018.01.02

※君達、授業を受けようよ。
「もしも高校で同クラ」編、これにて終了です。お付き合いくださり、ありがとうございましたm(_ _)m



 




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