感想などお言葉頂けたら嬉しいです^^ 戻る ※御礼小説※ ・更新すると一頁ずつ増えていきます。 ・席官は出て来ます。 ・メロメロです。 よろしければどうぞ♪ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 『love☆kiss』 1 うーん、気まずい……。 いや、悪い事したわけでもないし。 ただの、そう、ただの事故。 何も気にする事は無いはずなんだけど。 多分、あたしだけが気にしてる。 「乱菊さん、そろそろ隊へ戻らなくて良いんですか?」 「あー…うん、そ、よね……」 隊長は普通だった。 普通に仕事ばっかりしてた。 お昼の時も全く普通。 や、本来はそれで良いんだけど。 それがありがたいんだけど。 「何かありました?」 「……ん…?」 鋭いわぁ七緒。 まぁ絶対に何があったかなんて、言わなきゃ解らないだろうけど。 心配も掛けたくない。 隊舎に押しかけてるのはいつもの事だし。 「日番谷隊長と喧嘩でもしたんですか?」 「いや、あっと、喧嘩とかは別に……」 「でも何か怒らせてしまったとか?」 あれは怒るような事だろうか……。 いや、怒ってなかったもんな、隊長。 短く「わり」って謝罪があったけど、あれもおかしい。 謝るなら、あたしの方だし。 「ううん、そうでもない。ただのいつものサボりよ」 そうなのよね。 理由を言うなら、単なるサボり。 いつもと変わらない。 サボりたくなったワケは、どうにも顔が見れないだけなんだけど。 隊長の。 「……面倒だけど、そろそろ帰って仕事しよっかな…」 うーんと伸びをして。 いつも通りに七緒に告げた。 「面倒って乱菊さん……」 あ、スッゴク呆れた視線。 まぁこれもいつも通り。 居させてくれてありがとうって七緒に告げて。 「あ、そう言えば京楽隊長、結局戻って来なかったわね」 一度も姿を見なかった。 これもいつも通りだけど。 「今更戻って来ても、もう中に入れませんけどね」 ふっふっふって笑顔が怖いったら、七緒。 もういつもの事だから呆れ返ってる。 隊長も同じ気持ちなんだろうな…って解ってても逃げる。 それがあたしと京楽隊長なのよね。 「京楽隊長にもし会ったら、お大事にって伝えておくわ。それじゃぁまた話そうね、七緒」 「はい。いつでも大歓迎ですけど、乱菊さんもあまり仕事はサボらないようにして下さいね」 「はーい、気を付けてはみるわ」 隊長はあたしほど仕事をサボる副官は歴代探しても居ないと断言する。 やちるは論外にされて。 でも。 実はそうでもない。 いや、そうじゃなかった。 奔放な前隊長に仕えていた時は。 うーん……緊張する。 ポテポテと一応十番隊舎までは戻って来たんだけど……。 「お帰りなさいませ、副隊長」 まだ事務室にも届かない場所から気配を察知して。 元気一杯に九席の高部が出迎えてくれた。 「うん、ただいま」 席官達に会うのは全く大丈夫。 事の次第は全部共有されてるんだろうけど。 それを口にも顔にも出す子達じゃない。 なんだか上機嫌そうだけどね。 「隊長、怒ってなかった?」 サボり倒して来ちゃったからなぁ。 機嫌によっては季節に関係なく十番隊舎は雪に包まれる。 雪ならまだ可愛いもんで、酷い時は氷だらけ。 今日はそんな事もなく。 雪が降ってもおかしくない時期で、そんな寒さだけど。 まだ雪は降ってない。 「特にお声は掛かりませんでしたが、お怒りではないようです」 「霊圧であんた達は解っちゃうもんね」 「はい」 ニコニコと陽だまりのような笑み一杯の高部と。 なんとも平和な会話を交わして。 事務室の中からも「お帰りなさいませ」と頭を下げてくれる席官達に。 手を振って、事務室前を通り過ぎた。 そう、ここまでは平気なのよ。 てか、やっぱり席官達、異様に上機嫌だったなぁ。 あれはもう全員が共有してるわよね。 単なるアクシデントだったのよ。 予期不可能な出来事だっただけ。 多分、意識しちゃってるのはあたしだけ、だろうなー。 隊長はホントに事故だと思ってるだろうし。 いや、ホントに事故だったけど。 まともに顔も見れなくなってるのなんて、あたしだけ。 免疫がないんだから仕方ないじゃないのよ。 隊長は免疫がある、って事なのかな……。 それはそれで腹立つけど。 ウダウダ考えて見たところで。 執務室には戻らないとならないわけで。 いつまでも戻らないと本当に氷漬けになる。 あたしだけならまだしも、隊舎全体が凍る可能性もあるし。 仕方ない、戻ろう。 「……戻りました…」 「おー……って、何があった!?」 へ? 絶対にあたし、「へ?」って顔もしてたと思う。 何があったって何!? 「何でお前が驚いてんだ。俺が驚くわ、ンな顔で帰って来たら」 ンな顔? 多分、「へ?」って顔をしてたのは解る。 でもそれは、隊長の言葉を聞いてからだ。 「何も……ありません、けど……」 ダメだ。 まだ顔をまともに見れない。 「すっげー顔色悪いが?」 「えっ!?ホントです!!?」 七緒は何も言ってなかった。 高部も。 でも鏡がないから解らない。 慌てて頬を触ってはみたけど、触っても色は解らない。 「具合が悪いなら今日はもう帰れ」 「い、え……具合は良好かと……」 顔色が悪くなる理由が自分でも解らない。 隊長が怖いわけでも……サボって怒られるのが怖いって事すら考えてないあたし。 ある意味凄すぎるわ。 「本当だろうな…」 「はぁ…」 睨まれてるように感じるけど、目を合わせられないから解んない。 でも、体調は別に悪くないもんなぁ。 「帰って良いなら、帰りますけど……」 あたしって勇気ある。 でも、明日になればきっと平気になってる、と思う。 今日はとにかく、隊長の傍に居ると気まずいんだもの。 「いやいや、体調悪くねんなら働けよ。今日は昼から全く働いてないぞ、お前」 「あー…ですよねぇ。すみません」 「本当に体調が悪いんなら帰っても良いけどな」 「いえ、そこは、大丈夫です…」 「ホントかよ?」 しつこいなぁ。 いや、心配してくれてるんだろうけど。 あたしの顔色はそんなに悪いんだろうか……。 別に怖いわけじゃないんだけどね。 「そんなに顔色悪いです?全く自覚ないんですけど」 顔を合わさないまま。 仕方ない、仕事するかと自分の席に座った。 「真っ青だな。あんま見た事ねぇ顔色だ」 うーん……これは多分、緊張かなぁ。 あんまり緊張する事とも無縁だからこれまた良く解らない。 隊長相手に緊張するなんて変な話。 「何かあったのか?」 ありましたとも。 てか、あったでしょーよっっ!! なのに隊長は何も無かったかのようで。 大したことじゃ無いって事なのか。 単なる事故だと思ってる、って事よね。 謝ったくせに!! 謝るのは本来はあたしの方だろうけど!! 「何もありません」 刺々しくなっちゃうのは仕方ない。 だって本当に事故だし。 ただ、気にしてるあたしと。 気にしてない隊長との間に差があるだけ。 「体調も本当に悪くはないんですよ。あとちょっとだし、頑張ります」 「……別に良いんだが、体調悪くねーのに、その書類の山を見て定時で帰ろうとする気満々のお前に感心する」 チクリと嫌味を言いながらも、クツリと笑む音が聞こえて。 さらに顔も上げられなくなった。 ちくしょう、あたしだけが意識して馬鹿みたい。 「…残業、ですかね、やっぱり……」 「ンなしょぼくれねーでも残業なんぞせんで良い。急ぎの分はどうせ終わらせてんだろ」 そうなのよね。 顔を見れないから下を向いてたら。 しょぼくれてると思われてるわけだ。 でも、隊長はちゃんとあたしを見てくれてる。 急ぎの分だけは終わらせてサボりに出たもの。 「じゃぁ……お言葉に甘えます…」 視線を合わさずに、顔を上げてヘラリと笑った。 「明日はサボんなよ」 「はーい」 「ダレた返事すんな」 「んもぅ、しつこいんですよね、隊長って」 「お前な…」 まったくと、ブツブツ言いながらも、またクツリ。 すっかり隊長らしくなってしまって。 前はあたしの方が立場は上だったのに。 まぁそこは全く気にしてないんけどさ。 「飯でも食いに連れてってやろうか?具合が悪くねんなら、の話だけどな」 具合は悪くないってのに、やっぱりしつこいなぁ。 いつもなら飛び付くんだけど、今日はちょっとなー。 「自覚は全くないんですけど、隊長の仰る通り顔色が悪いなら、今日は遠慮しておきます。ほら、風邪とかだったらヤですし」 うーん、我ながら完璧な答え。 「そうか…それもそうだな」 隊長もアッサリ納得。 ご飯はいつだって一緒に食べに行けるし。 今日は残念な気持ちよりも、気まずい気持ちの方が強いんだもの。 てか、隊長って甘すぎる。 仕事サボって戻って来たのに、ご飯奢ってくれようとするし。 優しい人なのよね。 納得した隊長にあたしは安心して。 定時までは書類とずっとにらめっこして、隊長とは一度も目を合わせなかった。 顔すらまともに見ていない。 本当なら定時に一緒に宿舎へと隊長は戻るつもりだったかもだけど。 定時になったら挨拶もそこそこに、あたしは執務室を飛び出してた。 続 ■□■□■ うちでは今のところ珍しく、隊長が昔三席だった話になってます。(いつも丸無視ですからね…) 大変な事にですね…拍手御礼を更新せにゃーと、文字数数えながら10話に区切ってたのですが、9話を丸ごと消してしまいまして……orz 取り合えず、前拍手のすれちがい☆はもうリクエストに移してしまいましたので、アワーとなりながら、御礼話を更新しています。 が、欠片も9話を覚えてないんですよね…はは…orz 丸ごと書き直さねばなりません。うーん、失敗した。大失敗。 何とか思い出しながら書こうと思いますが、8話UPしても間に合ってなかったら、しばし、そこで止まると思います。 そうならないように頑張ります。 お話としては安定の熊ちゃんだと思いますが、ブログ熊猫で始めようとしてた話とかなり似てて、違うのにするか…と選び直した話も似てて。笑 あー…もう似た話しかないな…とあきらめてるところです。 そして、こちらは無理矢理10話に区切ってますので、一話の文字数は本来の2倍あります。あっさり書いたつもりでしたが、ガッツリ書いてたみたいです。なので9話が書き直せるのか、超微妙…。 少しでもお楽しみいただけたらと願っています。 いつもお越しくださいます皆様、ありがとうございます。 ※拍手お礼をご覧頂くのにパスワードの入力は必要ありませんので、 お気軽にポチっと「メロっ」ボタンを押して下さいw 戻る |