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☆クラップ、ありがとうございました

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「ね。閉じ込めたいとか、常に独り占めしたいとか……、思ったり、……する?」

そう言って、アレンは視線を外さずに、真剣に見詰めて。

「別に思わないが?」

そう応えると、拗ねたような複雑そうな表情を顔に宿して俯くと。

「……そぅ、思わないんだ」

と、ぽつりと呟いた。



「……何があった?」
「……」
「言え」
「……」
「アレン」
「……普通は、彼女、僕達の場合は、立ち位置的に僕だと思うんですが、」
「あぁ、」
「大好きだったら、誰の目にも触れさせたくないとか、」
「……」
「彼女の視界に他の男が映るのが許せないとか、」
「……」
「こう、大事に大事に……、えっと、……」
「あのな、……大体、他として関わりがあったこそ生まれた関係で、他と関わらずに生きるなんて無理だろぅが」
「……そう、ですけど」
「俺はそんな風に縛りたいとは思わない」
「……ぅん」
「お前を囲わずともお前は逃げないし、逃がさない」
「……」
「お前が俺以外に惚れる事はないし、そんな事はさせない」
「……ユウ」
「だから、そんな鎖は必要ない。お前がお前らしく生きる為には、この世界との関わりは必要だ」
「ユウ……」
「お前を信じてるし、俺にはお前を惚れさせる自信がある、努力もする」
「ユウ」
「お前もそうだろう?だから、俺達には必要の無い事だ。それに、籠の鳥では、養い主が死んだその時に鳥も死んでしまう」
「……ユウ?」
「色褪せ死に絶えた世界は辛い。例え遺しても、遺されても、生きる事を諦めて欲しくない」
「ユウ」
「いつ死ぬか、死線を越えるか判らないエクソシストだからこそ。だからこそ自由に、お前を縛りたくは無い」
「ユウ……」

腕を伸ばして、抱き寄せて、抱き締める、強く、つよく。

「大切で愛しいよ、アレン」
「ユウ……」
「でも、……たまに、嫉妬してそう思うのは悪くない。そう思われるのもな」
「……バカ」

ぎゅっと、ぎゅぅっと抱き締め合って、互いへの愛しさを確かめた。

**************end*

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