いつものファミレスで週末の遠征に向けて、ミーティングをしていた時であった。 涼介さんと浩史さんからの説明が一通り終わり、締め括りに涼介さんが『何か質問はないか』と発した事がきっかけだった。 それまで何事にも表情を崩さず、話を黙って聞いていた藤原がすいませんと声を上げる。 今まで質問もなく『はい』と頷くだけだった彼が、何かを尋ねるというのは珍しかった。 「どうした?藤原」 それは涼介さんも同様のようである。 話すように促されて、藤原は口を開いた。 「あの、俺……松木さんのコト、好きです」 場が静まり返るというのは、この事をいうのだろう。 プロDのメンバーは勿論、周りに居る一般のお客までもが凍り付いている。 それよりも、男である藤原に好きですと言われた俺は、物凄く驚いた。 最もジャパニーズスマイルを得意とするので、顔の表情を変える事はしなかったのだが―――――。 (続く) 戻る |