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只今お礼小説は風邪のお話です。
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「風邪だねー。」
朝起きて、体がだるいなとは思っていた。なかなか起きることが出来ないでいるとファイが起こしに来てくれたのだが顔が赤いと言われ熱を測れば38℃。
「今日はおとなしく寝てなきゃねー。」
「えー。サクラの羽根探しー。」
不服を言ったところで起き上がることすらしんどい私は何も出来ないのだけれど。
ファイは私の頭を優しく撫でると部屋を出て行った。
コンコンと扉を軽く叩く音がして私は目が覚めた。ファイがでていったあと眠ってしまったようだ。「はい。」と返事をすればゆっくりと扉が開かれた。
「風邪引いたってファイさんから聞いて…大丈夫?」
「サクラちゃん!大丈夫だよー。」
心配そうな顔をして入ってきたサクラに笑顔を作った。
「風邪の時はりんごがいいってモコちゃんに教えてもらって。今剥くね!」
サクラは私のベットの横の椅子に腰掛け、りんごを剥きはじめた。
「…サクラちゃん?」
私のために剥いてくれたりんご。健気で純粋で可愛いサクラちゃんが一心不乱に剥いてくれたりんご。
「ごめんなさいごめんなさい!私りんごって果物初めてで!」
一生懸命に剥かれたりんごはほとんどが皮と共になくなってしまい、手の平の上にちょこんと残った程度だった。
「うれしいよ。サクラちゃんの気持ちがこもったりんご。」
私がそのりんごを一口かじるとサクラは満面の笑みを浮かべた。
その笑顔が一番の栄養源だよ。
「すみません。」と扉の向こうで声がした。今度はサクラが「はい。」と返事をする。返事をしたものの扉は開かれない。不思議に思ったサクラが扉を開けば、両手に本を積み上げた小狼が立っていた。
「風邪を引いたと聞いて、退屈かと思ったので本を持ってきました。」
小狼はさわやかに笑いながら私のベットの足元に本を積み上げた。軽く10冊はある。
「古代文献?」
一番上の本を手にとって開くと見慣れない文字や、かろうじて読めても理解できないものばかり。
横から覗いているサクラの頭にもクエスチョンマークが飛び交っているように見えた。
「ありがとう。」
どこか引きつった笑みになったかもしれないが、私は小狼にお礼を言った。私のためにわざわざ用意してくれた小狼の優しさは受け取りたい。しかし、頭痛が酷くなったのは気のせいじゃないだろう。
ドンドンと扉を叩く音がした。今度は小狼が「はい。」と言った。
遠慮なしにズカズカと入って来たのは黒鋼とその肩に乗ったモコナだった。
「黒鋼もお見舞いに来てくれたの?」
「ちっちげーよ。」
「黒鋼、心配なのか廊下を行ったり来たりしてかなり変質者だったのー!」
モコナが黒鋼をからかったことにより黒鋼の眉間にしわがより、顔がひきつっていた。それでも、いつもみたいに怒鳴り散らしたりしないのは病人の私を気遣ってのことなのだろうか。
「モコナは心配だから見に来たんだよー。」
モコナがベットの上に飛び乗り、私の頬に擦り寄ってきた。
スベスベ肌がなんとも気持ち良かった。
「みんなありがとうね。」
「「「「じゃあ看てるからゆっくり寝てね!」ください。」ろよ。」てー!」
「はい?」
そう言ってみんなは本当にベットの横に座り込んだ。
「用事があったらすぐに言ってね。」
(いや、そんな、4つの視線が痛いし、なんか怖くて寝れない…。)
そう言おうとした時、扉が勝手に開かれた。もちろん誰も返事をする隙もなかった。
「みんなどこにいるのかと思ったらー。」
ファイがトレーを手にやってきた。これで小さな狭い部屋に全員が集まった。
「病人がいるんだからー。ほら、みんな解散ー。」
ファイが手をパンパンと叩き、みんなを部屋から追い出す。
「お粥作ったけど食べれる?」
静かになった部屋は普通なはずなのに広く感じた。
「うん。ありがとう。」
ファイからトレーを受け取とり少しずつ口に運んだ。
柔らかく煮込まれた真っ白なお米はとても優しいみんなの気持ちそのものな気がした。
「それ食べたら薬ねー。」
「えっ嫌だなー。でも、しょうがないよね。」
「あんな姿見たらねー。」
心配してくれるみんなの姿を見たら、一刻も早く治さなきゃって思うじゃない。
「明日には治して、朝ごはんに特製のパンケーキ焼いてお礼するわ!」
「楽しみにしてるよー。」
またファイは私の頭を撫でた。
本当にこれは魔法かと思う。ゆっくりと瞼が閉じてきて、私はまた眠りの世界に落ちていった。
「さてとー。」
眠ったのを確認するとファイは立ち上がって部屋を後にした。
扉を開ければ廊下にはサクラ、小狼、黒鋼、モコナの姿。
「さっきの会話聞いてたでしょー。早く治って欲しかったら今日はそっとしておくことだよー。」
明日元気な姿が見れるようにと願って。
きっと朝早くにはキッチンから甘い香りがただよって、彼女が笑いながら「おはよう」と言ってくれますように。
みんなの気持ちが何よりの薬
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