〔メルヴィス〕
ただ…
ただひたすら姫様の為に、アストラシアの為に生きて来た。
今でも忠誠は変わらない
姫様の為なら、この命すら差し出す覚悟もある
「メルヴィス!あのさ、頼みがあるんだけど」
「アレク殿…何だろうか」
しかし……目の前のこの少年にいつも心を掻き乱される。
守りたいと思う、だが姫様への忠誠心とは全く別の感情。
触れたいと思う
この頬に、唇に
「どうした?メルヴィス…?」
「いや、すまない…」
無意識に頬に触れてしまっていた。
触れた指先から熱が上がってくる気がする。
こんなに誰かを愛しいと思ったのは初めてだった。
正直、初恋だった。
(どうすれば、伝える事が出来るのだろうか…)
遅過ぎた初恋を語る長文5題
【お題→確かに恋だった】
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