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(木手)

寒いねと身を縮こませると、永四郎はそうですねと言ってふらりと横にそれた。どこに行ったのだろうかと見るとガコンと自販機特有の音が聞こえた。

「はい、どーぞ」

「ありがとう。ぁ、熱い」

渡された缶を受けとると、冷えた手にじんじんと熱が伝わってきた。その温もりに自然と頬が緩む。プシュッとプルタブを開け、ふわふわと漂う湯気を吸いながら口を付ける。甘いミルクティーが喉を流れ胃を温めてくれた。
ふと隣を歩く彼を見上げると手には何も持っていない。

「あれ、永四郎は?」

「何がですか?」

あ、ホストっぽいなんて思う。リーゼントに冬服を着ている彼は学校一ホストに見えるだろう。

「何も持ってないから。飲む?」

缶を差し出すと要りませんよと断られた。なんだか、微妙なショックに襲われた。

「俺はこっちで十分です」

唇と唇が触れあう。瞬間、これでもかと体が火照る。
なんだ、今日熱いじゃん。
隣を見ると口を押さえている永四郎がいた。


ホットミルクティー
(どうしたの)(予想外に甘かったので驚いただけですよ)


20081202*鍋。







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