王子の平和なお話です。
ある日の王子の話
最近、プリンスの猫は穴を掘るのが好きらしい。
それをなんとも言えない表情で見つめるプリンスは、今日もなんだかのんびり空気。
ニャー、ニャー
「……へへ」
なにか笑っておられますね。
一体どうしたのでしょうか、穴を掘る猫を見つめて微笑むプリンスは不思議と幸せそうにも見えます。
「王子様、今日もここにおられたのですか。先程から探していたのですよ」
「なんですか、私は今忙しいんですけど…くだらないことでしたらお断りです」
「公務はくだらないことではありません!
王子、少しは皇族としての自覚と威厳をお持ち下さい」
従者の言葉も虚しく、プリンスはつまらなそうに猫に視線を戻してしまいます。
可哀相な従者はうなだれながら部屋を後にしてしまいまいた。
「………はぁ、仕方がないですね」
そう呟くように言ったプリンスは、立ち上がり猫を残して城の中へ入っていったのでした。
すると従者は泣いて喜びましたとさ。
めでたしめでたし(?)
しばらくしてのこと
再び猫が穴を掘っています。そしてそれをプリンスは見ています。
「いつか、埋蔵金でも掘り当ててくれるんでしょうかね………へへ」
……そんな理由で微笑んでたんですか?それは、なんか微妙に悲しいような嬉しいような、不思議な気分です。
しかし、猫もプリンスも素晴らしいのんびりぶりですね。
これからも、貴方がこの猫と友に平和で長閑な暮らしが出来ることを陰ながら願っております。
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