message:小野大輔
告白するっていうのは、幾つになっても緊張することだと思う。
きっと懺悔とかも緊張するんだろうけど、やっぱり愛の告白が一番緊張する。
受け入れて欲しい。
独占したい。
嫌われたくない。
そういった感情ばかりが、心を捕らえるから。
「ねえ、」
意を決して呼んだ彼女の名前。
たったこれだけのことなのに。
心臓は煩く響いて、手には変な汗が滲んでいる。
「どうしたんですか? 小野さん」
いつも通り答えてくれる彼女の笑顔が、愛しくて。
もう気持ちを抑えることができないから告白するって決めたのに、その笑顔を失うかもしれないと思ったら、今さらながらに怖くなる。
でも。
伝えたいから。
君の笑顔が好きだって。
ずっと、側で微笑んでいて欲しいって。
なにより、その笑顔が曇らないように俺が守ってあげたいから。
震える唇を開く。
愛の言葉を囁くために――
「好き」
本当はもっと格好良く決めるはずだったのに。
本当はもっとたくさんの言葉を贈るはずだったのに。
出てきた言葉はとてもシンプルで、けれど自分のすべての想いを表す一言だけだった。
驚き、一瞬躊躇する彼女。
そして、彼女の唇が開く。
「私も、大好きです」
俺の大好きな満面の笑みとともに――
―――――
本当に久し振りの更新ですみません!
今回は今大好きな、小野さんのお話にしてみました。
また感想なども頂けると幸いです。
拍手ありがとうございました!
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