僕のアリス
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貴方だけが、僕の救いだ(ラビアレ)
By おきみ
「アレン、自分が犠牲になれば良いと思ってるさ?」
目の前の赤髪の青年はそう言いながら僕を覗き込んできた。彼は僕よりも若干背が高いので、首を横に傾けて、吊り糸を失った操り人形のような体勢だった。彼は笑っていた。けれどその笑顔にぽつり、悲しみが含まれている。まるで、張った水に青色の絵の具を一滴垂らしたかのように。声音はいつもと同じように軽快だった。それが逆に、哀しい色を帯びている。だから僕はなにもいえなかった。たしかに僕は、自分の身の代わりに誰かを救えればそれでいいと思っていた。(それでみんなが笑っていられるなら。)僕はラビの頬に触れて、緩やかに撫でる。ラビはその隻眼を伏せて、僕の手の甲に自らの手を重ね合わせた。
「アレンは、自分勝手さね。お前が犠牲になって、みんなが幸せになれるわけないさ。」
(少なくともオレは。)(アレンのいない世界なんて。)
透明なその声があまりにも澄んでいたので、さらに僕はなにもいえなくなって、彼の肩に顔を埋めて泣くしかなかった。
(ばかラビ。すきです)
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By おきみ
Title:31D(link:chu.futene.net)からお借りしました!
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