[携帯モード] [URL送信]

例えばこんな日もある/七海
By 七海
2007-04-25 01:55:09

懐かしい旋律。それは繊細で、美しくもか細いオルゴールの音。
心なしか重い瞼をこじ開けると、見慣れたはずの天井がぼんやりとそこにある。


「やっと起きた」

「…お兄様は?」


大きなベッドには水輝が、その傍らには椅子に腰掛けた零痲の姿。


「タクトなら、今厨房にいる」


そう言って彼は空のグラスを手に取り、軽く一振りしたそれを水輝に手渡した。途端に底から純度の高い水が少しずつ湧き出てくる。


「レンバ様のお水を頂くのも久しぶりですわ」

「生憎、タクトには劣るけどね。奴が創るのは本当に美味い」


ゴクリ、ゴクリと喉を鳴らす水。確かに零痲の言葉は頷けるものだったが、乾いた口を潤すには十分だった。
何せ、彼が入れてくれた水なのだから。


「こうしてレンバ様に看病して頂けるのなら、風邪をひくのも悪くはありませんわね」


途端に何を暢気なことを、と零痲は苦笑する。偶然任務から国内に戻っていた休日、お姫様が体調を崩したとなると放ってはおけないのだとも言った。
広い部屋には大きなベッドとその脇にあるオルゴールの入った木箱が乗ったチェスト、お茶を持ち込んで午後を一人で楽しむくらいの小さなガラステーブルしかない。床から天井まで伸びる窓から差し込む陽もまた、部屋がいかに広いかを物語るぐらいである。上品なカーペットは、その半分以上は影の下に滞ったままだった。


「俺で良ければここに来てやることぐらい難はないさ。風邪をひいていなくとも、遠慮なく言えばいい」

「あら、私が寂しがっているとでも思いまして?」


水輝らしいその問いに対し、零痲はまた黙したまま口元に笑みを浮かべた。


「…お薬は、もう少しお水を飲んでからでも構わないかしら」

「ああ」


快く頷く彼の顔を見て、彼女は微笑み返す。舌に残る仄甘さを愛おしく思いながら、またグラスを持ち直した。
オルゴールは未だ、止まない。


END

いきなりこんなものを始めてすみません;
意見箱の応援ポチポチがたくさん頂けて本当に嬉しく思います!CM掛け合いも順調みたいで良かった…。今後は夏樹さんの台本執筆に特に力を入れて頑張っていただきたいものです!もう素敵な絵師様がいらっしゃるし…私がやることは特にないかな?今度フリーのもっとしっかりしたお礼小説でも書くか。うん、そうします。

村上 隆介様
≫こんばんは村上様、コメントありがとうございます!早速楽しく掛け合いの方を聴かせて頂いております(^^)
えー…あれは「蝶ネクタイ型声若返っちゃう君」です。決してコ○ンでは無いと…お、思いま…;
何か発明リクエストがありましたら是非リートちゃんへ。失敗だらけだけど、きっと作ってくれますよ(笑)
あぁ、モリスン氏のお名前に関しては前回日記の夏樹のレスにこっそり答えを書き込んでおきましたのでそちらを参考になさって下さいね〜!


以下は意見箱コメントレス。

こくり様
≫こんばんはこくり様。お返事が遅くなってしまい申し訳ありません;!CMの台本、面白いですよね!夏樹はギャグのセンスが良くて羨ましいんです。素敵なこくり様からそんなお言葉を頂けるなんて感激です!お忙しいとは存じますがこくり様も頑張って下さいね。今後とも応援させて頂きますっ!!

匿名様(製作日記を〜)
≫丁寧なアドバイスを頂きありがとうございました。隅々まで音箱に目を通して頂けているようで嬉しく思います!現在は誰かに頼ってはその方に失礼かと思い私の方も自分で色々と研究しています(彼女には内密にしていましたが…)。至らない点も多いとは思いますが、これからも音箱をよろしくお願いします!

匿名様(七海様の〜)
≫あわわわわ…何ということでしょう。"超"を付けて頂いた挙句、愛の告白まで…!(笑)
私なんぞには勿体無いお言葉をありがとうございます!是非またいらして下さいね。お待ちしております(^^)


先ほど本家の掲示板に「皆さん注目!」的な私の名を偽っての業者サイトを勧める書き込みがありました。…だけど管理人はドコモユーザーじゃないですよ〜。
せめてPCからにしておけばバレないのに最近の業者は手が込んできたという反面、あまりの軽率っぷりに笑わせていただきました。残念ながら一分もしないうちに削除しましたが(笑)


pc
[編集]
[1-10表示]
[返信する]
[新規トピ]
[戻る]




無料HPエムペ!