天使の井戸端会議
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[001] blue rose『三千寵愛在一身』
By 晶
2011-01-09 22:19:36
《プロローグ》

迷子になったの?まりあはママが迷子で探してるの。
一緒に行くの? でも一緒に行ったらお友達困らないの?
やっぱり迷子になったのね。いいよ、恥ずかしがらなくて。おデートしましょ?
大丈夫! 知り合いのおじちゃんからお小遣いいっぱいもらったから!
たこ焼きがいい? お好み焼きがいい?
あれ? カルメ焼きっていうの。お砂糖で出来てるの。甘くて美味しいよ?
何が好き? お野菜好きなの? じゃあ、おでんにする?
おでん、二つくださいな!
違うよ、ママが迷子なの。
ぎゃくなん? それ、なぁに?
わかった。おでん食べて待ってる。


 それはほんの小さな子供の頃の記憶。
 自分が迷子になったことも、口数の少ないその子が心配して付いてきてくれたことも知らなかった。
 すべてがわかった今だから言えること。

 あの出来事は、確かに始まりだった。

 始まるときは、さりげなく始まるのだ。


 気付くのは、ずっと先…。

K006
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[002] By 晶
2011-05-14 15:06:27
《大奥の中心に届く、
愛の黒メールは
  秘密》


 まーちゃん、お友達やめよ?
 それはあまりに悲しい記憶。その言葉と一緒に思い出すのはいつだって、今にも泣き出しそうな黒い瞳。それでも、これが夢だとわかっている分まだマシなんでしょうか?
 まーちゃんも悪く言われる。そんなのヤダ。
 とても小さい声でした。真っ赤な夕日の中で聞いた言葉は、声の主と同じで優しすぎて、聞いてすぐに大声で泣いたのを覚えています。子供でした。自分に告げた彼の方が泣きたかっただろうに。そんなこともわからなかったんです。
 気を付けた方がいいわよ?
 あの子身体大きいじゃない。
 まりあちゃんは可愛いから。
 今の子供はマセてるから。
 親切で言っている、そう繰り返す大人が大嫌いでした。
 何も知らないくせに。心の中で何度毒をはいたことでしょう。
 食いしん坊で可愛いものが大好きな幼馴染み。いつも髪に飾るリボンやシュシュを入れたポーチを持って公園に行きました。男の子にはつまらないだろうに幼馴染みは最後までお姫様ごっこに付き合ってくれました。
 いつだってそうだった…。いつだってお願いをきいてくれた、大好きな幼馴染み。
 でも、行ってしまった。おままごとにもお姫様ごっこにも付き合ってくれたのに。
 なんで?なんで?と心で繰り返せば、悲しくなって涙はますます止まらない…。

 レディーになりなさい、まりあ。

 本物の『良い女』だけが名乗れる称号。

 悔しいのでしょ?
 
 病床の母が頭を撫でながら自分に言った言葉は、昨日のことのよう。

 あの日からずっとずっと思っていること。


 強くなりたい。誰にも何にも、負けないくらい…。


 だって、もう手を離すのは嫌なの…。

K006
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[003] By 晶
2012-03-05 10:27:16
『満開の桜が校舎までの煉瓦の道を彩るように花を散らす。その道をさざめくように歩く少女たちを見て口の悪い友達が振り袖新造と言っていた三年前を思い出す』

K006
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[004] By 生
2012-03-05 10:28:27
三年前?!Σ( ̄□ ̄;)
一体なにが…
N01A
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