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[0001] ぼくらと戦争
By ACE
2007-09-07 05:31:44


カメラを持って
悠々散歩をしていた

犬の散歩をする夫人
見知らぬ男が
あわてた様子で
家から飛び出してきた
彼女の腕をつかみ
犬ごと家に入れた
それは拉致、というか
保護、というかんじだ

僕は塀のむこうを
ちょっとだけ覗いた

あああありがとう!
助かりましたわ!
夫人は涙目であった


近所に中学校がある
校内放送はいつからか
音量が大きくなった
政府がそうしたのだと

ピーンポーン、と
懐かしいあの音
昼休みに校庭で
遊ぶ子供を呼ぶ
個人ではなく
もれなく全員だ
はやく中に入れ、と

休み時間だから
外で隠れて煙草を
たしなんでいた不良
彼らでさえ
急いで学校に帰る
彼らも涙目


あるちいさな少女
転んでしまった
打ち所が悪かった
立ち上がれないでいる
僕は手を貸そうかと
思ったが早いか、
いかめしい男がふたり
肩に銃を下げて
そいつらは少女を
軽々とかかえて
中学校に避難した

気が付くと空は
とても不穏な色
僕は一連の景色を
カメラで撮っていた


次の日たわむれに
その写真を新聞社に
すると地方面を
おおきく飾っていて
あとで2万円、貰った
ラッキー!
とは思えなかった

新聞の中で
男にかかえられた
少女もまた案の定
涙目であった
あの日の空に似た




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[0002] By 如月
2007-09-24 14:51:36
この作品、非常に面白いですね
ぐんぐんと引き込まれました。
この様なメタファーの連続な感じの作品を批評できる程の言葉を私は残念ながら持ち合わせておりません。

ただ、素直に面白かった。
良い視点をお持ちの方なのでしょうね
ウラヤマシイ

では
失礼します。




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[0003] By ACE
2007-09-29 03:07:06
>>如月さん
感想有難うございました!

集いのログをぼちぼち読んでいると、戦争云々を書いてる詩が結構あったので。便乗して想像してみました。

実は表現はなんのメタファーでもなくて、ただ日常に戦争があったらば、という風景の描写なんですがね。深読みされるのもまた、面白いなあ。ありがとうございました

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