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[0001]
淀み、流れ
By やす
2008-12-16 08:18:00
雨の臭いがする、靄がかった朝だった。太陽の輝きは雲に埋もれ、街の木々が枯れ始めている。鳥が鋭く鳴く。車が道路を削る度、部屋の窓が震える。遠くで消防車のサイレンが聞こえ、隣の和室で祖母が咳き込み、それらの音が私の部屋をしばらく浮遊して消えた。
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満月が水平線で海を斬り、その痛みが小さな波にのせられ私の足首を掴む。錆びた灯台がその役目である光を失い、潮騒を見ている。砂浜についた私の足跡が、何かを語ることはなく。予定日より早くきた月経血が股の間で溜まり、煙草を吸う手が小さく震えていて、眼球の向こう側から波打つ過去を私は流せないでいた。
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ビルが紅紫に染められ、その裏に沈む排気ガスで濁った夕陽は、街人の影を温まることのない舗装道に張り付ける。初冬の風は街を通り抜け、落ち葉だけを連れて行った。まだ布団から脱け出せない私は、いつまでも窓から見えるその景色を抱く。もう咳き込むことのない祖母が流行りの歌ばかりを口ずさみ、私はそれを、聴き続けている。
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再オープンの喜びと共に。
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[0002]
By 椿 彦水
2008-12-17 00:22:55
お久しぶりです。
読ませてもらいました。
つむがれた言葉逹を、その背景を見つめてみて、この内にあるメタファーを、まだ私の中では一つのメッセージとして昇華しきれてはいないのですが(淀み、流れ。や、書いている事は伝わりました。)、やっぱりやすさんは、背景描写が、素敵です。そこに、感情や感覚をうまくのせているなって。
繊細だな。って、いつも感心せずにはいられないのです。
二連で、詩中の主人公の心の動きが描かれていますね。題中の淀みにあたる部分であると解釈しました。
月経血をここにもってきたのは、精神の不安定さの表しか、女性である事の強調。また、他の何かなのでしょうか。
三連では題中の流れにあたる部分が描かれていると解釈しました。
そして、拝読感が、まだ物足りなく感じました。それは、描いた世界観を、まだ生かしきれてはいないのかな。なんて、思いました。
読んでみての感想は、今はまだここまでで、もう少し読み込んでみようと思います。
中途半端な感想になってしまいまして、すいません。
そして、これからもまた宜しくお願いしますね♪
失礼しました。
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[0003]
By やす
2008-12-18 08:08:53
御批評ありがとうございます、お久しぶりです。
某所で、タイトルのことは色々言われました。まだ、うまくコツのようなものを掴みきれてないのです。
一つのメッセージに結び付かないのは、そのせいであるかもしれません。精進します。
ただ、こんなことを言ってしまうと言い訳がましくて好きではないのですが。(それでも、言ってしまう部分が、まだまだ人間的に未熟でこれからの課題なのですが、というかこの括弧内が不必要だと解っているのですが。笑)
自分自身(作中の主人公も同じく)、何処にも辿り着けないということを日々実感しています。用紙が無くなるまでコピー機から出続ける毎日で、あるような気がします。しかし、それは正確にはそうではなくて。他人は、何処かへ歩いています。すれ違い様に挨拶をします。けど、僕(私)は、その場所でずっとそんな人達を見ています。左からも、右からも。嫌いな人や、好きな人が来ます。目を合わし、お辞儀をし、言葉を交わし、たまには長話になります。しかし、皆何処かへ歩いていきます。彼等が曲がり角を曲がると、もう何も見えません。過去が残るだけです。私(僕)は、その度に何かを積もらせ、また何かを手放しています。
と、独り言のようなことですみません。笑 詩の返信としては、不適切であろう気がします。
あと、話はそれますが。詩を投稿する際、別の誰かの詩(それは、椿さんのものですが。)にレスをしようと思い。しかし、うまく書けず数時間悩んだ挙げ句、こういう無レスのかたちで投稿させて頂きました。管理人並びに、このサイトを盛り上げようとしている方々、遅れながらすみませんでした。
椿さん、こちらこそこれからも宜しくお願いします。
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