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アスカガ前提・黒ザラキラ【悲恋・ダーク】
By 那矢
※かなりザラ様が黒いです。キラ、カガリが可哀想な話なのでご注意下さい。アスカガ前提で、キラ→アスカガです。アスランはキラに対してひどい奴だったりします。



……好きだよ。

それは魔法のように乾いた心に甘く広がる。

それはまるで媚薬のような


甘い甘い嘘。







「アスラン…その、食事まだだよね…食べない?」

「いや…先に済ませておいてくれないか。キラに付き合ってる暇は無いから」

チラリとも目も向けられず、作業をしながら淡々と話すアスラン。
冷たい態度に堪らなくギュッと胸の前に拳を握る。なんだか涙がうっすらと浮かんできた。

「そ…だよね…ごめんね、邪魔して…」
苦しくて、涙がこぼれないうちに、その場から離れる。

そのまま食堂を通り過ぎ、自室へと向った。


あぁ…何やってるんだろう僕は。
…僕がアスランを誘ったところで、彼は僕に見向きもしない事なんて分かってるのに…。



考え込んでいると不意に、ドア越しに声が聞こえた。

「なぁキラ、まだ食事食べてないだろ?良かったら一緒に食べないか?」

聞き慣れた声がする。
高い少女の声。

前は可愛いと思っていた彼女の声は、今となっては拒否反応が出てしまう。


聞きたくない…。
「僕の事は放っておいてよ。カガリ…」

無意識に冷たい声が出てしまう。もう、彼女の声を聞いていたくなくて…

「でも、キラ…お前最近顔色悪いぞ。ちゃんと、食べてるのか?」

心配そうな声に、彼女に否は無いのだけれど…

「一人にしてくれない?迷惑、なんだよ…そういうの。」

でも、ダメなんだ。

抑えきれない。

彼女に対する醜い嫉妬が、ぐるぐると渦巻いているから。

「ご、ごめ…キラ…」

通路はシン…と静かになっていた。彼女は慌てて部屋の前から居なくなったのだろう。

…たぶん、きっと泣いてる。

ごめん、嘘でも微笑んで断れば良かったね…君は、悪くないのに。




少し時間が経つと、またドアのベルが鳴る。

出る気になれずに、ボオッとしていると

「…俺だ。入るぞ」 

その声にビクリと肩を震わす。
聞き慣れた声、心地よいその声…

だけど僕に対しては冷たく、硬質的な声…

ロックしていたはずのドアが簡単に開いて、部屋の中にアスランが入ってくる。
「なん…で?ロック、してた筈…」

僕は無意識のうちに震えて、アスランとの距離を保とうとしたけど、でもそれを許さないかのようにアスランが迫ってくる。

「俺が解析して外したんだよ。

…それより…キラ…」

にっこりと優しく微笑み、手をそっと僕の頬に添えた。

「何でカガリにあんな態度取ったんだ?カガリは傷つけるなと言ったはずだが」
「っ!?なんで…知って…」
「泣きそうな顔してたからな。…彼女にあんな顔させるのはキラぐらいなものだろ?」
クスリと微笑むアスラン。でも彼は冷たい笑みを浮かべるだけ。
僕にはもう暖かい笑みを見せてくれないって分かってるから。
だからアスランから視線をそらす。
「……カガリには、悪かったと思ってる…よ…ちゃんと後で謝る…から」
震えないように懸命に言葉を繋ぐ。うまく、言葉が口から出ない…。

「へぇ…そう。」

そう答えるとクスクスと笑うアスラン。愉快そうに、キラをジッと見つめていた。

……逃げ出したかった。

この、アスランの前から。
でも、でも…好きなんだ。
彼を。
苦しい程、好き…だから。
…だから、逃げ出したくても僕は、彼の傍に居たいんだ。

「キラは…寂しかった?俺に相手にされなくて。」
「っ…!?」

その言葉にギュッと眉を寄せる。

…寂しかったよ。

君に相手にされなくて…悲しくて。

身が張り裂けそうなほど。
つらかった。


「だから…カガリに当たったのか?」
「ぁ、いっ…!!!」

グッと強く腕を掴まれ、そこが痛みを訴える。

「抱いて欲しいなら、いつでも抱いてやるって言っただろ?」

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