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魔法少女リリカルなのは死の恐怖 再誕
By テオ☆
2008-09-10 02:02:42
これは以前ある大手コミュニティーサイトで掲載していた
なのは×.hack//G.U.+色々の小説の続編です。
諸事情により、そこで小説を書く事が不可能になったためこのサイトで書かして頂く事になりました。
続編とは言っていますが、初めて読む方々でも大丈夫なようにするつもりです。


……というより前サイトから読んでいて下さった方々にとっては、そんなバカな!?、嘘だぁ!と思う内容かもしれません。

何せ急展開ですから……

あと、出来れば読み終わった後に思った事なんかを感想部屋にて書いてもらえると有り難いです
F903iX
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By テオ
2009-06-30 08:20:25
(やった……!)


メイガスを真っ二つにしたハセヲの心の内に歓喜が生まれた。


(見たかシグナム……!これが俺の、お前が足手まといだと言った俺の力だ!)


ここで一つ確認ではあるが、ハセヲはシグナムの事を嫌ってなどいない。寧ろ、その反対である。

だが度重なる予想外の出来事にハセヲは次第に追い詰められ心が暴走してしまっている。それはかつてハセヲが、死の恐怖というあだ名でトライエッジ(三爪痕)を追い掛けていた時と同じだった。


ハセヲは止めをさそうとメイガスの方に振り返る。


「なっ───!?」


そして見た。その二つに分離されたボディから浮かび上がる───









己が宿命とも言える、仇敵の姿を。
N06A3
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By テオ
2009-07-15 08:14:31
メイガスの残骸から浮かび上がる黒い霧のようなもの。それらが次第に形作っているのをハセヲはただ、呆然と眺めていた。


「な、なんで───」


こいつが此処にいる?


そう呟きたかったが、それは出来なかった。なんせ心の内では既に分かっていたから。


メイガス、いやメイガスもどきと対面した時に感じたあの感覚。もはや忘れる事も捨てる事もできはしない自分の一部が教えてくれる警告音。


黒い霧が体を作り替え終わる。その姿は微生物のような形だった。


「また……また俺の邪魔をするつもりか!?










───AIDA……!!」
N06A3
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By テオ
2009-07-27 16:37:58
AIDAの体が揺れる。それと同時に何十という黒い手がハセヲを囲もうと飛び出してきた。


「チィッ……!」


舌打ちし、迫りくる手を避ける為ハセヲは後方に下がる。それにより幾らかは地面に激突し、避ける事に成功したが、それでも残った黒い手は未だハセヲ目がけて迫ってくる。
それらを持ちかえたカイザを2丁に変更し打ち落としていく。

そこへ追い打ちを掛けるようにAIDAから黒いエネルギー弾が放たれる。先程と同様に打ち落としてゆくハセヲだが、その数の多さに防御魔法を展開し防ぐ事にした。


「ぐ……!?」


だがそれは不完全に終わる。最初にAIDA、メイガスの攻撃を防いだ時に大量の魔力を消費し、先程まで戦っていたハセヲの魔力は限界が近い。リミットも解除してない状態でここ迄耐えられている事自体、奇跡に近いのだ。


「それが、どうした……!」


片膝をつきながらも、防ぎ切るハセヲ。持てる魔力とカートリッジを全弾消費し最後の攻撃魔法、いや召喚魔法を放つ。
両腕を体の後ろへとかざす。するとハセヲの後方に巨大な黒い穴が出現する。

そこから出てきたのは剣。それも大量の、数えきれない程の剣がゆっくりと飛び出してくる。


「喰らいやがれぇーー!!」


ハセヲは両腕を前方へと振りかざす。するとそれに従うように大量の剣群はAIDAに突撃してゆく。

今度は逆にAIDAがそれらを打ち落とそうとする。

だが止まらない。

どんなに攻撃を加えようともそれらは決して止まらない。

無理と判断したのか、AIDAは自身の体の一部を盾のように飾す。

そして──────







剣群は盾を貫き、AIDAの体を貫いていった。
N06A3
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By テオ
2009-08-05 17:24:26
「はっ、はっ……ぐっ」


残りの魔力の殆どを注ぎ込んだ反動にハセヲは倒れそうになる。それを何とか足を踏張って耐え、前方を見定めた。

目の前に剣群の茨が広がっている。そこにAIDAの姿はない。


「やった……か」


そう安堵すると同時にバリアジャケットがまるで鏡が砕けるように解かれる。
ハセヲの精神はもう限界だった。やがて、ゆっくりと目を閉じながらハセヲはその場に倒れた。






「ハセヲ君!」


ハセヲが倒れた事に慌ててその場に駆け付けようとするなのはと、フェイト達。
だが相変わらず自分達の間に隔てられた結界に遮られる。


「……オーヴァンさん、これを解除して下さい。今ならまだ、貴方の罪は軽くすみます」


静かく、だが有無を言わせない冷たい声でなのはは言う。だがオーヴァンはそんなものは大した事ではないと、言わんばかりに笑みを浮かべ首を横に振った。

瞬間、オーヴァンの左頬スレスレに何かが通り過ぎる。通り過ぎたそれは後方で地面にぶつかり爆発を起こす。


「やれやれ、恐ろしいな。まさか、君達管理局にとって絶対とも言える、非殺傷設定を解除してくるなんてね」


「……次は当てます」


そう言ったオーヴァンの左頬から血が流れている。それに驚愕した皆の目線がなのはに突き刺さるが彼女自身は気にも止めなかった。


「フム……だがそれはやはり不可能さ。まだ勝負は着いてないからね。
……いや、もうすぐ着くのかな?」


その言葉になのはは猛烈な嫌な予感を感じ、振り返る。フェイト達もまさか、と思い同じように振り返った。

そこから彼女達が見たのは、大量の剣群から溢れ出てくるAIDAの姿だった。
N06A3
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By テオ
2009-08-07 12:38:29
「馬鹿な……!あれだけの攻撃をくらって、まだ動くだと……!?」


シグナムは信じられん、と目の前の現実に目を見開いた。
シグナムだけではない。同様になのは達も、そしてこの状況をモニターしていたロングアーチスタッフ、部隊長であるはやての全員があり得ないものを見たと言わんばかりに言葉を失っていた。


「ハセヲ……以前の状況と照らし合わせて、魔法でも消去出来ると思ったのかい?……だとしたら甘いな。お前が強くなってゆくのと同じように、AIDAもまた強くなってゆく。
もっともその代償で増殖の能力を捨てるはめになってしまったがな」

「以前……?AIDA?一体何の話を────」


その言葉の所々から聞き取った不可解な単語。職場上の癖か、フェイトは直ぐ様問い詰めるが───


「どうやらここ迄のようだな、ハセヲ。正直がっかりしたよ」


それは次のオーヴァンの言葉の意味を理解した途端に遮られる。気が付けばAIDAは今にもハセヲに覆い被さろうてしている。


「ハセヲ君!お願い、逃げてぇ!」

「ちょっとアンタ!何呑気に寝てんのよ!逃げろって言ってるのが聞こえないの!?」


なのはが、ティアナが、二人以外の者達も口々に叫ぶ。ホテル・アグスタ屋上にて指揮をとっていたシャマルも何とかハセヲを転位させようとしているが、やはり結界に阻まれ手を出す事が出来ない。

そしてハセヲが覆い尽くされる────










「────死ね」


その前にAIDAの体は大きく吹き飛ばされた。


「お前は私が殺す。今この場で、この瞬間で」


AIDAを吹き飛ばしたその人物は氷の如く冷たさを感じさせる声でそう呟き、AIDAを睨み付ける。


「……あ…あ……」


それをモニター越しから見たはやては大きく目を見開き、震えていた。

吹き飛ばしたその人物の目は、声とは裏腹に激情に燃えていた。

その通りのまま、真赤な目で。


「リイン……フォース」


そのはやての呟きは誰にも聞かれる事は出来なかった。
N06A3
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