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魔法少女リリカルなのは 君想フ声
By テオ
2009-08-25 16:04:44
二本目です。前のトピックがいっぱいになってしまったので立てます。

……更新が疎らでスミマセン。
N06A3
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By テオ
2009-09-07 09:01:31
放たれる無数の黒き手。リインは左脇でハセヲを掲げ、右手に持つ銃型ストレージデバイスでそれらを打ち落としてゆく。
打ち落とす、と言えば簡単に聞こえるかもしれないがリインのその様は同じように訓練していたフォワード陣営にとっては驚愕するものだった。迫りくる手を超速で連射し、たたき落としていく。リインが着地する頃には全て防がれていた。


「生憎貴様と遊ぶつもりはない。───早々に勝負をつけさせてもらう」


そう言ってハセヲを再度地面に横にすると、ただ一言呟いた。


「T.O.S、スタンバイ」

〈Reformation〉


瞬間、リインのバリアジャケットが姿を変える。それはかつて闇の書事件の際、なのは達に見せた黒い騎士甲服だった。
その姿になるのと同時に先程迄とは比べ物にならない魔力がリインを包みこむ。その異常な状況に恐怖したのか、AIDAの動きが止まる。


「スタート」

〈Start Up〉


それが間違いだった。

消えるリイン。消えては何時の間にか別の場所に立っている。そんな事が続く間、AIDAはひたすらに体を撃ち抜かれていく。動こうとしても、その前に衝撃が襲い動く事が出来ない。


「終わりだ、死ね」

〈ルシファーズハンマー〉


銃から打たれた黒い三角錐がAIDAを捕える。
リインは飛び上がるとそこに入り込むように右足を伸ばすと────


「消えろ……!!」


三角錐はドリルのように回転しAIDAを抉りぬこうとする。今までで一番の恐怖にAIDAは必死に逃げようとし、リインに腕を伸ばすが───








「これが私の主を殺そうとした貴様への罰だ」

〈3、2、1──Time Up

Reformation〉



その手が届く事はなく、AIDAはその場に崩れ去っていった。
N06A3
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By テオ
2009-09-10 08:20:47
地に倒れたAIDAは砂となってその形を失ってゆく。それを暫く冷めた眼で眺めていたリインは、やがてこの事件の元凶へと再び眼をやる。


「───────」


目線が重なる。暫く互いに言葉を発しようとはせず、睨み合いが続いた。
だが、何時までもそうしてはいられないと思ったのか、おもむろにオーヴァンは口を開いた。


「取り敢えず、見事だと言わせてもらうよ。流石は未だそちら側の世界の恩恵を受けているだけある。
折角、チューンしたAIDAが台無しだ」

「それはどうも。だがそう残念がる必要はない。
お前は、今此処で、私が消すのだからな」


消す─────その言葉がどういう意味なのか、分からないなのは達ではない。
だからこそ、皆はそれを無視出来なかった。そう思い、皆が口々に説得しようとするが─────


「黙れ」


リインの底冷えた低いに黙らざるを得なかった。
N06A3
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By テオ
2009-10-05 08:40:24
「奴と私達は決して相容れる事はない。どちらかが消え、片方が生き残る。それが私達の関係だ」

「そう、その通りだ。古来より俺達はそういう関係だった」


オーヴァンの右手が光り、そこから青い銃が取り出される。それを見たリインも構えるが────


「が、その前に────起きているんだろう、ハセヲ?」

「!? ハセヲ、気付いていたのですか!?」

「……あぁ」


オーヴァンの言葉に慌てて後ろを振り返り、下を見ると体の痛みに身を震わせながらも、立ち上がろうとしているハセヲの姿があった。


「何で……何でだよオーヴァン! 何で、よりにもよってあんたが! あんたがそっち側にいるんだ!?」


「一応言っておくが、俺はお前が知るオーヴァンじゃないさ。こっち側にいるのは……まぁ、数奇な運命によるものだろうな」

「オーヴァン……!」

「さぁ、そろそろ殺し合おうか。本当ならそんなつもりで来たわけにじゃないんだがね……。彼が君を欲しがっているが、それも憑神のデータが欲しいから。この戦いでそれが見れれば構わんだろうよ」


左手の拘束が外れる。そこから見える────かつての兄と同じ姿。

だが、姿形は同じでも彼は自分が知るオーヴァンではない。それを認めたハセヲは自身の前にいるリインにリミット解除を要請する。
リインは特に何も躊躇せずそれを認めた。彼女自身分かっているのだ、これは二人だけで着けなければならない戦いなのだと。

リミットを解除した後、リインは未だ事の成り行きを見守っているなのは達の元に下がる。ハセヲが安心して戦うには彼女達の身の安全が保証されていなければならない。



バリアジャケットを纏ったハセヲは一本の剣を取り出す。それを見たなのはと、ヴィータの目が大きく見開かれる。それはかつて、なのはの命を救った────


「さぁ…始めよう。






ハセヲーーーッ!!!」


N06A3
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By テオ
2009-10-22 16:38:00
雄叫びと共にオーヴァンの右手に握られた銃が火を吹いた。
ハセヲは迫りくる弾丸を避けながら距離を詰めるべく、突貫する。そのスピードは今までなのは達が見たハセヲの動きのどれよりも速い。


「はぁっ!!」

「させんさ!」


懐に入り込んだハセヲが右手に握り締める黒き剣、
過ぎ去りし思い出を振るう。が、それはオーヴァンの左手に握られた奇妙な形の剣に遮られる。
だがオーヴァンの動きはそれだけに止まらない。


「ふふ……そら!」

「くそ……!」


左肩から生えるように存在する黒き腕───AIDAがハセヲを切り刻もうと腕を振るう。ハセヲは鍔迫り合いを解き、咄嗟にその場から離れる。


「くそっ───!?」


離れてしまった事を一瞬悔やみながらも、すぐに切り替え左手に持つカイザの銃口を向ける。が、次の瞬間にカイザが爆発した。


「俺達と戦う為に随分と頑張ったみたいだが……無駄だ。お前が知っている俺の同類達は初期の段階。謂わばLv1。だが俺はそれより上のLv2だ。その一撃に耐えるには武器の強度が足りないな」

「そんな……!」


予想外の出来事にハセヲは焦る。これでは頼りになるのは過ぎ去りし思い出のみだ。いくら何でも分が悪い。

ならば残された手段はただ一つ。


「だったら……!」


ハセヲの身体に紅い紋様が走る。それは心臓が鼓動するように点滅する。


「そうだ、お前が俺に勝てる可能性があるのはそれだけだ……」


オーヴァンの身体にもハセヲとは違った蒼い紋様が点滅し出す。


「さぁ、これからだ───ハセヲーーーッ!!」

「いいぜ…来い、来いよ!」


互いに拳を握り、突貫する。


「来たれ再誕!!」

「俺はここにいる!!」


この宿命に決着をつけるために。


「コルベニクーー!!!」

「スケェィィィスッ!!!」


その姿を変える。
N06A3
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By テオ
2009-10-23 14:12:14
雄叫びと共に両者の握り締めた拳がぶつかる。瞬間、まばゆいばかりの光が二人を包み込んだ。


「くっ……!」

「なに……!?」

「眩しい…!」


なのは達はその突然の光に目を腕で庇い、細める。ただ一人、リインTだけが目を細めることも逸らす事もなくじっとそれを見つめていた。


「来るぞ…しっかりと見ておくがいい」

「えっ……?」


リインの言葉に首を傾げるなのは達。だが言われた通り、光をじっと見つめる。

光が止む。その先になのは達が見たものは────


『なっ……!?』


ぶつかり合う拳と拳。だがそれは決して人のものではない。


それらは反発するように互いに離れ向かい合う。


片方は澄んだ蒼。人の形をとっているがそれから伝わってくる覇気は先程なのは達が戦ったメイガスもどきとは比較にならない。
何より、あの見るからに邪悪さを醸し出す赤黒い左腕は絶対の恐怖を与えてくる。


そしてなのは達の目の前に並び浮くもう片方。
此方は先程の存在に比べればとても小さい。あの蒼い巨人が五十メートル近くある巨体なら、こちらの巨人は二十メートルあるかないかというところだろう。

だが、それから伝わってくる覇気は蒼い巨人以上のもの。白と黒で構成された身体。背中に並ぶハ本のブレード状のフィン。それらを包み込む淡い桜色の光は辺りを照らす。
まるで神話やお伽話に出て来る神様のように。

だというのに、それは見ているものを安心させる優しい雰囲気が漂う。

ふとその巨人がなのは達の方に振り向く。突然の動作にビクッと震えたなのは達ではあるが巨人は一人一人に目をやっていく。
やがてなのはと、その横に並び立つリインTを見つめた時、その巨人が初めて言葉を発した。


「……頼む」


それはなのは達にとって、とても聞き慣れた声。どこか無理をしているように見え悲しい目をした、ぶっきらぼうで、だけど本当は優しい少年の声────。


「ハセヲ君……なの?」


なのはの声に巨人゙スケィス3rd゙は応えない。彼女の隣に立つリインTの頷きを確認し、再び蒼い巨人゙コルベニク2nd゙の方に振り向く。と、同時に右手に光の大鎌を出現させ、それを両腕に持ち襲いかかった。
N06A3
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