By 【プレゼント】 今宵の空は、淡い下弦の月が浮かんでいた。日が沈んだ今、辺りは一層暗闇に包まれている。 何も告げられず、シリウスとジェームズに外へ連れ出されたリーマスは、怪訝な顔で辺りを見回した。 「ルーモス! 光を!!」 二人が揃って唱えると、二本の杖の先に光が灯る。杖が踊り闇に文字を綴っていった。 “happy birthday ♪” 綴り終わった二本の杖の先が、一点を指す。そこには大きな箱を持ったピーターがいた。 「誕生日おめでとう。少し早いけど、僕たちからのプレゼントだよ。」 誰よりも一番にお祝いしたくて。と、ジェームズがはにかんだ。 By ピーターが歩みより、箱を差し出す。 「み…皆で選んだんだ。」 シリウスとジェームズはニッと顔を合わせ、杖を天に向けた。杖の先に灯る光が勢いよく夜空に上がり、鮮やかな花火がいくつも広がっていく。 リーマスの驚いた顔にジェームズが楽しそうに笑った。 「来年は何をしようかな♪」 「僕に早く年を取らせるつもりかい?」 「来年も祝わせてくれるだろう♪」 また一年、俺達と思い出を作っていこうな!シリウスは満面の笑みを浮かべた。 END 戻る [1-10表示] [返信する] [新規トピ] [戻る] 戻る |