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By 【昼食】
 
 フィッチャーは昼前に一区切りつけた事を安堵すると、書類をシュウに預け食堂に向かった。
仕事が押すと昼食が3時になる事も珍しくない。
それを知ったナナミが、時々自作弁当の配達に来る。
肥えた舌では無いが、表現しがたい味に“絶句”させられてから、1時までには終らせようと心がけていた。
 食堂は時間帯もあってほぼ満席だった。バレリアの前に空席を見つけ、相席願う。席を確保し昼食に取り掛かった。
フライを流し込む様に食べるフィッチャーに、バレリアが小さく笑った。

「フィッチャー殿は、魚が苦手で?」

「好き嫌いないですね。補給さえできればいいんです、私は」

「優しいのだな」

 言葉の意味を計りかね、フィッチャーは眉間のシワを深くした。

「なんでも美味しそうに食べる、とナナミ殿から聞いていた。だが私の見る限りその言葉から遠いようだ」

「ははは…」

 面倒臭そうに食べる自分の様子から、バレリアは察したのだろう。
キラキラした目で食べる様子を見守られたら、演技の一つや二つは披露したくなる。
自分には無い純粋さが、フィッチャーには眩しかった。

END

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