By 【探しモノ】 シエラは石板の前にビッキーの姿を見つけ、溜め息まじりに声をかけた。 「お主…そこにおったか。」 「あ、シエラさんいつもと違う服ですね。お出掛けですか?」 ビッキーはニコニコと無邪気な笑顔で答えた。シエラはその無邪気さに頭痛を感じた。 「リオウが探しておったぞ」 「え!!リオウさん今どこですか?」 「さぁ…妾もそこまでは。城の執務室かのぅ」 「ありがとうございます。いってきますね」 ビッキーはぺこりと頭をさげ、テレポートで消えた。シエラは再び深い深い溜め息をついた。 「相変わらずだのぅ…」 ビッキーにとっては数日ぶりかもしれないが、リオウにとっては300年ぶりの再会を今ごろ果たしているだろう。 300年前、デュナン統一戦争終幕の祝賀会真っ最中に忽然と消えたビッキー。 そして歴史の中で絶える事無い戦争。 今回の戦いに真の紋章が絡んでるのではと難民に紛れて見に来てみれば…紋章がひきよせたのか。 偶然か必然かの再会に眉を歪めると、シエラは静かにその地を後にした。 END 戻る [1-10表示] [返信する] [新規トピ] [戻る] 戻る |