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はにゃーん的独用小説板
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.MACHI//
By ダスキン
2010-01-23 21:31:45
はい、皆さんこちらではお久しぶりなダスキンです。

いつも思いつきな自分が思いつきでまた小説を始めました。
tカラのイレギュラーバランサーのついで位で読んでいただけたらなと思います。

今回はtカラが以前書いた街の抗争の後日談となっております。
なお、タイトルからお分かりの方もいると思いますが、タイトルや一部の技、演出はゲーム「.hack//」が参考になってます。
また、能力などはここの掲示板から取ってますんで、何か思いついたら更新してみてくださいな。

まあ本当に思いつきで始めたわけですが、読んでいただけたなら嬉しいです。

では長くなりましたが、お話の始まり始まり。
W53H
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By ダスキン
2010-02-21 19:09:32
居酒屋はにゃーん。
かつて旧い街に存在したその場所は、いくつかの改修を経て新しい街に移された。
かつての賑わいを彷彿とさせるそこは、MEGUMIの知る皆の集う場所であった。


「皆っ」
荒々しく扉を開けて居酒屋に入店したMEGUMIに、視線が集中する。MEGUMIはたじろぐことなくもう一度口を開く。
「昴がtカラの情報が手に入ったって…早く、それを教えて…っ」
「ま、まあまあ、落ち着いてくれ」
先に入っていた昴が慌ててMEGUMIをなだめにかかる。そのまま増築された椅子に座らされ、彼女は少し不機嫌そうな表情を浮かべた。
「まあ、気持ちはわからなくはないけども、少し落ち着いて…」
猫の顔を象った帽子を被った少女-楓は、昴を押し退けてMEGUMIに話しかけた。
「…」
「まあ、あれだ。tカラの場所が見つかったっても、ちょっと突飛なもんで信憑性に欠けててなぁ…」
黙り込むMEGUMIに、昴はそう言ってため息をつく。


一息ついたところで、再びMEGUMIは顔をあげ、頬にMの文字がある青年-無限へと視線を移す。
「…あの街へは、明日介入するつもりだ。俺達だって、いつまでも手をこまねいてるつもりはない」
無限はMEGUMIが何か言うより早くそう呟き、立ち上がる。
「ん、だからMEGUMIもちゃんと休ん-」
昴がそこまで言った瞬間、つんざくような悲鳴が辺りを包んだ。
SH004
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By ダスキン
2010-03-10 10:43:08
「な、なんだ…っ?」
昴が呟くと同時に、無限は立て掛けていた大剣を掴んで外に出る。数瞬遅れてそれ釣にられるように、皆も武器を持って外へと出た。
「…っ?」
そして、絶句した無限の視線の先を見る。その先には、瓦礫になった町並みに佇む左耳に縫合痕、頬にDの文字の青年が立っていた。
「だ、ダスキン…?何してるのさ…」
一番後から出てきたルクスが、得物である槍鎌の穂先を少し下げながら問う。
が、ダスキンは答えることなく合図のように右手を挙げる。瞬間、手袋のようなものが大量に現れ、四方八方へと散っていった。
「こ、こいつらは…っ」
愕然とするルクスを尻目に、無限はダスキンへと切り掛かる。しかし、どこからともなく手袋が飛来し、それを止めた。
「く…っ」「楓、下がって!」
その後ろでは、弓を構える楓をひゃわが手で制して、飛来してくる手袋を体術を駆使して打ち落とす。
「…っ」「MEGUMI!あまり前に出すぎるな、危ないぞ!」
双剣で手袋を切り刻みながら前に進むMEGUMIを制しながら、昴はダスキンを見る。
「(どういうことだ?何故こいつらを使える?いや、なにより…)」
「(こいつは、誰だ?)」


刹那、火花が上がり、金属音が響く。大剣を押し込もうと力を込める無限に視線をやって、ダスキンが何かを呟いた。
「…!貴様っ」
無限はいきなり吠え、大剣を一度引いてたたき付ける。それを受け止めるアサルトダガーが、今にも折れそうなくらいにしなって刃にいくつものヒビを入れる。
「…ふム、こいつモもう、必要なイか」
ダスキンは全く顔色を変えず呟いて、一旦後ろに下がる。
「逃がすか、よっ!」
無限が吠えて剣を振ったのと同時に、剣先に集っていた炎が相手へと飛翔する。
が、それをあっさりかわしたダスキンはどこからか取り出した弾丸をアサルトダガーで挟み込む。
「お前ハ脅威だが有用ダ。主の元へと連れていク」
「言うじゃないか…?」
獰猛な笑みを見せた無限に対し、ダスキンは無表情のまま電気を溜めていく。
「…っのお!」
無限が叫んで、炎を纏った大剣を構えて突貫する。
「発射準備、完了。照準合ワセ開始スル」
青い火花を散らしながら、ダスキンは呟く。次の瞬間大剣と無限の体を、赤い光が貫いた。
「…っ、あ」
「無限!」
轟音に振り向いた楓の声と共に、無限の体は地面へと吸い込まれた。
SH004
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By ダスキン
2010-04-11 13:51:44
「昴、無限を助けるよ、援護お願いっ」
倒れ伏した無限に対し、最初に動いたのはMEGUMIだった。
昴に言い放ち、双剣を構えてダスキンに突撃する。
「かえぽん!」
「お任せっ」
「こっちも援護するよ、ひゃわ!」
ひゃわも同じように突撃し、楓とルクスが弓と飛針を手袋に向けて放った。
「…フォーメーション」
ダスキンは、右手を呻く無限に出しながら呟く。
すぐさま周りの手袋が、二人を取り囲むように集い、遠隔攻撃を遮断する。
「っぜぇぇえいぃ!」
「はぁあっ!」
そこに、ひゃわの正拳とMEGUMIの剣が入る。
が、囲いは強固に二人の介入を阻み、二人を取り込むようにつかみ掛かる。
しかし、それをさせまいと後衛の遠隔攻撃が手袋を打ち落とした。
「MEGUMIちゃん、上から叩くから、横からお願いっ」
「了解っ」
その言葉に頷き、ひゃわは強い衝撃を囲いに与えるべく回転しながら飛翔し、MEGUMIも、双剣を順手に持ち替え、各々の属性を解放する。
「『崩天撃』!」
「『遊月・横閃』!」
が、二人の技が当たる瞬間、囲いが弾け飛び、文字列で構成された触手のようなものが四方八方へと伸びていく。
「う…っ」
「あぁぁあ!!」
MEGUMIは、飛びかけた意識をかろうじて留め、自由落下するひゃわを受け止めるべく地を蹴る。
その間も文字列は分裂と増殖を繰り返しながら伸びて行き、ついには後衛陣へと到達した。
「くそっ!楓、ルクス、下がるんだ!二人の救助に向かう!」
言いつつ、昴は駆け出そうとする。が、
「ひゃわりぃぃいん!!」
親友の危機をようやく体で理解できた楓が、遮二無二突撃していった。
すぐに二人はそれを追おうとするが、攻撃の衝撃で吹き飛んだはずの手袋の群れがそれを阻む。
「…っ」
舌打ちした昴は、自分も突撃しようとするルクスを抑え、後ろに跳躍した。

と、役目を終えたと言わんばかりに文字列が引いていく。
視界が開けたその場には、ダスキンとうずくまるようにして伏しているMEGUMIとひゃわの姿だけがあった。
「…ム、まだ使いこなセンな…余計なものガ混じっタカ」
右手を見つめながらぽつりと、ダスキンが呟く。唖然としていた後衛二人だが、ルクスが動いた。
「ダスキィイン!」
咆哮し、光と共に針を展開、即射出する。しかし、目標の姿は一瞬にして文字列へと変化し、地面へと潜り込む。
「逃げられ、た…」
昴が呟く。


彼らとの初戦は、黒星となった―
SH004
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By ダスキン
2010-04-19 15:14:25
―某所。

薄暗い町並みのエントランスに、文字列が集う。それらは急速に人の形へと集まり、そこからダスキンが発現した。
「…」
無言のまま、歩みを進める。
エントランスを抜け、看板が落ちて半壊している映画館、瓦礫と化したダンスホールを視界に入れながら、彼はただ歩く。
ふと歩みを止め、彼は「は ゃーん」と書かれた看板がある建物を見上げる。

「お帰りぃ、お仕事ごくろうさんっ」
視線の先にいた黒いワンピースの女性は、陽気な笑顔を浮かべながら、彼を見下ろしてそう言った。
「…ターゲット以外の情報モ入っタガ」
無表情のままダスキンは帰し、女性に手の平を向ける。すると、その手の平からオレンジと青色の光の玉が飛び出し、黒ずくめの女性へと向かった。
「あ〜、射手かぁ。まあ、試したいデータがあるから、使わせてもらおかな」
オレンジの光の玉をポケットに突っ込みながら彼女は呟き、青い光を手の平に乗せる。
「そいつニはどれヲ組むンだ?」
「『運命』、だよ」
今度は、入口の方から声が上がる。そこには、白衣に眼鏡と言ういかにも学者風な女性が立っていた。
「ほう、いきなり強力だナ?俺ハまだ何モもらっテないと言うのに」
無表情のままに皮肉るダスキンに、白衣の女性はやれやれと首を振る。
「心配しなくても、ちゃんとあるよ、ほら」
代わりに口を開いた黒い女性が、何かを彼に投げる。
「『蒼』、こいつにあんたの能力が一番マッチングしたんだよ。新作が出るまでそれで我慢かな」
蒼い立方体を見つめるダスキンに、口元に孤を描いた黒の女性は言い放つ。
「ほら、納得したならこっちに来なさい。取り付けるから、さ」
間髪入れず、白衣の女性がダスキンを呼ぶ。彼は大人しくそれに従い、建物へと消えた。
「あんたも下りて来なさい、ツィール。データ配列だけじゃどうにもならないわよ?」
「まあ、そう言わずに。ちょっと面白い感じにしてみるから、さ」
その返答にやれやれと頭を振りながら、白衣の女性は建物へと入っていった。

「さあ、私の駒とあんたの駒…どっちが早く『街』を喰らうか、勝負といこうじゃない、テイル」

その姿を見送り、楽しげにぽつりと黒い女性は呟き、文字列に変化してどこかへ霧散した。
SH004
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By ダスキン
2010-08-13 22:48:53
後日、居酒屋はにゃーんの2階にある、宴会に用いられる座敷部屋。
締め切られたその部屋の前に、ルクスと昴、そして前回はいなかった男性陣―Raptor、くりふ、戸戸戸、κが待機していた。
「…しかし、にわかには信じがたいな…」
先日の事を話終えた昴に、何かを思案するそぶりを見せながら、Raptorは呟く。
「信じがたいも何も、我らがひゃわさんがあんな状態ですし、行方不明者もいますし…」
戸戸戸も、やや苦々しい表情を浮かべる。
情報を集めるのが趣味であり、また、それを生業とする彼にとって、他の情報に目を取られ、今回の件について情報を収集できていないこの状況は、唾棄すべきものであった。
「こうなっている以上、そろそろ楽観的に見るのは止めた方がいいかもしれないね…」
クリフの呟きに、皆無言で頷いた。
暫し沈黙が辺りを支配したが、昴は少し重いため息をつき、それを破る。
「後手に回るより、こちらから出向いてやるべきだと思う。相手の意図はわからないけど、このままじゃジリ貧だ」
「私も賛成ですね。篭城なんて、うまくいった試しがないですよ」
ただ、私は戦闘はできませんが、と、戸戸戸は付け足した。
「幸い、無限が立てたプランがある…。戦える者を集めて、夜辺りに出撃って形かな」
「それより、今すぐ出た方がいいんじゃないか?」
Rapterの提案に、突然クリフが割り込む。やや憮然とした表情を浮かべたRapterの代わりに、κは口を開く。
「備えあれば…っていうじゃないか。ただでさえ、相手は得体が知れないんだぞ?」
「でもゆっくりしてらんないんだろう?」
「む…」
「ま、まあまあ…。二人のいうことは両方正しいからさ…、行ったとしてもとりあえず偵察くらいにしとけばいいんじゃないかな…」
ルクスが慌てて仲裁に入り、両者とも渋々矛を納めた。
「…あともう一つ提案なんだが、バックアップに誰か一人当たるべきじゃないかと思うんだ。前の戦闘で一人であそこまで戦われたんだ、複数出てきた場合、偵察と言えど逃げ切れない可能性がある。そういうのを察知する役が必要だ」
「私は戦闘ができませんから、私にやらせていただきたいですね」
昴が呟き、それに戸戸戸がすぐさま応じる。
「…よし、それじゃ早速出るか…クリフ、伝言を頼む」
「了解した」




SH004
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