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葉月小説1
By 葉月 風樹
2010-03-30 22:48:10
書くと言っちゃたのでとりあえず有言実行
ゆるめに書いてきます。
pc
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By 葉月 風樹
2010-04-26 00:08:13
私はすかさず次の剣技を準備する。
「風花流水流火の型一刃『烈火』」私は起動させながら剣を上段に構える。そしてこのまま突っ込んだ。
「っく、砂塵槍」私が飛び込んできたので覆面は距離を取るために魔法で牽制しながら後ろに飛ぼうとする。しかしそんなの予想済みだ。
「間技『御凪』」私は空間転移で避けつつもさらに間を詰めた。この技は『凪』のおまけで付いてきた技だ。攻撃自体には直接使うことができない制限はあるが、『凪』のそれよりも広い範囲に飛ぶことができる。
「っ砂塵壁」覆面は砂塵の障壁で身を守る。子の間合いではすでにそれしか手はなかったようだ。だがそんなの私にとっては全く意味がない。私は剣を振り下ろし、障壁ごと覆面を叩き斬ろうとした。その思惑は三分の二成功した。『烈火』の効果は障壁ごと敵を斬るというものだ。私は障壁を見事の切り捨てた。しかし、斬れたのは敵の覆面までだった。
「あなたでしたか。斬さん。」私は冷静に覆面・・・斬に呼びかける。
「あぁ、悪いな。お前ら全員殺して兄の偉業は俺がいただかせてもらう。」斬は胸糞悪い笑みを浮かべ、詠唱を始めた。
「陰・昏きこと闇より深し混沌よ地獄より出でよ!・・・」
私はそれを聞いて最悪な気分になった。今斬が唱えているのは禁呪の中でも最悪な禁呪「獄呪」だった。さすがにこんなの火の型で斬れるか分かったもんじゃなかった。私は急いで剣技を起動させる。
「風花流水流風の型秘剣『風刃乱舞』」私はそう言いながら剣を横凪に振り切った。そこから幾千幾万の風の刃が生まれ、斬に襲い掛かる。もちろん「獄呪」相手に手加減などできない。本気の一撃だった。
「陰・其は全てを喰らえ。」斬がそう唱えるだけで『風刃乱舞』は闇に飲まれて消えてしまった。
「おいおい、すでにチート状態ですか。」私はそう言いながらも次の手を考える。
「風花流水流火の型秘剣『劫火剣乱』」今度は完全破壊の剣技で攻撃を繰り出す。
「陰・闇は無限」斬は再び唱える。斬の前に闇が生まれ、私から守るかのように立ちふさがった。
「仕方ないな。」私はその様子を見て『劫火剣乱』を中止した。
「こうなったらあれしかないし。」私はほんの少しだけ精神統一をした。
そして、私は私という名の全てを無にする。
「風花流水流水の型奥義『水の龍神』」私は一番苦手な型を使う。この技は火の型とは正反対の技だ。力ずくで敵を倒す火の型に対し、水の方は敵の全てを受け入れ、相手の思考、行動、心までを読みきり、相手の全ての攻撃、防御を受け流し、その上で相手を倒す。いわば受身の剣技だ。その中でも『水の龍神』は奥義というだけあり、起動中は全ての攻撃、防御を無効化するという強力なものだった。しかし、さすがにいいことだけではない。
「殺せ、喰らい尽くせ、全てを無へと返せ」完全に無となっている私の中にそんな言葉がどんどんと流れ込んでくる。これは相手の、つまり斬の思考だ。すでに相当『獄呪』に侵食されているらしい。私は走り出した。
「無・コロセ」斬の術式が変わった。どうやら第二段階に移行したらしい。

その頃カルマはというと、
「我・草木の精霊の力を借りて我に仇名す者等を眠りの園へと導かん」向かってkぅるしかくをまとめて眠らせ、
「我・大地の精霊の力を借りて我に抗う者等を捕縛せん」眠った敵から捕縛していった。
「ふぅ、大体終わったな。・・・ん?あっちはやばそうだな。魔力からして禁呪それも相当強力な狂った奴しか使わないようなほど強力な禁呪だ。」カルマはそう言いながらも少し考える。
「削どころかこのまんまだとここら近辺にいる全員が危険だな。しかし、あの女も最低だな。高見の見物しながら一攫千金狙うとは斬をたぶらかした罪は重いぜ。」そしてカルマは唱え始める。削を、アースを、そして斬を助けるための呪文を。
「風の精霊、地の精霊、水の精霊、木の精霊、火の精霊、光の精霊、闇の精霊、時の精霊この世に在りし全ての精霊よ。・・・」

そんな事は知らずに私は斬に近づいていく。
「無・ケシトバセ」妙な衝撃波が来たが、それは無力化する。しかしこれ以上強力になると、私の能力では無効化しきれないだろう。どうにか斬に一撃当てなければ私にも、そして後ろにいる削にも命はない。
そして、やっとの思いで斬を私の間合いに入れることができた。だが、その時点で私の集中力は途切れそうになっていた。
「無・・・・」再び斬が唱えようとした。
「精霊王は姿を現さん。」しかし、その後ろから別の詠唱が割り込んできた。
「『召喚・精霊王ティアマト』」詠唱の主はカルマだった。カルマは禁呪の魔力を感じた時から最上位魔法の一つである召喚術の中でもさらに上位の魔法である精霊王召喚の魔法を詠唱していたのだ。
「ワリィが手を出す。」カルマはそう言って精霊王に命じた。
「禁呪力を斬から根こそぎ吸い出して隔離しろ。」
精霊王は命じられたとおり、斬から禁呪を切り離した。
「アース、なんでもいいから斬を気絶させろ。」私は軽くなっていく心身を加速させ、奥義を完遂する。

もちろん峰打ちだ。
「精霊王、禁呪を暴走させて全ての主犯である玲に浴びせろ。そのまま亜空間へと隔離禁呪力が消えた時点で玲を亜空間から出せ。」精霊王はこれまた忠実にそれを実行した。
pc
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By 葉月 風樹
2010-05-01 23:44:47
「ちょ、それやりすぎ。」私はカルマの命令を聞いて思わず叫んだ。
「ん、あ、確かにやり過ぎかも・・・」カルマはしまったと言わんばかりに言った。
「精霊王の召喚は精神的にきついからちょっとハイになっちまってたんだな。」そして自分の精神状況を分析していた。
「そんなことより命令取り消して。」私は我を忘れて言った。
「あ、そうだった。先ほどの命・・・ちっ、間に合わない。『強制送還』」カルマは命令を取り消すには時間が足りないと分かった瞬間、精霊王を元の世界へ強制的に送り返した。
そして、全ての制御下から離れた禁呪が破壊を撒き散らす。
「もっとやばくなった。・・・」カルマは自分のやったことをさらに後悔しているようだった。
「も、もう一度精霊王を呼んで・・・」私がそう言うと、
「無理だ、あんな呪文は万全でもないと2度も使えない。それにさっき使った『強制送還』の副作用で俺は今日一日魔法は使えない。」カルマはすまなそうにしながらいう。
「つまりもう私はやるしかないのか・・・」私は後ろの削に目をむける。削は私たちを信頼しているのか、それとも完全に実験に集中してしまっているのかこちらを気にせず実験を行っている。
「仕方ない。あれを使うか。」私はあんまり使いたくなかった剣技を使う決心をする。
「下がって。私が張る結界の中でしばらくじっとしているように。」私はカルマと一応削に呼びかけた。
「天の衛 大地の護 全てを守るは天地の御加護 我が祈り汲み取りて 天津神 国津神 幾千の全ての神の御名の力を借りて ここに絶対の盾を創らん 『守護の十二結界 第八式 御神護殿』」私は私のできる最高の結界を使って削とカルマを私の剣術に巻き込まないようにした。
「さてと、」私は破壊を撒き散らす禁呪に目を向ける。すでに禁呪の近くは灰と化していた。
「風花流水流火・風・水混合奥義『天地爆濁穿砕剣』」私の言葉に反応して、蒼玉が赤、青、紫の三色の輝きを放ち始めた。この場にあるありったけの風の魔力、ありったけの火の魔力、ありったけの水の魔力を集めているのだ。私は剣を上段に構え、限界まで己自身の魔力を高めていく。そして、禁呪が私に向かうその少し直前で、
斬、轟、破
私は全ての力を剣に乗せて、禁呪に叩き付けた。
禁呪は私の剣を受けると、完全に消えてなくなった。しかし、禁呪のあった場所は恐ろしく深い穴となり、さらには、その場所の天井にすら穴を開けていた。
『天地爆濁穿砕剣』
この剣技は火の破壊力を水と風の剣術で最適化、および限界まで増幅し、たった一つなら、神や魔神ではない限り完全に滅ぼすことができる。風花流水流裏奥義の一つだ。この剣技の性質上、基本的には一点にしか破壊力が生まれないが、その威力ゆえに周りにも衝撃波が発生してしまう。だからこそ張った結界だ。実際はもしも失敗したら削とカルマだけでも守れるように、必要以上に強固な物を張ったのだが、どうやら杞憂ですんだようだ。
「さてと、そろそろ黒幕も出てこないと面白みがないんじゃないですか?玲さん。」私は禁呪が消えて一息つくことはせず、最後の刺客に呼びかけた。

次回第1部完結・・・予定
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By 葉月 風樹
2010-05-03 00:36:29
私の呼びかけに対して、玲はあっさりと応じてきた。
「ふふふ、私がそんなにすぐに出てくるとは思わなかった?」玲は私の表情を見て言う。
「そうね、私が出てきたのはもうあなたも限界のはずだから。あれだけの大技使ったんだからもう魔力だってほとんど残ってないでしょ。」玲はすでに勝ったといわんばかりに言う。
「あぁ、もしそうだとしたら?」私は平然と言う。
「あら、まだあせりはないのね?・・・まぁいいわ、もう魔力のない護衛なんて単なる木偶の坊。さっさと始末して夫を殺して億万長者になってやるわ。」玲はそう言って狂気の笑みを口元に浮かべた。
「そうか、」私は玲を前にして剣を構える。
「だがそれでもお前を止めるのが仕事なんですよ。」私の言葉に玲は狂ったように笑う。
「魔力がなくてなにができるというの。もういいわ。そろそろ殺してあげる。」そして玲は呪文を紡ごうとする。
「風花流水流風の型」私は構えた剣を鞘へと戻し、そのまま構える。
「氷河の刃は全てを殺す・・・」それでも玲はもう魔力がないから張ったりだとでも思っているのか呪文を唱え始める。
「第一刃『神風』秘式『神風刃』」

玲は一つ勘違いをしていた。それは、私は剣術に私自身の魔力をほとんど使ってはいないということだ。

私は剣を鞘走らせ、抜刀した。距離はあるので剣自体は届かない。しかし、
「う、ま、まだそんな魔力が・・・」玲の身体には真一文字の刀傷が生まれていた。
「残念ながら私は仕事を全うするまでです。」私は倒れていく玲を見ながら平然と言った。ちゃんと手加減はした。しっかりと拘束した後で手当てぐらいはしてやろう。

私とカルマが全ての刺客を倒したその十分後、
「ふぅ、やはりこの理論は間違っていないようだ。」削は黄金と、そして青い色をした石を持って私達のほうを向いた。
「よ、お疲れさん。」カルマは手を上げていった。
「どうやら成功のようですね。」私も剣の手入れを中断して言う。
「あぁ、成功だ。私は黄金と貴魔法石の同時練成の理論を確立した。明日にでも学会で正式な発表を行おう。」削はそう言って周りを見る。
「えらく派手にやったようですね。私を殺す気満々で。」
「一応全員魔法を使えないようにだけして拘束してありますけどどうしましょうか?」私は削に言う。
「明日、私が発表した後にでも全員警察に突き出してくれ。それまでは首謀者以外はまとめて置いておくとして、首謀者四人・・・あれ、報告では砕も怪しいと・・・」私はその言葉ではっとした。そして大慌てで探査魔法を全開で起動させた。しかし、気配は何もなかった。
「もう敵意のある人間はいないようです。」私は不思議な思いで結果を言う。
「そうか。・・・もう一つわがままを言ってもいいかな?」削はそういって、私に内容を言った。それは私も少し考え過ぎだと言いたくなるようなものだった。
翌日
私と削は車に乗って学会へと向かっていた。
「それにしても、ここまで依頼を増やしてくる依頼人もいないと思いますよ?」私は削に言う。
「いや、ほんとにすまない。だが頼れる人間が今は極端に少ないのだ。いつ襲われてもおかしくはない。」削は困ったように言う。
「そうではなければ私もそろそろ依頼完了と言いますよ。」私は冗談めかして言った。
「いや、本当にありがたいよ。」削はそういって窓の外を見た。
「おい、学会はそっちではないぞ。」削は運転手に言う。
「えぇ、そうですね。しかし砕様からはこちらに行くように指示されています。」運転手から帰ってきた言葉は私を辟易させた。
そして、車は急に止まった。
「降りてください。」運転手の言葉に従う前に、私は運転手を軽く戦闘不能にしてから車から降りた。
「やぁ、待っていたよ、父さん。」そこには砕と、チンピラがたくさんいた。
「僕もそろそろ独立のための資金が欲しいからね。父さんの研究を横取りしようと思ってたんだ。だから、学会に提出する資料を出しやがれクソ親父。」砕は本性現して言った。
「ここまで削の言うとおりだと腹が立つな。」削はそう言って魔法を解いた。魔法を解くと、削の姿をしていたのはカルマだった。
「そうですね。そこまで分かってて先手を打たないなんてちょっと嫌な性格しているともいえます。」私もカルマに言った。
「残念だったな。あんたの親父様はもう学会で発表手続きを終わらせて発表の真っ最中だ。」
前日

ちっ終わらなかった。
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By 葉月 風樹
2010-05-03 23:05:03
「もう一つわがままを言ってもいいかな。」削は私とカルマに言った。私とカルマはここまで来たら最後まで付き合うつもりではいたので、簡単に頷いた。
「ありがとう。実はまだ何もしてこない砕の行動は大体分かっている。奴は明日の朝、私が学会に出かける時にどうやってかは知らないが私を襲うはずだ。」削の言葉に私はびっくりした。それは私ですらつかめなかった事なのだ。
「アースさん、あなたがこの事を知らなかったのは当然ですよ。私は砕の率いるチンピラの中にスパイを仕込んでいたのですから。人数のいる探偵社ならまだしも、あなたのように一人で営業している探偵社にそこまでは求めない。」削は私が商売上触れられたくないところをぐさぐさと刺してきた。
「とにかくだ。奴は明日仕掛けてくる。そこで私は変装して学会の近くのホテルに一泊しようと考えている。そこでだ。まずカルマ、一日だけ私と入れ替わってくれ。そしてアースさん、万が一のため、アースさんにはカルマの護衛を頼みたい。もし夜中に攻撃されてカルマが死んだのでは意味がない。」
「それじゃああなたの護衛は・・・」私は心配になったことを言った。
「そんな事をしたらばれる。私はカルマになるのだからな。」削は平然と言った。言われてみればそうだが、それでも不安はあった。
「それにいざとなったら何とか逃げるくらいはできる。」作はそんな私を見てか言う。また顔に出てきたのか。くそっ
「分かった。俺はそれでいい。」ずっと何かを考えていたカルマはそう言って呪文を唱えようとして止めた。
「・・・俺は今日一日魔法を使えないんだったな。」カルマは思い出していった。
「えっと、私も高度な変装用の魔法は習得していないのですが。」私も慌てて言う。
「あぁ、大丈夫ですよ。錬金術の応用・・・」
「いや、それだけは止めてくれ。」カルマが慌てて待ったをかけた。
そんなこんなで結局は闇の変装屋で少し高い金を払って削とカルマは入れ替わった。
再び翌日
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By 葉月 風樹
2010-05-05 22:14:25
「あんた等のほうが一枚上手だったって事か。まぁいいや、金だけ手にはいりゃぁそれで良しとしよう。まずはお前らの始末だ。やれ!」砕のその一言で、チンピラ軍団が動き出した。
カルマは詠唱魔法が専門のようなので、まずは剣を使う私が時間を稼ぐことにした。
多勢の場合火の型は不利になる。火の型は対一人、多くても二人用の剣術で、他の型と合わせない限りはこの数を捌くのは至難の業だ。つまりは・・・
「風花流水流風の型秘剣風刃乱舞」風の型の出番だ。私の振るう剣から生み出される幾千の風の刃が、無防備に突っ込んでくるチンピラの三分の一をねじ伏せる。前に居ながら、風刃乱舞を何とか防ぎ、さらに攻め入る少しできる奴等には、
「風花流水流水の型一刃流水」カウンタ−を決める。
私が稼いだ時間で、いよいよカルマの魔法が発動する。
「待たせたな、アース。下がれ。」私はすぐに従ってカルマの後ろに引いた。
「『雷帝・千八十槌』」カルマは手を天に掲げ、一気に振り下ろした。その瞬間、千と八十の雷がその魔法の名前のとおりに残りのチンピラを叩き潰していった。それでも、手加減はしていたようで、死人は居ない。
「で、チンピラ掃除は終わったけどどうする?」カルマが砕を睨んで言う。
「っち、使えないのは分かってたけどここまで使えないとはな。・・・まぁいいや。俺の力を・・・」砕には降参する意思がないと分かった瞬間、私は鞘で砕の頭を力いっぱいぶん殴り、カルマは無詠唱魔法で加速して砕の腹に拳を入れた。
「アボッ」砕は変な悲鳴を上げて倒れた。
「「そんな文句聞いてる暇はねぇよ。(ありません。)」」

こうして私の初めての大きな依頼は終わった。
「皆さん、お疲れ様でした。」削がそう言って、酒の入ったグラスを上げる。
その日の夜、私は削の自宅で行われた小さなパーティに出席していた。私と削、カルマの他にも、削を支持して、裏で工作していた削の部下が数人居るだけの本当に小さなパーティだ。
今こんな事をしているということは、つまり、削の研究は認められ、錬金術師として新たな扉を開いた一人となったということだ。ちなみにこれは身内でのパーティであり、公での削のパーティは明日行われることになっている。
「お互い疲れる二日間だったな。」カルマは酒を片手に私に話しかけてきた。
「えぇ、本当に疲れる二日間でした。」私はそう言って、ふと思い出した事を口にしてみた。
「今思い出したのですが、あなたも何かの魔法の第一人者のはずですよね?」それに対してカルマは少し笑い、
「そうだな。確かに私も召喚魔法は第一人者とされてるよ。」といって、グラスを持っていない方の手で自分の肩を指す。気付かなかったが、そこには小さなネズミのような生き物がいて、パーティに出ている料理をかじっていた。
「こいつが私が始めて呼び出した精獣だ。すっかりこっちの生活に慣れちまったけどな。」
「そうですか。」
「それよりもあんたの剣術もすごいな。あの威力で魔力をほとんど使わないとは恐れ入った。」
「いえ、あれは私が作ったものではないですよ。」私はこの剣術の創始者であるリーフについて説明した。
「そうか。」カルマは少し考える。
「何で学会に発表しなかったんだろうな。そのリーフって奴は。」私はカルマに言われてはっとした。確かのその通りである。だが、今それを知るすべが・・・
「あぁ、その事についてはわたしから話すようにわが師より言われている。わが剣の師リーフからね。」削がいきなり割り込んできた。私はびっくりした。いや、削が割り込んできたことではなく、リーフの名が出てきたことにだ。そして私は同時に合点がいった。
「そういう事でしたか。確かに私は会っていましたね。道場の手伝いをしているときに。」私はそれを思い出して苦笑していた。
「えぇ、それで間違いない。それで師からの伝言だが・・・」削はそこで一度区切った。そして、軽く息を吸うと、
「風花流水流は絶対的な天性が現時点では必要なため、まだ未完成といっていいでしょう。現段階で使えると断言できるのは私を含めてたったの3人だけです。・・・だそうだ。つまりあなたはその三人のうちの一人なんですよ。」
削のその言葉にちょっとびっくりしたが、今は使えたおかげで削を守れたことに、私は十分満足している。
私はその後もいろいろな雑談や、思い出話をしてこの一夜を過ごした。
第1部完

ふぃ〜とりあえず終了。
次回より第2部スタート。次はリーフがアースを呼び出して・・・
pc
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By 葉月 風樹
2010-05-08 23:09:56
アース魔法探偵社事件目録
第二部初めての出張=波乱の連続(?)
第一話リーフからの依頼
 削からの依頼を終えて二ヶ月が過ぎた。あの依頼の後、私の回りが少しだけ変わった。今まで来ていたような(猫探し等)ももちろん来るが、それ以上に探偵っぽい仕事がたくさん来るようになった。例えばこんな依頼が来た。とある夫妻の身辺調査…ぶっちゃけて言えば浮気調査だが。これは典型的な仕事の一つだ。まぁ要するに探偵としての能力をある程度認められたということだ。
 そんなある日のことだ。私宛に手紙が届いた。差出人を見て私はちょっと安心した。何せ三ヵ月も音信不通だったのだ。手紙の内容はこうだった。
『前略、やっと野暮用が片付いた。今まで手紙も出せなくて悪かったね。それだけ忙しかったということを察してもらえればありがたい限りだよ。
 今私は自分の魔法剣術を改良しながら帰途についている。要するにちょっとした修行をしながら帰ってるんだけどね。実はその道中で厄介ごとに巻き込まれちゃったんだ。それでここからが重要なんだけど、その厄介ごとが私だけじゃ手に負えそうにない。だからアースに手伝って欲しい。もし引き受けてくれるならちゃんとお礼もするし、悪い話じゃないとは思うけど・・・もし引き受けてる時間がなかったり個人的に嫌だって事なら無理強いもしない。もし受ける気があるならしばらくそのままで、その気がないなら蒼玉で真っ二つに切ってください。』
「はぁ、手紙が来たと思えば・・・」私は手紙を読んでため息をついた。手紙が来たと思えばこれである。全くやりきれない。しかし、今はともかくとしてこっちに帰り始めているなら私も一安心だ。
「報酬も出してくれるようだし、『受ける』としますか。」その言葉に手紙が反応した。手紙が一度真っ白のなり、その中央に小さな魔方陣がいくつか現れた。そして・・・
「やぁ、お久しぶりだね。」そのいくつも魔法陣の中央からリーフが現れた。正しく言えば魔法立体映像だが。
「えらく高度な魔法まで使えるようになったんだな。」私は半分びっくりして、半分呆れて言う。
「いや、いろいろやってるうちにできるようになっただけだよ。原理なんて全然分からん。・・・まぁ助かったよ。私の仕事を引き受けてくれて。」
「あぁ、それで内容を教えてくれ。結構厄介そうだとは思ってるけどな。」私が軽口叩いていると、リーフはちょっと苦笑いした。
「いや、本当にそうなんだ。今回はさすがに手に終えない。実はね、一人の大魔導師が暴動を起こしたんだ。名はディー・クロノトスいわずと知れた洗脳魔法の第一人者だよ。でも問題は彼自身じゃない。洗脳された十万の人、精霊、妖精、魔獣・・・とりあえずいろいろな種族が洗脳されて手が出せない状況なんだ。このままだと政府が動き出して十万人もろともディーを殺そうとしかねない。つまり全員助けるにも手詰まり、でも政府のやり方は気に食わないって状況さ。」リーフの説明を聞いて、私は頭を抱えたくなった。
「それって私が行ってどうにかなるのか?」
「うん。」リーフは簡単に頷く。
「作戦はあるんだ。私はディーを倒して魔力の放出を止める。そうすれば洗脳魔法も消えるからね。」
「それなら・・・」
「でもそれには障害がある。」私が問題ないと言おうとした瞬間、リーフが遮ってきた。
「ディーの周りには二人の護衛がいる。どちらも相当強い。だから私がディ−の洗脳魔法に抵抗している間にディーを倒すのは難しくなってしまったんだ。」
「つまり、私がその二人を止めていろと?」
「正解。」私が面倒くさそうにいった言葉にリーフはニコニコ顔で頷いた。
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By 葉月 風樹
2010-05-23 22:30:26
「無理言うなよ。」私はあわてて言う。「私一人で高等魔術師二人を相手にするのはさすがに無茶…」
「あぁ、言い忘れたけど護衛の二人のうち高等魔術師は一人でもう一人は魔術剣を使う魔術師だよ。」リーフは付け足して言う。
「どっちにしても変わらない。私ひとりでは手に負えない。」私はとっくに頭を抱えていた。
そんな私を見て、リーフは少し考える。
「そうだ、」しばらくしてリーフは声を上げた。「アース一人で無理なら頼れる人を連れて来ていいよ。もちろんその人の分の旅費も出すから。・・・あ、ヤバ。」リーフは思いついたことを言った後、あせり始めた。
「ごめん、そろそろタイムオーバーだよ。この手紙自体は何度でも使えるけど制限があってね。明日また話そう。そのときまでに誰を連れて行くか決めてくれるとうれしいな。」そこで魔法陣が全て消えてしまった。
「最後は完全に言いたいことだけ言って終わっちまった。」私は悪態つきながらもとりあえず誰か戦力になりそうな人を思い浮かべる。探偵の先輩にも強い人はいるが、私と仲の良い人はいない。探偵協会だとこの場合金がかかるから個人的に使いたくはない。それ以外だと…以前依頼で知り合った削とカルマか。とりあえず削に連絡を取ってみよう。
私は削に電話をかけた。
「はい、お久しぶりですね。アースさん。どうかしましたか?」削は突然の電話にも大して驚いた様子はない。何と言うか慣れているようにも感じた。
それはさておき私はリーフの話を削に話した。削は久しぶりにリーフの所在が分かり安心した様子だった。
「それで私だけだとまだ手に負えないのでもう一人手伝いが欲しい。何とかなりませんか?」私はその上で削に頼んでみた。
「私に声をかけてくれたのはうれしいのですが、私も社長ですからね。そう長々とは会社を空けられません。リーフにも会いたいのですが私は無理ですね。」削は残念そうに私の申し出を断った。
「私の代わりにカルマならどうでしょう。」削は私も考えていた事を言った。「カルマはそんなに忙しい職業でもないので仕事でも旅行となれば喜んで行くでしょうね。」
「確かに旅行は喜んでいくが、お前が言うほど暇じゃねぇ。」削の言葉に私の後ろから反論が飛び込んできた。私が振り返ると、そこには不機嫌そうなカルマがいた。…噂をすれば、何とやら……
「まぁいい。どっちにしろ俺の仕事も今さっき終わったところだ。しばらく遊ぼうと思っていたが、遊んでいるよりももっと面白そうな話だな。削が行かないなら俺が行く。」カルマは不機嫌から一気に上機嫌になって言った。…まぁ願ってもない話だ。
「それじゃあよろしくお願いします。」私がカルマに言うと、
「うん、決まったようだね。それじゃぁ私はこれで失礼するよ。」と削がそそくさと電話を切った。
「それで、出発はいつだ。」カルマは楽しそうに言う。
「それは明日リーフが話してくれると思います。一応準備はしておいてください。すぐに出発なんてこともありえると思いますから。」私が言うと、
「分かった。それじゃぁ一度戻って準備してくる。」カルマは勢い良く飛び出していった。…まるで子供だ。
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By 葉月 風樹
2010-07-03 14:15:48
第2話 誘拐されました・・・
……結論から言おう。これは横暴というものではないか?
うん、何の事だか全く分からんな。次に経緯の説明をしてこの言葉の意味を分かってもらおう。

翌日、私は昨日のうちに用意しておいた荷物を手紙の近くへと運び、カルマが来るのを待っていた。…いや、そんな事は一人旅でも無い限り、一部分を除いては普通の光景だろう。問題はその後だ。しばらくするとカルマが現れた。
「よ、待たせた・・・」
カルマが言い切る前のすでに手紙が反応を始めた。通信のためかと思ったが、よく見ると昨日の魔方陣とは形式が違うものしかなかった。
「ゲートとは…っち、防御は間に合わない。」
カルマはすぐに見破ったようだが、なすすべなしといったところのようだった。私もそれを聞いて刀を取り出そうとしたが
『上級魔法術式天空の路起動準備完了転送指定者2名を確認転送開始』
そう思った時点で術式は完成してしまい、私とカルマはあっさりと転送された。
これを横暴と呼ばず何と言う。
愚痴っていても仕方ない。とりあえず現在の報告を始めよう。今現在、私達は囲まれている。洗脳されている精霊、魔獣、妖精、そして人に。どうやらリーフ達にも何か緊急事態が起こったのだろう。転送されてみれば残っているのは私に送られた手紙の対となっていた物と敵だけだった。
「すげーな。でもこのくらいなら何とかなりそうだ。」
カルマは私に背中を預けながら言う。
「といっても、今日一日術を使えなくなtるのは厳しいな。」
私はそれでぴんと来た。
「『強制送還』は最後の手段にしてもらえると今は助かる。」
「だな。なら逃げるか。どっちにしろ時間が欲しい。ちょっと何とかしてくれ。」
「分かった。」
カルマに言われ、まずは私が詠唱に入る。」
「天津巫女の羽衣よ幾千重なりて我等を守れ『守護十二結界 二式 天宮』」
私の十八番技を急いで使うと、張ったと同時に戦闘が始まる。
「『追痕』…リーフ達もこの手で逃げたか。これは…俺達が使ったら燃えるように設定されてるな。よし、理・起・路 我行く路は天の道 天津御道見えねど通り望める場所へと我は行く」
カルマの詠唱に紙が反応を始めた。いくつもの魔方陣が私達を囲み始める。
「合図したら結界を解け。行くぞ。」
カルマが私に言う。
「分かりました。」
「…よし、解け。」
私は合図とともに結界を解く。
「開け『天空の路』」
カルマは一歩遅れて転移魔法を発動する。
そして何とか私とカルマは戦線を離脱した。
pc
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By 葉月 風樹
2010-07-11 00:55:16
私とカルマは再び転移してやっとリーフの元へとたどり着くことができた。
転送した先は逃亡者の逃げ場らしく洞窟のようだった。洞窟といっても整備されており、衣食住には困らないようにはなっていた。
「悪かったね。私が転送術を使ったのを感知されたみたいなんだ。おかげでさっきの隠れ家は使えなくなっちゃった。」
リーフはいきなりあんなことになったのをわびると、すぐに本題に入った。
「これまたいきなりになるけどもう時間はほとんど無いんだ。外部からの情報だと政府は明後日にもこの町を丸ごと破壊する決定を下す。残された時間は今日も合わせて2日限り。困ったことになりふりも態勢もかまってられなくなっちゃったよ。」
「概要はいいから結論を頼みます。」
私は回りくどいリーフの言動をねじ伏せる。
「……私達は今夜、決戦を開始する。制限時間は政府が最終結論を出す時間、明日の午後五時だ。それまでにディーの暴挙を私たちで鎮圧し、操られた皆を解放する。」
リーフがそう切り出すのを私はちょっとだけ待っていた。
「あなたはそれでいいんじゃないんですか。昔からそうでしたし。」
「転送魔法ごときで削った魔力くらい少し寝れば回復する。夜までには万全で挑んでやるよ。とりあえず寝るところを貸してくれればいい。」
カルマは不適に笑う。リーフは彼自身が集めたであろう仲間の一人にカルマを寝室へ案内するように頼んだ。カルマはその仲間に連れられてこの場から離れた。
「あなたも転送術を使ったのでしょう?大丈夫なのですか?」
私はリーフの心配をしてみる。
「大丈夫です。私は風花流水流の魔法理論で使ったのでカルマさんほど疲れてはいないですよ。」
リーフはひらひらと手を振って答える。
「それよりも今回は布陣も策もほとんど無い。厳しい戦いになるのは間違いないよ。彼は私の魔法理論を使えるようではないから私とアースが本戦までに出てきた相手を倒していく感じになるからアースも休んでおいたほうがいいよ。どっちにしろ夜の戦いに参加するメンバーはこれから食事を取って各々休む予定だし。」
「分かった。それじゃあお互い先に積もる話を済ませてから食事と睡眠をとるとしましょう。」
私は逃がさないようにリーフの首根っこをつかんでから言った。
「…そうだね。」
リーフは観念して私の積もる話を聞くことにしたようだった。
私は食事と睡眠に当てる時間を残し、積もる話(リーフへの説教)をとくとくと話しまくった。
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By 葉月 風樹
2010-07-19 23:48:16
その夜、しっかりと休んだ私達は装備を整えるとディーのいる城へ進行を始めた……わけではなく、リーフの集めた仲間たちの行う儀式の手伝いをしていた。
彼らは魔法学を専門としている学者の集団だった。しかも、実験のために魔法を使うため、彼ら一人一人が上級魔術士クラスの魔力容量を持ち合わせているという。彼らの作った魔法はすでに私たちの家庭にも浸透している物も多かった。例えば布団を永久的に清潔に保つ魔法。…いや、今はそんなことより彼らの儀式魔法の内容を説明しよう。
彼らはこの町全体に麻酔魔法をかけようとしている。麻酔魔法は比較的楽な魔法だが、この町全体を覆うのは不可能だ。そこで、彼らは超広範囲でも使える麻酔魔法を開発していたのだ。今はまだ儀式という制約があるらしいが、近いうちに儀式なしでも使えるように改良する予定らしい。もちろん悪用されないための構成も加えるようだが。
私達が魔方陣やら杖やらを用意し終わると、いよいよ儀式が始まる。しかし、彼らは口を動かしているが、声が聞こえない。
「彼らは今、私達が聞こえない音波を見事に操っているよ。この音域なら種族に関係なく平等に麻酔効果が現れるね。よし、私達も出発しようか。時間は無いし、そもそもディー達にはこの魔法は効いていないだろうからね。」
リーフが自分の刀を持って私達に戦いの始まりを告げる。私も蒼玉を持ってそれに無言で答える。カルマは自分の召喚獣を肩に乗せると軽く頷いた。
そして、私達の、この町を救う決戦が始まった。
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