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遭遇 重巡航管制機
By ノン
2016-02-29 03:55:43
二幕をベースとしてます。
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By ノン
2016-02-29 05:50:58

「敵大型航空母艦尚も接近!」

通信士の1人が叫ぶ。

「取り舵10渓谷に逃げるぞ。」

「あれは…こちらと同じ機能を有しているのでしょうか?」

先程の通信士とは別の1人が呟いた。

「いや、それはないだろう。」

否定の言葉を言い放つ隊長。

「スフィアの技術をそのままコピー出来る国があるはずはない。」

スフィア王国の技術力の高さは他国に比べ数世代先を行くと言われている。

「あれは恐らく姿形こそ同じだが中身はまるっきり別物のはずだ。
その証拠があの腹に抱えてる主砲と思しき物だろう。」

隊長が推論を述べた直後、戦闘指揮所<CIC>で敵母艦を解析していた女性士官が叫ぶ。

「敵母艦、主砲部分に高エネルギー帯収束!」

「やはりレーザー兵器か。」

冷静に動向みている隊長が居るからなのか艦内はパニックになっていない 、

「射線を潜り抜ける。瞬間最大巡航行<フルバースト>スタンバイ」

「了解!」

艦内慌ただしく戦闘準備にかかる。

「下げ舵15!渓谷に飛び込むぞ」

艦が大きく傾く。

「エネルギー臨界!来ます!」

「かわせ!フルバースト!!」

リミッターが解除され爆発的な加速で渓谷に飛び込む。
その直後、敵大型航空母艦の主砲が大気を振るわせながら放たれた。

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By ノン
2016-02-29 08:39:25

放たれた主砲を掠める様にフルバーストで飛び抜けていくワイバーン。

フルバーストで加速していなければ直撃していただろう。

しかし渓谷に飛び込むのは良かったが、速度が乗りすぎている。

「バーストカット!下部スラスター全開!上げ舵一杯!!」

翼端で崖を削りながらなんとか墜落を免れる。

ほっと胸を撫で下ろす乗員たちだが、未だ戦闘中ということに変わりはない。

「さて、君ならここからどうする?」

艦長席に座ったまま隊長はパイロットスーツを着た青年に訊ねた。

「敵航空母艦へ反撃、或いは離脱…でしょうか」

青年は隊長の問いに答えた。
どうやら戦闘機隊の部隊長らしく、胸には幾つかの勲章が並んでいる。

「こちらに交戦してメリットがない以上、離脱が賢明だな。だがー」

「敵母艦、回頭完了!上空を押さえられます!!」

一撃で仕留め損ねたがまだ諦めていないらしい。
敵艦が旋回を終え追撃態勢に入った。

「空域図を出してくれ」

メインモニターにこの空域一帯の見取り図が映し出される。

「現在、本艦は南南西に向け航行中。機体各部、出力共に問題ありません。」

「敵艦は本艦を追撃する体制で後方に展開中です。」

各報告を受け次の一手を考えるが、あまり思わしくない。

「戦闘機隊を出そうにも渓谷だと発進路が確保できないし、恐らく上昇すれば敵艦は撃ってくる、か」

万事休す、と言う雰囲気のはずだが至って冷静な艦内。
激戦を潜り抜けてきた部隊なだけはある。

「敵艦の様子は?」

「依然変わらず。エンカウントしてからのECM(電波妨害)は受けていますが、こちらもECCM(対電波妨害)を展開しています。」

(圧倒的優位に対して仕掛けてこない?)

「敵艦の光学映像を出してくれ。」

何か気付いたのか隊長は映し出された敵艦の映像を注視する。

「これは…エアインテークか?」

エアインテークと空気の取り入れ口でエンジンの吸気口のことである。

本艦では戦闘機の発着口となっているところが敵艦は黒塗りのシャッターのようになっている。

「母艦としてではなく重巡航艦として完成させたのか。」

隊長の推測を裏付けるかのように艦内に警報が鳴り響く。

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By ノン
2016-03-01 01:12:39

「敵戦闘機隊よりミサイルです!」

「一体どこから…」

レーダーを監視していた乗員が毒付く。

「慌てるな。迎撃、回避!CIWS起動。取り付かせるな!」

ワイバーンから対空砲が放たれる。
接近するミサイルを撃ち落とし、戦闘機隊を牽制する。

「機種は?!」

「F-35A及びYF-23計8機です!」

「ステルス部隊か…」

両機種ともにステルス戦闘機でレーダーに映りくい性質を持っている。

(敵艦でこちらの注意を引き付け、別動の戦闘機隊で撃墜を狙ってきたか…)

敵ながら隙の無さに舌を巻きつつ、手元のディスプレイに視線を移す。

「…………」

考え込むように顎を数回撫でると、タッチパネルを操作してメインモニターに映し出した。

「戦闘機隊発艦準備!
右側の渓谷を抜け、600m進んだ先の直線で発進させる」

『了解』

空域図に線が引かれ、隊長の指示した航路とポイントが表示される。

「戦闘機隊は発進後直ちに上昇。敵艦に二機向かわせろ。残りは迎撃にあたれ」

艦が右に傾き、先程より細い渓谷を抜けていく。

敵もワイバーンに近付こうにも対空砲火を前に成す術なくただ追ってくるしかない。

やがて渓谷が広がり視界が少し開けてくる。

「煙幕展開!戦闘機隊発進!」

スモークが炊かれワイバーンが煙に包まれる。

「ぶつかるなよ!光学シュミレートを戦闘機隊にも」

両舷のカタパルトから戦闘機隊が発進していく。

『こちらダイダロス1、全機発艦完了。』

「ダイダロス1、2で直掩を。残りは迎撃に当たれ。」

『了解!』

「さて、かかるぞ!」

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By ノン
2016-03-01 02:27:39
「煙幕が切れる前に渓谷を抜けるぞ。シャンデル!荷物の固定急げ!!」

ワイバーンが機種上げを開始する。

艦が逆さにになろうという頃には機体が捻られ、背面飛行は避けられようかというとき、通信士が叫ぶ。

「敵主砲発射態勢!」

「下部スラスター全開!!」

機体が僅かに跳ね上がる。
その刹那、ワイバーンがいた空間が赤の熱戦が飛び抜けていく。

「フルバースト!主砲発射!!」

速度が下がりすぎたワイバーンが失速しそうになるのをフルバースト加速で敵艦に向かって加速していく。
ワイバーンの主砲である両翼に取り付けられた三連装レーザー砲が火を噴く。

敵艦も回避の為に機体が大きく左に傾くが、ワイバーンの正確な狙撃からは逃れきれず二発が命中する。

「敵艦二発命中!」

「掠っただけだ!取り舵!距離をとれ!!」

黒煙をあげながら降下していく敵艦を見つつこちらも左に機体を傾け距離を取る。

っとその時、通信が入る。

「隊長!オーブンチャンネルで通信です!!」

戦闘中にも関わらず、特定の回線ではなくオーブンチャンネルで通信と言うイレギュラーに顔をしかめつつ「繋げ」と答える。

『さすが、重盛隊長。
っと言ったところかしら』

聞こえてきたのは女性の声だった。
それも隊長達が良く知る人物の…

「藤原…美香…!!」

絞り出すようにその名を口にした重盛に応えるようにメインモニターに相手が映し出される。

『正解よ。まだ覚えてたのね。』

藤原美香。
10年前重盛達が大規模反攻作戦を起こした際に整備士として付いてきたメンバーの1人だ。
紐解けば特殊課程からの付き合いになる。
まさかそんな人物が敵艦に乗っていようとは。

「10年前から姿を消したと思っていたが、まさかそんな所にいたとはな」

そんな所、とはつまり彼女の着ている軍服ーレンティスト国だ。
レンティスト国は10年前、重盛達を受け入れスフィア王国と共同で国際テロ組織スワロウを壊滅させた国だ。

一時期重盛たちも籍を置いていたし、なにより今のフェアリー隊そのものがレンティスト国所属である。

その国がなぜ反旗を翻してきたのか。

『高い技術、知識。これだけの艦<フネ>が作れるのになぜその力を使わない!』

いや、国ではなくー

『私は祖国の力で国を変えてみせる』

彼女自身が組織裏切ったに過ぎない。


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By ノン
2016-03-01 02:45:50
「たが、力だけでは変えられない。分かっているだろう?」

重盛とて思いだけでも力だけでも世界が変わらないのは嫌と言うほど経験している。

『だからこそ私はーーー』


突如鳴り響くアラートに藤原の言葉はかき消される。

「高エネルギー帯収束!きます!」

「回避!下げ舵20!!」

青の二連装レーザーがワイバーンを掠める。

「この攻撃…まさか!」

「識別信号確認!これは…ティアマトです!」

スフィア王国、第5独立機動部隊所属。
重巡航管制機“ティアマト”

このワイバーンの後継機にあたる機体。

「まさかあの部隊がここに?!」

オーブンチャンネルの通信に割り込みが入る。

『なぜあなたがここにいる!』

怒鳴り声に続けて映し出されたのは隊長、重盛の甥神崎だった。


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