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他人から貰ったものをわからないように捨てる。
By 5or6
夕暮れどきに
白いワイシャツが
風で
揺れている
やりきれないサイレンが縁側に響いている
用件を言えぬまま
ただ笑顔で去っていく仲間たちには
相変わらず違う話をするのだろう
黒い斑点が増えたババナの皮を剥いて
中身を鳥の餌にする
新しい
ピカピカのランドセルの背中を
アルコール消毒する娘に
たった一枚のマスクも買えない
不甲斐ない父親を謝罪する
国のトップですらない
嘘つきのゲバ銭達が
真っ先に陽性になれば
少しは変わるのかも知れない
そういえば昨日
朝のラジオ体操の時
海外に一度も興味を持たなかった知人が
移住の話をし始めたのは驚いた
極度の飛行機嫌いなので
クルーズ船で行くのか
と聞いたら
今が安いだろうなと笑ったが
目は笑っていなかった
日の出国
雨が降り
止んだら飛散する
春とは思えない
黄色い太陽の下で飛び降りる
黒点は広がり
鳥達は暑さで墜落する
赤信号のある交差点で立ちすくむ
俺の右膝はもう潰れている
走れない馬
や牛や豚は
生肉場に迎えられる
俺はただ隔離される
ウイルスにまみれた
共産主義のように
外見だけは素晴らしく
着飾った様な奴らが溢れた街で
俺は立ちションベンをして逮捕される。
見せかけの景気に便乗してる
投票用紙に名前も書かないまま
言われたまま行動するだけの奴と
インターネットのSNSで文句を言い
チューリップの茎をへし折るような人
ありがたいお言葉が放送される時間帯に
俺は一人娘を縁側で眺めながら
鳴り止まないサイレンを延々と
録音している


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By 竜門勇気
マスクをかぶれと言われた
だからそうした
他人とつどってんじゃねえと言われた
だからそうした
すぐやらなきゃいけねえことじゃなければ
集まってんじゃねえと言われた

日が暮れてどこにも出かけるなと言われて
青ざめた街をいつもよりゆっくり歩く

しちゃいけないことはわかったさ
出来そうなこともわかったさ
きれいな絵を見ながら
不潔な理想を見ていた

”みんなどんな顔してたっけ
少しずついなくなったんだ”
そんで最後は一人で
終わるまで飲んでたんだ
気持ちよくってもうわからない
気持ちよさでしか痛みは紛れない

もう痛いことなんてわからない
もう痛いことなんてわからない
遠い先のこともわからない
近い過去のことも知らない
夕暮れ今のわかりあいで

サイレンを嗅いで
暮らしの美徳と笑ってる
波状にうるさい煤煙は
濁った時に羽を晒してる

相容れない回転
サイレンの音で麻痺して
どっちにもわからない
どっちに回ってる?


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