[携帯モード] [URL送信]

投稿小説短編集
[返信する]

[最初から全部]
[*前]
[000] 王の会戦
By L
2012-06-29 00:45:04
―――『薄々、予感はしていた。』



古代ベルカ時代と呼ばれる、戦乱の時が嘗てあった。
ベルカの地で幾多に分かれた国の、治める王が先頭に立ち、互いに覇を競った時代。
世界をも超えた広大な勢力を保っていた古代ベルカが滅んだ、直接的な原因でもある。

その時代は、昔話に出てくる英雄達が、血で血を洗う戦いを繰り広げた。
特に王達は、ベルカの天地統一を掲げ、それぞれが一騎当千の活躍をしたと言われる。

しかし、戦いは続けば続く程激化する一方、ベルカの地は確実に荒廃し、王の敗れた国は一つ、また一つと滅んでいった。
これを憂いだ『最後のゆりかごの聖王』が、ベルカそのものを滅ぼす事で、この時代は終結する。

その中で、現れては消えていった、その誰もが有能なる王達。
即ち、『聖王家』オリヴィエ聖王女、『シュトゥラの覇王』イングヴァルト、『ガレアの冥王』イクスヴェリア……

そして、『アドムントの帝王』―――




ミッドチルダの地を歩む、2つの黒い影。
片側は銀の髪の男、もう片側は狐色の髪の少女。

男の名はレグナ。
傍目にはただの流浪人であるが、その実は世界の垣根を越え(表向きは)平和と秩序を維持する組織、「時空管理局」から特に危険視される、お尋ね者である。
そして傍らの少女は、彼の使い魔であるキキョウ。

このミッドチルダは管理局の膝下とも呼べる地だが、空に浮かぶ月の光と深く続く夜の闇は、そんな2人を黙認していた。

だが、それも唐突に終わる。


「……来た、か」


レグナがこのミッドチルダを訪れたのは、ただの気紛れだった。
だが、同時に自分の奥深くに潜む"何か"が、この地に誘導したようにも感じた。

そしてそれは、一人の少女の登場によって確信となる。


「この気配…その白銀の髪…間違いない。
貴方は、帝王……」


碧銀の髪を腰まで伸ばした、美しい顔立ちの少女が、レグナの前に降り立つ。
明確な敵意を向けるその瞳は、紫と青の虹彩異色。かの覇王の血統である事を証明するものだ。

「生憎、その呼ばれ方は好きではない。
……レグナ・デスティニーだ」

側に寄ってきたキキョウを守るように、レグナは一歩前へ踏み出す。
W63H
[編集]
[008] By L
2012-08-15 23:45:22
「ハァッ…ハァッ…」

必殺の一撃を放ったイングヴァルトは、乱れた呼吸を整えていた。
足先から練り上げた力を拳足に乗せて放つ「断空」という技術で増幅された拳撃は、彼女の技能を持ってしても、そう易々と放てるものではない。
だが、その分威力は絶大で、今もこうして管理局ですら迂闊に手出しの出来ぬ力を持つレグナをも、一撃で吹き飛ばした。

レグナの姿は、夜影の中に飛ばされて窺えない。
だが、イングヴァルトの拳には確かに技が"入った"独特の感覚があった。
彼女は油断無く、レグナの姿を確かめる為、飛ばされた方に歩み寄り、


―――そして気付いた。
夜の闇が異様に濃い事に。


彼女が気付いた頃には、既に自分の身体すら隠れ視認出来ぬ程の闇が辺りに立ちこめていた。
幸いにも、魔力を喰らう『闇』ではないが、何時までも視界を奪われた状態でいるわけにはいかない。
イングヴァルトは一刻も早く闇の中から抜け出そうと―――




―――どれほど時間が経ったか。

「う……」

碧銀の長い髪を二点で結わえた少女が目を覚ましたのは、ベッドの上だった。
状況を確認しようとして、身体の至る所を走った痛みに起き上がることを断念する。

余り寝心地は良いとはいえない、固い簡素なベッドの上で辺りを見回せば、そこは部屋というにはあまりにも何もない殺風景な場所だった。
掃除は一通りされてはいるが、古い建物特有の寂れ具合からして、長らく使われていなかった建物を一時的に整えたのだろう。

そして少女の寝るベッドのすぐ横にもう一人、椅子に腰掛けながら眠る少女がいた。
見る角度から金色のようにも茶色のようにも映る、艶やかな長い髪を下ろし、上半身は白、下半身は赤の独特な民族衣装の上に煌びやかな意匠の施された布地を掛けた姿で、何より特徴的なのが頭に生えた獣耳と腰の尻尾だっだ。
形からすると、狐と呼ばれる動物のものだろう。
顔立ちはまだ幼さを残しているが美しく整っている。恐らく少女と同じか、一、二歳年上くらい。

椅子に座りながら、時折耳を震わせたり、フワフワの厚い毛に覆われた尻尾をゆったり揺らす仕草がとても可愛らしく、時間も状況も忘れて暫く観察している内に、新しく部屋に入ってくる人影が見えた。
W63H
[編集]
[009] By L
2012-08-19 01:21:53
「……目が覚めたか。」

 部屋へと入ってきた男の姿に、思わず少女は飛び上がろうとして、しかし全身に激痛を感じ、動く事すら出来なかった。同時に、昨夜の事を鮮明に思い出す。
 あの時、少女―――イングヴァルトは、闇の中から抜け出そうと飛び出す直前に、目の前の男―――レグナに不意を突かれ、鳩尾への一撃の下に倒れてしまった。
 闇に視界を奪われたことが、気配を感じさせないレグナを捉えることを困難にさせたためだ。

 しかし、今の置かれた状況を省みれば、今すぐに自分へ何かをしようというわけでもないことは少女にも理解できた。
 身体の痛みは昨夜の戦闘で受けたダメージの名残だが、その時受けた傷の大半は、―――おそらく治療魔法によって―――回復しているのも感じていた。

 だが、身体の傷は治っていながらも、その残り火に過ぎない痛みだけで動けなくなる自分と、自分の持つ最大の技を叩き込まれて、恐らく同じように相当のダメージを負ったにも関わらず、目の前で平然としている男との、表面下の実力差を感じて、少女はやはり落胆を感じた。

「起きろ、キキョウ。」

「んっ……え、ハッ、ご主人!?」

 レグナに呼ばれて、傍らの椅子で眠っていた狐耳の少女が慌てて目を覚ます。背筋と耳と尻尾をピンと張るが、口元の涎跡がいまいち緊張感を出し切れていない。

「……顔を洗ってこい。」

「はい、失礼します……」

 レグナに呆れたような表情で言われて、ようやく気付いたのか顔を赤くして、キキョウと呼ばれた少女は恥ずかしそうに部屋を出て行く。
 レグナは壁に寄りかかりながら、キキョウが去るのを確認したのかベッドの上の少女に向き直った。

「…名前は。」

「えっ…?」

「名前を聞いておく。まさか本名まで、『覇王』と同じではあるまい。」

「……アインハルト・ストラトスです。」

 少女はレグナを警戒しつつも、名を口にする。
 それから少しの間を置いて、レグナの口から溜め息が漏れた。

「…何か、勘違いをしているな。」

「何、ですか…?」

 アインハルトの問い掛けに、レグナは距離を詰めてキキョウの座っていた椅子に腰掛ける。思わず身構えたアインハルトが次に聞いたのは、彼女の思ってもみない言葉だった。

「少し…話をしようか。」
W63H
[編集]
[010] By L
2012-08-20 02:01:34
「話…ですか?」


「ああ。
理由はどうあれ『覇王』を名乗るからには、お前にはあるのだろう?古代ベルカ時代の『覇王』の知識が。それを知りたい。」

「知って、どうするのですか?」

「さてな。
……俺は常に、答えを求めて生きてきた。どうして俺は生まれたのか。この世界とは何なのか。どうして古代ベルカは滅んだか。
生まれてからこの方、真実を知らずにはいられぬ性分だ。」

 真顔で淡々と、しかし奥底に憂鬱を感じさせるレグナの言葉に、アインハルトは、目の前の男が、昨夜と同じ人物とは思えない程に小さく感じた。

「……帝王、貴方は」

「レグナと呼べ」

「レグナ…さん。
貴方は、私の知る『帝王』とは違いすぎます。」


 アインハルトの―――イングヴァルトの脳裏に焼き付く帝王の記憶は、余り良いものとは言い難い。
 レグナと、同じ顔の帝王が、『千年王国』によって蹂躙されていく小国の領土を、焼けていくその土地と民を、表情一つ変えず、『千年王国』の上から淡々と見下ろす姿。
 そしてその様を、察知されない限界の距離から、離れてただ眺める事しか出来ず拳を握り締める、嘗ての覇王がいた。

 『帝王』は、他のどの王よりも戦に長け、他のどの王よりも戦で勝利を収め、そして他のどの王よりも戦に冷酷であった。
 軍を率いる手腕、兵を鼓舞するカリスマ、そして決して敵へは容赦をしない戦術。それが帝王という人物の強さの正体。

 一度でも敵となれば、喩え無二の友であった者であろうと、帝王は容赦なく斬り伏せた。その氷のような冷酷さが、眼前のレグナにはない。だが、


「……俺は帝王ではない。
俺が帝王の複製であろうと、俺の生き方を決めるのは、帝王ではなく俺だ。」


 その言葉を語るレグナの姿は、既に昨夜と同じであった。
 レグナは、帝王としての強さの一つを失ったが、逆に嘗ての帝王にはない強さを手に入れたように、アインハルトには感じられた。
 それが何であるかは、まだアインハルトにはわからない。だがいつか、自分も手に入れたいものだとも感じた。


「…わかりました。
私の知る限りの、『覇王』の記憶と真実を、貴方にお話しします。」
W63H
[編集]
[011] By L
2012-08-28 23:49:45
 アインハルトは、彼女の知る限りの覇王の生き様、生涯の記憶を語った。
 彼女の驚くほどに、レグナは真剣に話に聞き入り、時折彼の持つ知識や記憶を、まるでパズルのピースを当てはめるかのように付け加えていった。それでいて二人の会話は妙にはかどり、仲の良い友人と談笑するかのような心地よさすら感じた。

 やはり、この人は『帝王』とは違う。
 そうアインハルトは心に思った。

 話に耽る間に、キキョウが取ってきた簡単な朝食を取って、ようやく話が終わる頃には、既に昼に差し掛かるといった時だった。

「もう、こんな時間に……学校へ行かないと」

「そうか、身体は大丈夫か?」

 気が付けば、全身の痛みもよく退いていた。力むとまだ所々痛むものの、日常的な動きには影響が無いだろうと直感する。

「はい…何とか」

「…では、近くまでは送ろう」

「大丈夫ですか?その……」

「…管理局に見つかるようなヘマなどしない。この生活にも慣れているからな」

 そうですか、と言って、少し安堵してしまった自分が恥ずかしくて、少女は思わず首を振った。
 男は少し怪訝そうな顔をしたものの、追及することは無かった。

「……後、これは忠告だ。
以後、俺……いや、次元犯罪者達には二度と関わるな。『表』で生きられるお前には、触れてはならない領域だ」

 そう言われ、ハッとなり顔を伏せる。
 アインハルトの元々の目的は、次元犯罪者であるレグナが、『帝王』と同じく他者に害成す者であるかを見極め、そうであれば例え刺し違えてでも、彼を止める事であった。実際の彼は、容姿と性格を除けば、彼女の思い描いていたものとは正反対であったのだが。

「次元犯罪者は、家も行き場も無くし、戦いと逃走、そして悪徳の中でしか生きられない最低な奴らだ。無論俺もな。
そこに自分から踏み込む利点など、何もない」

 それは間違いなく自嘲と皮肉。そして、大衆の盲目な「正義」への反逆であった。
 何故なら、アインハルトもその言葉の通りに、授業で次元犯罪者について以前に習ったからだ。
 相変わらずレグナは無表情であったが、その言葉に深い意味と強い意思が込められているのは、アインハルトにも容易に理解できた。


「……さて、そろそろ行くとしよう」


 レグナはおもむろに立ち上がり、アインハルトへ手を差し伸べた。
W63H
[編集]
[012] By L
2012-09-02 22:30:44
「その…ありがとうございました。」


お辞儀をして学園へ入っていくアインハルトを、レグナは無言で見送る。
 空き倉庫から学園までは距離があったものの、付近まではキキョウの転移魔法で短縮出来たので、五分もせずに辿り着く事が出来た。
 転移後は徒歩だったが、すれ違う人々は興味の視線を向けこそするが、誰もレグナへ指を差して通報するようなことはしなかった。アインハルトが聞いた所、魔法で軽い認識阻害と意識誘導をしているらしい。

「強力な認識阻害は戦場ならばともかく、こういう場では他人の認識に矛盾や不審点を生んで、後で却って目立ってしまうものだ。」

とはレグナの談。
 アインハルトも魔法は専門ではないが、理論は納得できた。


「いい子でしたね。」

「…ああ。」

 レグナとキキョウは、アインハルトを見送る。
 彼女の遅刻理由は、通学時の『事故』ということで片を付けることにした。
 学校側がそれを受け入れるかはわからないが、大丈夫だろうとレグナは割り切っていた。
 少しの間だけでも、アインハルトの品行を見ていれば、彼女が『優等生』であるのは誰でも理解できた。注意こそあれ疑う真似はしないだろう。
 もしも向こうが納得出来ないのであれば、次元世界に名高い、希代の指名手配犯である自分が顔を見せるだけだ。その場合、学校側に示すのは「要求」ではなく「脅迫」となるだろうが。


「…でも良かったんですか、ご主人?」

「何がだ」

「記憶操作くらいなら簡単ですよね?
…それに、あの子かわいかったですし」

「…彼女が通報するのならば、それでいい。俺達がここから離れるだけだ
……それと、後半の言動は意味が分からん。」

「だって、せっかく仲良くなれたのに、ご主人から突き放すなら、それこそ記憶操作で良かったと思いますよ…?」

「記憶を消したら、意味がない

……俺とアインハルト、『帝王』と『覇王』はこれでいい
これで彼女は、更に強くなるだろう。」

 よく分からないといった表情でキキョウは首を傾げるが、これ以上レグナに聞いても更に分からなくなるだけだと思って口を閉じた。

 レグナは踵を返し、ふと何かを感じたように再び学園に目を向けたが、また何事も無かったようにその場を後にした。
W63H
[編集]
[013] By L
2012-09-07 18:33:44
――学舎の中で、ふと一人の金髪の少女が、窓を通して外にいた男を見ていた。
 目に入ったのは全くの偶然。しかし、男の方がこちらを向いて、窓を隔てて目が合うと、吸い寄せられたように目を離せなくなった。

 見ただけで、ひしひしと感じ取れる実力や、人を寄せ付けぬ独特の雰囲気も気になったが、何よりも少女が感じたのは、


『どこかで、会ったことがあるような…』


――その時、脳裏に一瞬だけ浮かんだのは、むせかえるような炎の臭いが染み付く戦場跡に佇み、向かい合う、自分と男に良く似た二人の姿――


 気が付けば、男は姿を消していて、少女は慌てて我に返った。

「そ、そうだ、アインハルトさん!」

 少女は、今朝珍しく姿を見せなかった、少し歳の離れた親友の姿を探して、学舎を歩いていった。




王の会戦  完
W63H
[編集]
[014] By L
2012-09-08 01:18:13
〜あとがき〜


 さて、如何でしたか?しかし誰かが読んでいてくれた確率は微レ存のはず。

『こんな短編、本当に読む価値があるのか…?』

 まともな文章を書くのは二年近いブランク+完全に俺(だけ)得の内容だったので、目を通してくれた方が一人でもいれば幸いです。


 こっから主にレグナの解説!

・レグナ・デスティニー
 元は古代ベルカ時代のアドムントの「帝王」が遺した複製体。
 しかし、生まれた当時に目覚めることはなく、それから何百年以上、帝王が封印したトンデモ要塞兵器の「千年王国」内部で秘匿され、生命維持装置が働いたまま保管されていた。
 後に管理局の調査で千年王国の一部が暴かれた際に回収され、クローン技術のデータサンプルとして扱われる。
 その後、F計画の前身、「D計画」の一環として蘇生され、「レグナ・デスティニー」の名を与えられる。そして、かつてのジェイル・スカリエッティやプレシア・テスタロッサらとも接触。非常に良好なデータを示した被検体であった為、F計画に於いてもサンプルデータの役割を果たす。
 しかし、彼専用に用意されたデバイス、『ティターニア』の調整中にそれを奪い、突如研究施設から逃走。その後の少年時代は、常に逃亡と戦闘の日々を過ごす。
 逃走時、まだ未完成であったデバイス「ティターニア」は、逃亡時代に襲撃した研究所にて独力で完成させる。その際、レグナ自身の発案により自身の脳波を直接デバイスに伝達、それを読み取るシステムを開発、搭載した為に、インテリジェントデバイスの成長性と、ストレージデバイスの情報処理速度を両立した、全く新しいデバイス、「シンクロデバイス」として完成することになった。
 更に途中気まぐれで、死にかけた子狐(♀)を、使い魔にする事で救い、側に置いた。

 時が流れる内に、強く成長したレグナは、次第に自分のルーツに興味を抱き始めた。そのため自分の知る限り最初の記憶である、千年王国を目指し、時に非合法な手段も交えながら千年王国の在処を求める。
W63H
[編集]
[015] By L
2012-09-08 09:33:23
 しかし、遂に千年王国を見つけたのも束の間、その要塞兵器を復活させようとした組織と、管理局も交えて対立する事になる。そしてその組織の首領は、アドムントの至宝にして千年王国起動の鍵、「グレンデル」を有していた。
 グレンデルのデバイス侵食、形態コピー能力によって翻弄され、ティターニアを破壊されたレグナだったが、一瞬の隙を突いてグレンデルを奪うことに成功。
 その瞬間、グレンデルに掛けられていたプロテクトが解除され、その中に埋め込まれていた、グレンデルが記憶した帝王の記憶、古代ベルカの情勢の一部が伝わり、レグナは自身の出生を遂に知ることになった。
 グレンデルを有したレグナは、その性能を遺憾なく発揮し、組織を排除。千年王国を再び封印する事に成功した後、姿を消す。
 その後は、更なる探求欲を満たすため、主に古代ベルカやそれ以前の時代の真実を求め、様々な世界を渡り続けている。


・ティターニア
 レグナが最初に使用していたシンクロデバイス。
 元は管理局側が用意した試作デバイスだったが、完成前にレグナが奪い、その後独自に完成させた。
主な形態は三形態。

「モード・スレイヤー」
細身長身の直刀型。
近接高速戦闘用。近接戦は大抵これ。

「モード・イレイサー」
大型の二重刃鎌型。
一対多、強襲、電撃作戦用。デスヘル(EW版でない)。ジャマー搭載。

「モード・ブレイカー」
三門複装のキャノン型。
中、遠距離射撃戦用。一発の砲撃威力が通常の三倍。

また、グレンデルを使用することで増えた形態も存在。

「モード・グラップラー」
手甲、脚甲型。
至近距離格闘形態。
古代ベルカや現代の武闘家のデバイスデータを参考に発現した形態。「王の会戦」でのレグナは普通の格闘戦を行ったが、その真価は、投擲、及び拘束による敵の確保、或いは肉体破壊を目的に特化した機能である。

「モード・ベルセルク」
巨大剣型。
サイズはレグナの身長かそれ以上あり、更に光刃展開によって最大10mのリーチを誇る。その光刃を飛ばす事で遠隔攻撃も可能。
グレンデル使用時の近接格闘戦では「モード・スレイヤー」よりも使用頻度が多い。


後者二つの形態はティターニアでは使用出来ないが、グレンデルとティターニアの同時起動という離れ業も使用する。
その場合、デバイスの特殊機能が相乗するため、より高度な戦闘が可能。
W63H
[編集]
[016] By L
2012-09-09 18:27:45
 レグナの誕生プロセスは、まずフェイトと対になるようなキャラを作る事から始まりました。だから、レグナ・"デスティニー"です。(フェイトも英語で同じ「運命」という意味です)
 また主な意識点として、互いにバリアジャケットが黒基調。瞳の色が赤(但し、レグナの片目の瞳孔色は黒で、わかる相手には正体が分かってしまうので両方赤色に偽装しているという後付け設定)。フェイトが金髪に対して、レグナは銀髪。
 またよく話題にされるフェイトとガンダムデスサイズの相似点もまんま「モード・イレイサー」という形で受け継いでいます。
 フェイトの誕生したF計画に関わっているという設定は最初期からありました。そのためスカリエッティから「フェイトはある意味で妹」的な説明を受けて、兄貴面してるクロノと衝突するようなプロットもありました。

 しかし、これだけで終わらないのが私の悪い癖で。

 設定を展開していく内に、ある疑念が生まれました。
『これだけじゃパンチ不足だ』と。

 で、誕生したのが「グレンデル」です。
 これは某アーケードカードゲームの同名カードが元ネタなので、現在のリリカルなのはForceに出てくる同名団体、キャラとは一切関係ありません。(つい最近まで存在すら知りませんでした)

 ティターニアを操るレグナは「黒に銀縁」をイメージ色にしていましたが、グレンデルを操る事になったことで差別化を図ります。そこで、イメージ色を「黒に金縁」にしたわけですが、ちょうどその色にピッタリ当てはまるキャラクターがいました。
 それは、仮面ライダークウガのアルティメットフォームと仮面ライダーオーガです。
 前者は、仮面ライダー史上でも屈指のチート性能と複雑な設定を備えた、最終決戦仕様。後者は劇場版仮面ライダー555で主人公の親友でありながら、策に弄され絶望の果てに主人公と戦う事となった悲運の帝王にしてラスボス。
 そして、偶然知ったリリカルなのはvivid。

 これらの存在が、最終的に「帝王」としてのレグナを完成させました。(クローン体設定の都合上、元々ヴィヴィオとの絡みも視野に入れていましたが、これが発展して古代ベルカの王の設定に繋がりました)
W63H
[編集]
[017] By L
2012-09-09 18:48:11
 そんなレグナですが、私の怠慢の為に、これだけの設定の多くが日の目を見ることなく、今は私の手を離れて兎さんの作品に出張している次第でございます。
 これは私がリリカルなのはをリアル視聴できる環境ではなく、基本設定に疎いために原作との矛盾を生むのを恐れたのと、単に長編作品を書ききった経験が無い故の不安から、発表を見合わせていたせいです。

 兎さんの作品内では、ポッと出でありながら最強格のキャラ、という意味のわからない性能に見えるかと思いますが、これは私の無茶な設定内容を、兎さんが出来る限り反映してくれた結果だと思われますので、兎さんとレグナは悪くないんです。私が悪いんです。


 ここまで書かせていただきましたが、この場を提供してくださる兎さんと、ちょっとでも目を通してくれた方のおかげということで、感謝の言葉とさせていただきます。
 では、また次の短編でお会いしましょう!(←長編はどうなった)
W63H
[編集]
[最初から全部]
[*前]
[返信する]
[新規トピ]
[戻る]


無料HPエムペ!