二形小説書物庫
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【奇子】(あやこ)・二怨
By 優兎
01-29 01:49
凍てつく程の寒い夜。
初めて貴方様にお逢いした時、この菊は咲いたので御座います……。
W62CA
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By 優兎
05-19 10:37
【ayAko】
「いやああああああああああっ!!!!」
叫びは無意識の内に、胸から噴き出したものでした。
白い人影は、あやの叫びに一瞬動きを止め……。
『い゛ぃだああああああああい゛ぃぃっ!!!!!!!!!!』
それは地の底から轟く様な恐ろしい叫び声を上げたのです。
そして……。
ぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃ……。
先程までとは比べものにならない速さで、辺りに血をまき散らしながら、四つん這いで走り寄って来たのです!
「いやああああああああああっ!!」
動いて! 動いて体!
せめて足だけでも動いて下さいと、必死に祈りました。
祈りが通じたのか、ふっと足が急に軽くなり、漸く動いたのです。
でも、足は思った様には動かず、あやは倒れ込んでしまったのです。
痛みをこらえ、立ち上がろうとしました。
でも、それは……。
がっと足首に食い込む、骨だけとなった手により阻まれたのです……。
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By 優兎
07-02 02:22
【ayaKo】
「ゆ…め……」
見慣れた天井を見留、あやは安堵の息を着いたのです。
口の中がカラカラに渇き、喉が引きつる様に痛みました。それなのに全身は水でも被った様に濡れているのです。
水をと思い、とても気怠い体を起こしました。
戸口から漏れてくる光のお陰でしょう。部屋はぼんやりと明るく、あやはぼやけた頭で乱れた寝着を軽く整え、立ち上がろうとしました。
でも……ふと……明るすぎると気が付いたのです。
そして、だんだんと頭がはっきりしてくるに連れ、やたらと左の足がべたべたとしているのにも気が付きました。
恐る恐る手を伸ばし、神経が尖りぴりぴりと背筋に不快感が走るのを抑え込むと、あやは意を決して、一気に布を捲ったのです。
「ひゅっ……!?」
喉の奥で、悲鳴が潰れました。
いえ…、それともあやの無意識が危険を感じ、押し潰したのでありましょうか?
あやの左足首には……べったりと血が…やけに節くれだった血の手形が残っていたのです……。
W62CA
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By 優兎
10-05 20:25
【ayaKo】
ひいぃぃぃぃっ!?
口を両の手で必死に押さえて塞ぎ、あやは心の中で悲鳴を上げていました。
……血の手形。
先程。夢で人ではなくなった人に掴まれた場所と、ほぼ同じ場所に、それは付いていました。
恐怖と驚愕で、あやは長いことそうしていました。
そして……。
かり……かりかりかり……と、何か堅い物が引っ掻く音がしている事に気が付きました。
音の方を向いてはいけないと、耳を塞ぎ何度も強く思いました……。
けれど……自然と視線が音の方、唯一の部屋の入り口である引き戸へと向いてしまったのです。
見れば、煌々と青白い光が戸の障子を照らし、その障子には……歪んだ人影が映されていたのでした。
W62CA
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