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【第一話】二頁 『…どんだけお前んちのねーちゃん、怖ぇーんだよ(汗)』 『――黙れ、瀬能…。お前には分かるまい………』 普段から喧嘩っ早い彼の覇気は そこからは全くを以て感じられない。 蒼白な顔にてプルプル震える誠二の様子に 瀬能(せの)は天音(あまね)家の深い闇を 垣間見たような気がした―――。 ――キーンコーンカーンコーン…… 『おっ!』 安嬉は目を輝かせる。 『お前もいい加減、マジで自分のクラス帰れ』 誠二が軽く安嬉を小突くが そんな事は無論、全く気にしない。 次々、着席して行く生徒らの中で 安嬉も空いてる席へと着席する。 『……オイ。多分そこ、転校生の席…』 『気にしない、気にしない☆』 ヒラヒラと手を振る安嬉の背後に ヌッ、と大きな影が現れた。 瀬能は影と安嬉とへ交互に目をやり 無言で安嬉へ危険を知らせるが 肝心の安嬉は気付かない。 瀬能は『…もう、知らね』と 最終的に諦めたように 息を吐き出すと視線を逸らした。 『――――義心(ぎしん)、お前はもっと周りに気を配れ。』 ――ゴスッ… 鈍く低い音がして、それっきり――。 一年二組の教室はチャイムの終了を待たずして 途端、シンッ…と静まり返ったのだった。 『松岡先生〜、お届け物でーす。また、手違いあってかウチのクラスに紛れてましてぇー・・・』 『〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ、……!!?』 悶絶する安嬉をズルズルと引き摺って 横山の声が隣の教室へと遠ざかって行った。 『……阿呆だな、アイツ』 『ああ…』 つづく
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