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「いらない。欲しいなら、こんな俺ので良いならあげる」 「そう、か」 「だがお前はいいのか」 「良いって言ってる……ッ!」 薄い幕を通り抜けるように、その人の手が入る。 「っ…ア……」 視界がにじむ。景色がとける。 「あ…、う……」 涙が出る。苦しくて、息が止まりそうになる。 「はぁー…は、あぁっ!!」 「ここ…」 掴まれて、次に引きずり出される感触。背中がざわついて、冷や汗が止まらない。 「まっ、……て…」 怖い。 「だめだ」 「い、や……やぁっ!」 ざわり。右手が出ていく。 「ふっ……」 身の内に大きなうろを感じながら、意識はそこで途切れた。 END (単なるワンシーン的な…)
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