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襲撃キャラ(たまにレスに現れる)
なし
遠野俊
山田太陽
アルザーク
松原瑪瑙
嵯峨崎佑壱
叶二葉
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あぁ、春だ。 そう感じるときは、桜ではなく梅の花を見たときの方が多い。 早春の頃、月の美しい晩に初めての恋に落ちた。 濃い赤の着物に黒い帯を締めた、可愛らしい女の子だった。 だれ? 彼女が子首をかしげれば、顎の辺りで切られた髪が微かに揺れた。 うっとりするほどロマンチックな出会いだった。 君の名前は? その問いに返ってきた彼女の笑みと名前を毎夜繰り返し思い出して、ついに来日が叶ったのは数年後のことだった。 「あぁ、マリー。その事ならノープロブレム。帝王院はデンジャラスだから、むしろマリーの方が気を付けた方がいい。じゃ、バイ」 来日したとき、初恋の女性は人妻だった。 旦那はフレッシュグリーンの髪にエメラルドの瞳。彼女の瞳も同じ色だがロマンチックの欠片もなかった。 マリー、こいつ誰? こいつなんて言うなよ、ヒロ!ロイ君は私の友達!挨拶代わりに睨むな! …聞けば、旦那は最強ヤンキーの幹部らしい。 どんな経緯で知り合ったのか聞けば、絡まれているところを助けられたらしい。 内緒で付き合っているがよくデートに行くらしい。 旦那の関係者も彼女の関係者も公認で、温か〜い目で見守っているらしい。 旦那は食が細いらしい。 肉を食わないらしい。 キュウリが好きらしい。 昼寝が好きらしい。 日本史が好きらしい。 「他人のラバーに恋するなんて、オレはMか…」 そして、…これからも自分は彼女の旦那の事を聞かされるらしい。 だって、自分は『友達のロイ君』だから。 「人妻は止めておけ、旦那に刺されるぞ?」 携帯を切れば無表情な友人は珍しく微かにだが微笑んだ。慰めているのかわからない、たぶん慰めているのだろう。初恋の女性を好敵手と認めている男は彼女の事をよく知っている。 「刺されてもいい…」 ポツリと呟いたら、友人が目を見開いた。なんで自分ではないのだろう、なんていうわかりやすい嫉妬ではない。旦那はよりにもよって、あの家の関係者だ。 世界の九割を手にいれている家の。 「少し席を外す。あとは任せたぞ、ロイ」 「ラジャー…」
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