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11月1日 <著者:蓬莱紫苑> 一日の始まりは最低。けれど退屈な平穏を破るという意味では少し愉しくはあった。 今朝、店を開ける準備をしようとしたら突如として入口から何かを投げ込まれ、戸は壊されてしまった。 怨まれる理由なら人の宿業よりも多く思い当たる節がある。けれど、投げ込まれた物を見れば投げ込んだ人物に心当たりは全く無かった。 少なくとも私の記憶の中に、南瓜を投げつけて逃げ去るような悪戯を仕掛ける妙な悪餓鬼に恨まれた覚えはない。まあ、もしかしたら拐して喰らった男とか女の子供だとかそういう線も無い訳ではないが。 ともあれこれでは店は開けない。元より人里に溶けこむ為のものだ。織物屋の真似事ができなくても困りはしないが、かといってされるがまま泣き寝入り等性に合わない。 蜘蛛の巣に手を出して、無事に逃げられるなどと思わない事だ。 逃げる背はすぐに雑踏に消えたが、背丈からして子供、しかし奇妙に南瓜の被り物をしていた。あとは、妙に白かったか。 特徴は捉えた。あとは探しだすべく京を歩いていたが、どうも賑やかしい。 はろうぃん、波浪院?なる大陸の文化がこの青憐に馴染んで久しいらしいのだが、どうにも私には慣れない。お盆と何が違うのかしら? やがて路地裏へ入る白い後姿を見付け、追って入ればそこにいたのは確かに白いヒトが居た。――雪のように真っ白な男。青年。追っていたのは子供ほどの背丈だから違うであろうが、一応何か知らぬかカマをかけてみた。 狼狽していたが無実らしい。 しかし、ヒトではあるが奇妙な人間だ。呪い、それも相当に執念深く、魂に爪を食いこませている悪辣な呪い。夏にこそ腐敗し成熟する呪いは相応しいが、この呪いは秋や冬の寒空にこそ相応しい人の心胆を凍らせる代物である。 名を雪白・七彌・お、大烏燕?とか言うらしい。 犯人ではないが、興味を惹かれる男であったがそれ以上に気になるモノを彼は捕まえた。 白くて丸い、すべすべして、もちもちした何か。 様々な妖を見てきたがそのどれとも違う。そも、妖ですらない。 だが当然人でもない。なんだこれは? 正体は分からないが、とても触り心地が良くてずっと触っていても飽きなかった。恐ろしい。 やがて路地を抜けては、街は妖ならざる白い怪異が跋扈し、混乱を招いていた。 正体は分からないが、悪意を以て悪事を成すならば私と同類だ。 遠慮はいらない。 雪白と別れ、白い怪異、恐らく店に南瓜を投げつけた者も仲間なのであろうと奴らの群れから探し出す事にした。 護国の兵共が邪魔で思うようにはいかなかったが、それらしい者は見つけた。 ――悪戯小僧に躾をしてやった。 青の国/宝蓮京/ハロウィンイベント 雪白・七彌・オーウェン様とエンカウント
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