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ぴくりゅーよりよっ/こら少年/少女メーカー様よりミーシャ・グウィンドリン。 共感性の無い怪物。何故そんな酷い事をするのか、何故そんな簡単な事すら想像できないのか、何故、何故、何故。 何故と投げかけられてきた銀の悪魔こそ、常に何故と問いを返さねばならなかった。 何故最も簡潔且つ最短の手段が酷い事なんて言われているのか、何故酷い事や傷つける行為だのと紛れもなく簡単で確実な手段を否定する貴方達が簡単を想像できると言うのか、何故、何故、何故。 正しい事、成すべき事に悩んだ事はない。悩む理由などない。いつだって悩ませるのは、自分に理解できない感情、衝動なのだ。 人の涙を、苦悩を理解しようとすれば、時にその難解さのあまり思考が澱み、行動に支障をきたす事がある。 それでも、如何に難解でも理解しようと考えているのだ。 それが、今は合理的に思えずとも最終的に合理的な決断を下せるようになる情報であると推測して。 義兄、アレクサンドルは気づいていなかった。 同じく共感性というものを持ち合わせない者同士であったが、義妹は感情が無い機械ではなかった。 だから、両親が殺された時、胸に未知の不調を齎すものが沸き上がりながらもそれが何か理解できず、理解できぬものの為に動く事を良しとしなかった。 だから、両親が愛情を注いでくれて、愛情というものを理解できずとも少なくとも両親は大事な存在だと認識していたからこそ立場を悩ませる原因となった自身の身体的特徴を削ぎ抉り切り取ったのだ。 だから、両親の死に涙を流さぬ自身を冷たい娘だと蔑む声が聞こえても、涙を流す理由と蔑むという己への評価に反論する価値が無いと判断して何もしなかっただけなのだ。 義妹は、何も感じていなかった訳ではなかった。大事なものが存在し、喪ったという事を理解していた。ただ、復讐という行動が合理的ではなく、意味を見出せなかっただけのこと。喪失感、悲しみ、怒り、それらを表現する機能と言語化する機能が足りていなかっただけのこと。 他人よりずっと振れ幅が小さすぎるだけで決して存在しない訳ではなかっただけのこと。 決して信じるに値するものなど存在せず他者を利用し利用されるだけの生き方をしてしまった義兄の天使と、理解できぬ他者を放棄せず法の正しさを全うするのは常にヒトでありそれに背く事は合理的でないと本人なりに正義を信じ実行する義妹の悪魔は同じ系統の怪物ではなかったのだと、互いに心が欠けていたからついぞ気付かぬまま勝手に納得し、勝手に誤解していただけのことだったのだ。
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