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あぁこの掌を、あなたと重ねることが出来るかしら。 その手はやさしく温かいの? それとも哀しくつめたいの? 触れさえもしない指先じゃ、あなたの体温を感じられない。 ねぇ、その手をつかみとって。 いっしょに堕ちるのはどうかしら? あなたが何処にいるのか知らないの。 あなたの表情は見えないの。 どっちが上で、どっちが下? あなたに触れられないのなら、あまり意味はないのだけれど。 やさしさとかなしみで笑ってみせて。 似ているようで、全く違うあなたと共になんて、できないのは本当は知っているの。 だからこれは我儘よ。 行きつく先さえ違うでしょう? 罪を背負い罰をも見据えるあなたにも、幸せあれと願っているわ。 交わらない道でしょう?それでも、あなたに愛を紡ぎましょう。 でも、そうね。 …口付けくらい、したかったわ。
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