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夜、最後の食事を取る。 空になった缶詰を、いつものように沈める。 夕凪の海に缶は静かに沈んでいく。 ずっと下の方に何か過ぎるものがあった。 レペだ。 小さいレペが缶に触る。 息をかけてみたり、尾で跳ね上げたり、一人で遊んでいる。 次第に日が暮れて、底が見えにくくなってくる。 目を凝らすと、ちらりちらりとレペの鱗が光るのだけが分かる。 「そろそろいきましょう」Kは言い、船を出した。 水のうねりに気づいたのか、レペがちらりとこちらを仰いだ。 銀色の目だ。あれは、わたし、知っている。 「M」 名を呼ばれ、振り向くと、Kが空を指していた。 大きな光る鳥が、現れては消えた。 海の暮らしは今日で最後。
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