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「きりん」 塔の中で見つけた本。 知らない言葉が、どうしてか読める。 小さな島に一頭のきりんがいて、寂しかったきりんは、飛行船を食い破った。 破れ目からは女の子が二人落っこちた。 きりんの他には何もない島で、二人の女の子は途方に暮れる。 破れた飛行船は、沖まで飛んで、それから沈んでそれっきり。 二人の女の子は途方に暮れる。 電話をかけても、受け取る両親はもういない。 島にはきりんの他には何もいない。 きりんは女の子達に話しかけたけど、あんまり大きな体だったから、女の子達には、きりんが見えない。 声は突風と轟音。 きりんが手に入れたかった飛行船は、沖で沈んで戻らない。 二人の女の子にはきりんが見えない。 寂しかったきりんは前よりもっとさびしい。 きりんは雲を食べるのを止めた。 すると空が低くなった。 空に押されてきりんは縮む。 きりんは潮を飲むのを止めた。 すると海が大きくなった。 海に攫われてきりんは縮む。 島ほどにきりんが縮むと、女の子達はきりんに気が付いた。 どこからきりんがきたのだろうと、姉妹は話し合う。 姉妹の他に何も無い島なのに。 そうしている内に、まげても腰を下ろしても、世界に閊つかえていた長い長い首が、ぽきりと折れた。 姉は折れたきりんの首を、海の際に埋めた。 妹は残った胴を、島の中心に埋めた。 それぞれきりんを食べたから、二人はだんだん大きくなって、雲を裂いて、海を跨いで、よそへ行った。 その後にできたのがこの島。
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