[
携帯モード]
[
URL送信]
メッセージの編集
お名前
本文
Hello“ジッコ突撃艇”1-1 「でかい溜め息じゃのぅ……乾」 「まぁね……」 どこぞの国からホームステイに来た、一見すると年頃の少女に見えるマルマルに、乾は気のない返事を返す。 「せっかくの良い男の子(おのこ)が台無しであろうが?」 去年の冬。告白してOKを貰った少女に一週間と経たぬ間にフられると言った悲劇を乾は経験した。 そして、昨日。その少女から携帯に連絡があった。 ……そして今日の昼。 乾は、階段を登り、るなの待つ屋上へと向かった。 「あれ? 乾?」 屋上のドアをくぐり抜けた乾に、ゆかが珍しいと言った様子で声をかけて来た。 「待ってたよぉ。乾くん!」 そして、その隣には何時もの様にるなの姿。 乾は胸の奥がちくりと痛み、二人の仲睦まじい姿に笑みが漏れた。 「るなが呼んだの?」 そう尋ねたゆかに、るなはピースサインで応えた。 「実は、乾くんにお願いがあってぇ……くすくす」 乾はこの時、軽い頭痛を覚えていた。 そんな乾の様子にるなは気付くはずもなく、自分の思いつきを披露したくて堪らない感じだ。 『お願い……?』 乾とゆかの声がハモる。 「くすくす……ジョニ子ちゃん、彼氏が欲しいって言ってたじゃない? だから、乾くんを紹介してあげようと思って!」 蒼天の空の下。爽やかに笑うるなの顔を見て、乾の胃が痛み始めた。
設定パスワード
編集する
削除する
無料HPエムペ!