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西行妖の前に幽々子は立っていた。 妖夢はまだ帰って来てない。 白玉楼に戻った時、皆無事だった為多いに喜び祝いをしたが、一週間を過ぎた今でも妖夢が帰って来ない。 心のどこかに大きな穴が開いたような気持ちだった。 ぼーっとしている時珍しい人物が幽々子を訪れた。 紫『何黄昏てるの。あなたらしくないわね。』 幽々子の親友の妖怪・紫だった。 幽々『紫…何でもないわよ……』 紫『妖夢ちゃんなら帰って来ないわよ…見事な戦死だったわ…』 紫の話によると、幽々子の後を追っていた紅魔勢を一人で食い止めていた。 そしてかなりの傷を負ったまま逃げたらしいが、紫が見つけた時には手遅れの状態だった…… 幽々『見事な戦死など…そんなものは存在しないわ…』 紫『…これ…幽々子に渡して欲しいって……「とても幸せでした」と言葉を残してね……』 紫に渡されたのはいつも身につけていた愛用の二刀流だった。 紫『どうするの?弔い合戦でもする?』 幽々『……しばらくはゆっくり桜でも眺めていたいわね……』 紫『そう……』 幽々子は妖夢の刀を木の前に並べ、静かに手を合わせた。 すると西行妖に桜が咲いたように見えた。 ああ、と、幽々子が声をたてた。 紫がどうしたのと声をかける。 幽々『今、桜が……』 咲くはずのない桜が咲いたように見えた。 この木に花が咲かないのは承知していたが、紫は込み上げるものを抑えて幽々子に並び、そっと手を合わせた。 二つの女の影はひっそり静まったまま、長い夜が明けるのを待った……
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