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レミリアの陣から紅いのろしが上がった。 ああ、来た来た、と西行寺家の兵達は騒いだ。 敵の軍勢はこちらの退路を断つべく三途の川の入り口を占領し、その付近に群れていた。 ―あの様子では…二万近いか… ―だから言わぬ事ではないか… ―足下を塞がれてしまったではないか。幽々子様はいかがなさるつもりか… ―あれに押しよって来られ正面から迎え打たれたら、万事休すとなってしまうぞ… 総大将の幕屋から幽々子と藍も紅いのろしを確認していた。 ―さて、ここからよ。 同じものを見ながら幽々子は違う事を考えていた。 幽々『見なさい、藍。あの軍勢がこちらに攻め来ると見える?』 藍は無言で幽々子の指さす方をじっくり眺めた。 藍『確かに攻めて来そうにないですね…』 幽々『来ないわね。』 藍『では、幽々子様もしばらくここに陣を置くと言う事になりますね。』 幽々『だいぶ不平が出ているの?』 藍『出ているなどというものではありません。』 血の気がさかんな者は、早く本陣に仕掛けないのか!と、どなっていたし、早く後詰めを要求すべきだ。と言う声も少なくない。 幽々『亡霊は気が短いわね〜♪』 ―あんたがのんびりしすぎなんですよ。 藍は思わず言ってしまいそうになった。 幽々『他にどんな事を?』藍『兵糧の心配をする者が……』 幽々『後どれくらいあるの?』 藍『後、十日ばかりしか持ちませんが…』 十日!?と幽々子が大きな声を出した。 驚いて外にいた小町も入って来た。 幽々『私は明日にでも米がきれて干乾しになると心配してたのに…』 幽々子はそう言って自分の盃を小町に渡し自ら酒を注いだ 幽々『今の内に言っておくわ。この二、三日後には必ず様子が変わるわ。』
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