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武内の語り
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≫ カヤトファイル4「相対二重人格」
By 武内空
2012-10-22 22:04:23
救急車のサイレンで俺は目を覚ました
交通事故にあったらしい…
意図的なものだったかどうかは分からない
しかし一つ言える事…
俺の中で何かが変わった…
心の奥底にへばり付くような感覚がずっとしていた
俺の症状は記憶喪失だと聞かされた
正直な所名前や顔を見せられてもピンとくる人はいない
「石垣……春矢…」
記憶の中にこの名前だけは残っていた
病院を退院するのに時間はかからなかった
退院から三日後高度の熱を出した
熱は俺の奥底に眠るモノを叩き起こした
瀬崎カヤトは事故によりセザキカヤトという人格が芽生えた
瀬崎カヤトは善・良心の持ち主
対するセザキカヤトは悪・不心の持ち主であった
事故により芽生えたセザキは熱によって増幅し瀬崎と対する人格となった
この精神の病気「相対重人格」と名付けなれた
支配力はセザキの方が圧倒的に強く不の心を見せた途端瀬崎と入れ替わる
このことを知っているのはセザキカヤトただ一人…
瀬崎カヤトは入れ替わった事に気付きはしない
この地を揺るがす支配力をもつセザキカヤト…
この存在により無くなった事が一つ「虐待」
セザキは力を増し知識を得てやがて大量殺人事件の鍵を握る
闇の中…瀬崎カヤトは眠る
pc
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≫ カヤトファイル3「仲間」
By 武内空
2012-10-14 20:20:31
その日の授業がすべて終了した
俺は誰よりも早く教室を出て足早に帰路についた
家に帰る道とは違う道を歩いていた
家に帰る必要はない目的はあいつらに会う事なのだから
あの日…金を持たされずに買い物に行かされた時に通った道
そこで出会った「石垣春矢」
家の近くの古い家で今までは聞いた事のない声が聞こえた
そこで見た「冬枝明日奈」
二つの偶然はいつの間にか心の支えになっていた
俺は春屋と出会った道を目指していた
あの道まであと少しという所で俺は呼び止められた
「おい!カヤト!」
『久しぶりだね!カヤト君♪』
俺はこの時涙が出てしまいそうだった…
「お、お前達は……」
「おいおい忘れたとは言わせないぜ石垣春矢と」
『冬枝明日奈だよ、覚えてるでしょ?』
「覚えてるに決まってるだろう!すごくすごく会いたかった」
この二人は虐待のことを知っていた…
「お前らは俺の…な、仲間だよな」
「あの時カヤトに出会った瞬間から俺とお前は仲間だろ」
「あの時は見てる事しか出来なかったけど今度は仲間としてカヤトに協力するよ」
俺に初めて仲間が出来た…
しかしこの後「冬枝明日奈」と俺「瀬崎カヤト」は事故により意識不明となった…

pc
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≫ カヤトファイル2「憎しみ」
By 武内空
2012-10-10 23:18:11
春矢に会ったその日は俺は走って春矢から逃げてしまった
「はぁ!?買ってないだぁ!?」
やはり言われたまた怒号が響いていた
虐待が終わる事はこの両親が消えるまで終わらないだろう
……何故俺がこんな目に
俺が何をした?
容赦のない虐待は体を切り刻み
精神を砕き散らす
この痛みをあの両親は知っているのか?
俺の心は憎しみが芽生えた
この頃俺は祈りをやめていた
祈りは憎しみに変わり心の闇は先が見えないほど暗かった

俺は中学生になっていた
心の闇は止まる事を知らず隅から隅まで染めた
周りの同級生は傷まみれの俺など気にもせずにいた
話しかけてくる時といえば悪口を言いにくるぐらい…
まぁ正直なところ虐待を受けているこっちからすると痛くも痒くもない
憎い……
同級生ではない、こんな心にした両親だ
そうだ…昔会ったあの人
石垣春矢だっけかあいつにまた会ってみたい
あいつならなんて言うだろう
それと…冬枝家に女の子がいた
あの家に娘はいなかったはず…
久しぶりだ…家に帰ってみたいなんて思った事は
目的が両親ではないのが憎しみが消えていない証拠になってしまっている
悲しいと思えるだけでも…
戻ろう冬枝、石垣に会うために…
pc
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≫ カヤトファイル1「祈り」
By 武内空
2012-10-09 19:24:39
「なんだよ俺の周りには良い人だらけじゃねぇか…」
俺、瀬崎カヤトが起こしてしまった大量殺人…
春屋、明日奈までも…
俺は昔の記憶すべてが脳裏によぎった

俺がまだ5歳の時両親に異変が起きた
今までは優しく温かい人だったが急に人が変わった
俺はその日から始まった地獄にひたすら幸せを祈るしかなかった
そう虐待が始まった
殴りつけられる机や椅子…
怒号が響く毎日…
命令や差別…
俺はすべての痛みを耐えようとしていた
ある雨の降る日だった
俺はある命令をされていた…
金を持たされていないのに食料を買って来いと言うのだ
しかも外は大雨…
しかし行くしかなかった行かねばまた殴られる
走って外を見渡した開いている店などなかった
雷まで鳴り響き始めた
俺はこの日ある人物に出会う
「……帰るしかない」
カヤトは暗い顔をしてトボトボ歩いていた
すると雨の中を走る俺と同じぐらいの人がこっちに来た
「なぁお前こんなとこで何してんだ?」
そうここで出会ったのが「石垣春屋」だ
まだ出会う事のない「冬枝明日奈」はこの日冬枝家に預けられた
無意識に祈ったこれから出会う仲間へ今目の前にいる人へ
俺のような虐待を受ける人生になりませんように
pc
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≫ そこにあった奇跡・続「足らないモノ」
By 武内空
2012-10-07 11:29:25
『「石垣春屋」のファイルはこれでおしまいです』
赤西はファイルを閉じた
「春屋さんは 守る という事が出来なかったのです」
約束…大切な人…すべてを守る…大変な人生だったのですね…
赤西は最後のファイルに目を向けた
「出来ればこのファイルは見たくありませんが…」
瀬崎カヤト…
春屋さんに放った「復讐」という言葉の意味…
「瀬崎カヤトは今までの二人とは違う人生でした」
「瀬崎カヤトのファイルだけは一つ一つに名前があります」
魔の大量殺人事件…最後の一人です…
pc
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≫ そこにあった奇跡・続ファイル2「石垣春矢5」
By 武内空
2012-10-06 21:50:20
走馬燈
死ぬ前に起こるといわれる死の前兆
俺は走馬燈の意味をよく理解した
「明日奈!!!」
屋上で昼飯を食った後カヤトは豹変した
先頭を歩いていた明日奈をカヤトはハサミで刺した
「……復讐」
カヤトが小さな声で言った
妙に暑いと感じていたのは走馬燈を見ていたせいだった
「今日消える命ならば…」
俺はカヤトに向かって殴りかかった
………!?
なっなんだ!?これは…
カヤトの鋭い視線今まで見たことない目付きで睨まれた
体が動かない…ありえるのか?こんなこと…
カヤトの持つハサミが俺を刺した
「春矢お前は間違えた…俺は悲しいよ」
俺の意識はそこで消えた
pc
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≫ そこにあった奇跡・続ファイル2「石垣春矢4」
By 武内空
2012-09-23 00:15:17
俺は伝えた
明日奈が理解してくれていたのかは分からない
その日は記憶が曖昧になるぐらい自宅で音楽を聞きながら寝た…
「やべっ…もぅ朝か」
寝坊 ではなかったがいつもよりは遅い時間に起きた
いつも通りの道を足早に走り俺は学校についた
カヤトはもう来ていた
あいつ寝てねぇか…?
口には出さなかったが心で思った
「にしても暑いな今日は」
天気予報では涼しくなるとか言っていたはずだが…
「お前暑がりだっけ?」
「こんな涼しいのに汗かくってのはすごいな」
前の席のやつ二人に言われた
明日奈はクラスが別なので会う機会は昼休みぐらいだ
全く高校は遊びってイメージだったのに勉強詰めじゃねぇか
まぁとりあえず昼休みまで頑張ろう…
「だぁーー授業終わり!昼休みだ!」
どうだ!俺は今日も授業を耐えた!
心の中で自分を称えた
その時だった
背筋が凍りつくような静かで低い声が耳元で響いた
「…うるさい春矢…行くぞ」
カヤトだ
「お…おぉ行くか!」
今のはカヤトなのか…?
俺はカヤトについて行くように屋上に行った
お、明日奈はもう来ている
カヤトは真っ直ぐ明日奈の方へ歩いている…
でもなんだろうか…
カヤトは寂しそうな顔をしていた
pc
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≫ そこにあった奇跡・続ファイル2「石垣春矢3」
By 武内空
2012-08-01 21:46:54
来ない理由を深く問うのも何なので俺は気にしていなかった…
「何か飲む?」
「取り合えずビール」
「未成年はお酒いけません」
少し明日奈をおちょくってみた…
「春矢ー」
「何ー?」
「好きな食べ物は?」
そんな唐突すぎる気が…まぁ明日奈らしいか
「明日奈が作ってくれるならなんでも食うよ」
エジプト料理とか出てこないだろうな…
俺の発想力は豊かだと今気づいた
「じゃあシチューね」
俺は明日奈が飯の準備をしている間カヤトの事が気になった
「出来るまで時間あるから何か話そっ♪」
「そうだな」
やはり唐突な明日奈だ…
「そういえばさ春矢ってカヤトと仲良いよね」
そんなの明日奈もだろーがと思いつつ…
「まぁな」と俺は答えた
「カヤトっていつも何か考えてそうな顔してるよね」
俺は頭から消えていた記憶が戻った
今日カヤトが来なかった理由…
何故かすぐ理解出来たはずなのに…
「…」
俺は黙ってしまった
「明日奈誰にも言わない自信はあるか?」
俺は打ち明けようとしている
今、瀬崎カヤトと言う一人の男が
どこで何をしているのか
あの過去を明日奈に教える
「…うん」
明日奈の強き意志も伝わる
この子になら…
今隠さずに俺は伝える

pc
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≫ そこにあった奇跡・続ファイル2「石垣春矢2」
By 武内空
2012-07-23 17:53:57
カヤトの体の傷…それは虐待によるものと教えられた
春矢にとって虐待というものがいかに残酷なものかは理解出来ない
「まぁそう心配するな春矢」
「昨日や今日始まった訳じゃないんだ…」
カヤトの表情は曇っていくばかり
「…でもカヤトどうにも苦しかったりしたら俺に相談してくれ」
「分かったよ春矢…」
「絶対だぞ!」
「あぁ絶対だ」
その日は良く晴れていた…

高校生になってから一人の女友達が出来た
「明日奈到着ー♪」
冬枝明日奈と言う名前だ
珍しい事にカヤトは嫌ってはいないようだ
普通なら話かけられても無視なのに明日奈には反応する
しかも初めて話した時は明日奈から話しかけてきた
正直言うと…可愛い…
男子皆狙っているらしいが本人はそれが嫌だと言っていた
普通に接してくれる初めての友達とか言ってたな…
何を考えているかよく分からないが良い子には間違いないようだ
明日奈が加わった日常は退屈しない楽しい日々だった
そんな…ある日
「ねぇ今度さ二人共家に遊びに来ない?」
ほぅ明日奈の家か面白そうだ俺は迷う事なく
「いいよ」と答えた
「あー悪い俺パス」
カヤトは何か用事でもあるのだろうか…
俺はこの時ある事を忘れていたのだ…
pc
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≫ そこにあった奇跡・続ファイル2「石垣春矢1」
By 武内空
2012-07-22 23:49:45
俺は走った
雨が降り雷が鳴り響く暗い道を一人走った…
ある男に会うために
俺は昔から 友達という者がいなかった
でも一人…あの日あの道で出会った
あの男なとだけは友達になる事が出来た
別に好きな物が同じ とか
趣味が似ているなどと言った訳ではない
ただ本能的な感覚で俺はあの男…瀬崎カヤトと友達になった
人の事は言えないが何故カヤトはこの道にいるのだろうか
確かカヤトの家はこっちではないはず…
まぁなんらかの用事があるのだろうと俺は気にしなかった
でも一つどうしても気になる事があった…
「なぁカヤト」
「何だ…」
「答えにくいなら答えてくれなくて構わないが聞いていいか?」
「あぁ…」
「体中のその傷なんなんだよ」
「気にするな…」
カヤトは下を向いてしまった
「その傷掻いたぐらいじゃ絶対付かないよな」
「……」
黙ってしまった 
やはり聞くべきではなかったか…
「春矢…」
「どうした?」
いきなりカヤトが喋り始めた
「…俺さ虐待受けてる春矢なら茶化さず聞いてくれるよな?」
「当たり前だ」
カヤトの言葉の意味を俺はすぐ理解出来た
カヤトは自分が虐待されている事を伝えたくても流されていたのだ…
pc
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