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イェマリ小説&イラスト(ミカンコ様より)





【君を廻る】


棺に眠る彼女に花を添える。

彼女が好きだった花だ。

彼女に似合う花だ。

ぼんやりと棺を覗きこむ

まるで眠っているかのようだ。

一言
「マリア」
と呟いてみる。

勿論返事など有るわけは無いが何時もの様に

「イェオーシュア」
と名前を呼んでくれそうで

もう一度、名前を呟いてみる。

「マリア…」

頬を涙が伝う
後から後から溢れ出てくる。

拭う事もせず
また一言

「マリア」

と呟いた

彼女は僕のために犠牲になった。

総ての元凶はぼくで、でも自分ではどうする事も出来なくて……

逃げた
自分から

逃げた
僕の力の為に君の命が危ういと気付いた時

君から逃げた

力が解放されそうになれば君が命を投げ出すのが分かったから


だから離れた

「どうして?」と
「行かないで!」と
「一人にしないで…」
と呟く君を無視して

僕は逃げた

逃げた
逃げた逃げた逃げた

逃げたのに捕まってしまう

君に戻ってしまう

そして
僕は君を失った――

言いたい言葉も
想いも…――
打ち明けられぬまま



マリア―
囁く声が聞こえてきたんだ
「もう一度時を巻きもどそう、そうすればまた彼女に逢える。もう一度同じ時を歩もう。宇宙の滅亡を遅らせる為に力を貸してくれるかい―――?」



マリア
僕は君に逢いたい
だから力を貸すことにしたんだ


逃げる為じゃなくて
自分から、この力から逃げないための方法を見付けるために。

そこから長い旅が始まる――――――




僕はまた君に逢い
また失ない
それでも繰り返す
また君に会う為に――――


僕の全ては君を廻る為にあるんだ―――

マリア

君が誰よりも愛しいから―……


「君を廻る」

END






ミカンコさんが、拙宅の1周年記念にイェマリ小説を書いて下さりました!

以前、キリ番を踏んだ際に「ケイコス」をリクエストしたので、
今回は「切ないイェマリ」をリクエストさせて頂いたのですが…!
こんなにも見事に応えて下さるとは!!
そんなミカンコさんが大好きですv


イェ→マリはグッときますね。
イェオーシュアに何があったかは解らないままですが、きっと彼にも葛藤があったと思います。
現在のケイオスを思うと……。


ケイオス(イェオーシュア)ってサーガでも、最も正体不明なキャラですから……
その分、文章にしようとすると迷いが出やすいと思うんです。

それをまっすぐに書く覚悟と大きな愛。
さすがですね!!


素敵なイェマリを拝見できて、心が潤いました!

難しいリクエストにも関わらず、有難うございました!!!





↓更に可愛い二人が微笑ましいイラストも頂きましたv

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