太陽の光を吸い込んでふわふわの布団に多少綿が潰れてくったりしているけれどお気に入りの枕、何よりも自分の好きに微睡んでいていい休日というシチュエーションが最高だ。 ギュッと抱きしめた枕に顔を埋めて丸めようとした身体が、不意に何かに突っかかり動きが遮られる。 毛布でも絡ませてしまったのかと顔を上げた私の視界で何かが蠢いた。 「あ」 「……、ん?」 「お、おはようございます」 「おは…よう? 何をゴソゴソしてるんだ」 部屋全体を温めている為あまり感じていなかったが、妙に身体が心もとない。 服を正そうと胸元に動いた手は何故かぺたりと肌に触れた。 「えっと、えっちぃ事?」 えっちぃ、えっち、……え? 状況を理解して微睡から急激に覚醒する。 尻肉に当たるナニかの感触が妙にリアルで恐ろしい。 「って、なぁああ?! なんで私こんな恰好、えっ、な、なんでこんな体勢?!」 「だ、だって、寝ている間にパジャマが肌蹴ていたから」 「仮にそれで上着を脱がせたとしても、ズボンを脱がせる理由にはならないだろ!」 ボタンを留めずに服を着るほど無精でもないし、そもそも着ていたパジャマはボタンが多いタイプで1つ外れたぐらいでは簡単には脱げない。 寝相が悪い方でもないので、パジャマを肌蹴るほど酷い寝方とも思えなかった。 「それに体勢についてはどう説明するつもりなんだ!」 「そ、それは、恋人が隣で寝ていたらそう、なるでしょ」 尻に当たっていたナニが存在を主張するように肌を擦り、尻尾をかすめる。 先端に浮かんだ先走りが垂れたのか、ニチュ…と濡れた音が触れ合った箇所から聞こえた。 確かに私達は恋人同士でそういう関係なのだけど、だからと言って相手の合意なしに行為に至っていい訳ではない。 お互いの気持ちが無ければレイプと変わらないじゃないか。 「な ら な い! というか理性!」 「無理、だってまだ若いから」 「そりゃ君はな。私は歳なんだから労わってくれ」 「嘘」 「ぃ……っ! ひゃっ」 濡れた唇が首筋に触れ、ねっとりと舌が舐めあげていく。 近くなった所為か息が酷く弾んでいるのまで、つぶさに感じられてしまう。 「昨日はあんなにいやらしかった癖に」 「あ、れは……っ!」 昨日の痴態を思い出し、全身が硬直する。 思い出しても酷い、乱れて、欲しがり、足を絡めてねだる自分。 「うあ……」 「あ、お尻がきゅってなった」 「……実況するな」 「うん、それより、ね?」 可愛い口調でオネダリしている癖に、グイグイと押し当てられるナニのサイズはまったく可愛くはない。 (なんか最近馴染んできた気もするのが怖いなぁ……) そのうち締りが悪くなったらどうしようなんて悩み、誰に打ち明けられようか。 本人になど言ってみろ、結果が見えている。 (なんか最近よく結婚の話題ふってくるし、そういうつもりなのかな。前途ある若者をたぶらかしてしまった悪人の気持ちだ) だけど何故だかそれも嬉しくて、熱のこもった視線で愛を囁かれるのは快感で……。 全身がゾクリと震えた。 「一回」 「え?」 「一回だけ、だからな」 腰を誘うように蠢かせ、顔を枕に埋めた。 恥ずかしくって見せられたものじゃない。 間違いなく幸せで蕩けてしまいそうな顔をしている。 年神のジンクス番外。 過去だか未来だかの本編とは全く関係がない時間軸。 若者ウシ×おじさんハムスター。 年上の威厳を保ちたいおじさんだけど、女性経験もそれほどある訳じゃないから、いつの間にか若い勢いに押されて流されてしまうという状況。 どうでもいい設定としてウシは巨根包茎でおそらく絶倫早漏。 精液はミルク的な意味でちょっと甘かったりするとおじさんがツヤツヤになりそうですね。 [*前へ] [次へ#] [戻る] |