しょうらいのゆめ
「俺はだなぁ、」
ナギサの平和を守るという建前で愚民どもを平伏させる超人的な能力を身に付けて悪の英雄デンジャーデンジになってやるんだ!
真顔で言い放つ、彼は僕より1つ年上の12歳で、どうしてこう地に足つかない絵空事ばかり口にするのかわからないけれどまぁとにかく、何歳児の夢ですかそれ。
大体この人を悪の親玉になんかしたらもう世も末だそうだ絶対そう。
「じゃあスモモ、あくをたおすせいぎのみかたになるー」
「なにっ駄目だぞスモモお前は将来俺に押し倒されるというポジションが…」
「ロリコンか!!!」
どうしよう、今この場でこの電波の頭かちわろうかまじで。
未来の少女の貞操とか未来の世界の平和のために今僕にできることは一体なんだろうか。
手にした金槌を握り締めてヒョウタ少年は本気で悩んだものだった。
─── 十年後。
「もしもし、ヒョウタさん?」
「ああ久しぶりスモモちゃん」
「聞きました?デンジさんの話」
「え、何、何かあったの?」
「なんか、ジムの改造しすぎてナギサシティ近隣の町や民家一帯停電させちゃったみたいですよ」
やっぱりあの場で奴の野望を阻止するべきだった。
ヒョウタ青年21歳、彼は盛大な溜め息とともにあの幼い頃からはた迷惑極まりないド天然でド気分屋の友人の顔を思い出し、やれやれとマイハンマーを手に制裁に向かうのであった。
「オーバ、ちょ、まじ今すぐ来て!殺し屋ザ☆ロックが来ちゃうから!!」
「あー、いっぺん反省して来い」
「無理ーーー!!」
***
デンジさんとヒョウタくんは仲良し希望。
スモモちゃんは二人をお兄さんみたく慕ってるといい。
オーバ兄さんはデンジの駆け込み寺で、ヒョウタのよき理解者。
うん、それがいいな。
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