[携帯モード] [URL送信]


忘れてないよ!〜ED・コノハさんver.〜




たかやにいちゃんとレンの『忘れてないよ!』の4話、5話あたりを書いていた時にコノハさんがくださったお話です。
こっちのEDの方がいいじゃないか!!とゴロンゴロンしながらお読みくださいvvv

---------------







夢の国は土産までもが凄かった。
パーク内ほどではないが店内や店員の服装もかなり世界観にこだわってるって印象を受ける。
それなのにこのコーナーは、なんというか妙に現実的で笑えた。


「にー、ちゃ!パンツ売ってる、よっ!」
「あー、おもしれーな」


夢の国にパンツって。しかもこれ種類豊富すぎねー?
そこ一角上から下までパンツで埋め尽くされた様子はマジでネタだ。つーか、たぶんこの商品自体がネタなんだろうな。まぁこーゆーの履いてたりプレゼントしたら笑えていいかもしんねーし。
つか、マジでいろいろあんのな。青いランプの魔神に、アヒルがでかでかプリントされてるのとか、うえ、これなんかメンズなのにピンクだ。仲間内でおしゃれとか言われてたアイツならこーゆーのも履きこなしたりすんのかな?男でピンクって相当服装に気を使うやつのイメージだ。


「これ、かわいー、ねっ!」
「お?」
「これとか、あっ!これもかわ、いいっ」


レンがはしゃいだ様子でパンツを指差す。フツーなら高校男子、そんなキャラものパンツをネタでも履くのは恥ずかしがったりする思春期ってやつじゃねーのか、なんて思ったけど。なんか妙に似合いそうだから、ついそう言ったのは出来心だった。


「買ってやろーか」
「へ、?」
「だっておもしれーじゃん、これとか」
「うん、おもしろ いっ」
「だからなんか買ってやるよ。どれがいー?」
「う、と」


パンツにはしゃぐレンがおかしくてかわいくて、どれにしよーか楽しそうに選ぶのがうれしくて。ふたりでこれは無いな、とか爆笑しながら選んだ。
…それがそもそも間違いだった。
















仕事帰りに寄ろうと足を運んだコンビニの前には、いつかと同じように3台の自転車と背の低い高校生。いつかと違うのはその中に見慣れたふわふわ頭を探してるってとこだ。
俺の視線に気付いたのか、頬にそばかす、ええと…確か泉だっけ。そいつが振り返って目があった。もう一人のそばかす、こっちは確か田島、また大声で俺を呼びながら指差した。


「阿部だ!やっぱ阿部だ!!」
「お前、声デカいっつーの。夜なんだから気ぃ使えよ」


田島に注意しながら周りに目をやったけどレンの姿は見えない。


「三橋なら中いるけど」
「っあ、あー、そう」
「相変わらず阿部は三橋なんだなー!」
「相変わらず変態」
「だから俺は変態じゃねぇ!」
「あ、三橋」
「え」


振り返ると、ちょうどレンが出てきたところだった。手には肉まんを持ってて、いまにも食べたいって顔してるのがガキのころまんまでまた、笑えた。


「レン」


呼ぶと、弾かれたように顔を上げて、目があった途端に笑顔になる。小走りで駆け寄ってきたレンは「にーちゃ、仕事帰り?」って聞いてくるから頷くと「おつかれさま、です」って笑ってくれた。後ろで騒いでるアイツらとは大違いだ。


「にーちゃ、」
「ん?」
「このまえ、はありがとうございまし、たっ!」


ぺこり、頭を下げるレンはやっぱりちゃんとしてて、それなのにどこかガキのころみたいに幼い。でもそれ以上に素直でかわいいんだよな。なんかいつも一生懸命って感じでかわいい。さっきまで肉まんに一生懸命、だったのに今は俺に一生懸命になってくれてるあたりにうれしいとか思うのは心が狭いのかもしんねーけど。
ふわふわの頭を撫でたら、顔を上げたレンがフヒッとか言って笑った。


「おー。俺も楽しかったし。また行こうな?」
「う、んっ!」
「肉まん冷めるぞ?食っちゃいな」
「ぅおっ!」


今思い出したみたいにレンは慌てて肉まんにかぶりついた。この前のエビの肉まんもおいしかったねって笑いながら。
でも次のセリフに俺は笑顔のまま凍り付いた。


「あっ!おれ今日、にーちゃ、に買ってもらったパンツ履いてる、よっ!」


…思わず固まった。
一拍の間を開けて、後ろから出てきた田島が三橋に絡みついた。


「なにそれ!みはし、今日のアレ阿部に買ってもらったのか?」
「そ、そうだ、よっ」
「えーなんでなんで?なんでパンツ!?それ誕プレ!?」


興奮する田島と、対称的に泉は無言で俺と距離を取っていく。睨むような視線はさながら汚物を見るよーな目で…ああ、今アイツがなにを思ってるか容易に想像できる。


「へーそうなんか!でも阿部はやっぱ変態だな!」


…今だけは否定できない。
シー連れて行ってやったことは後悔してない、また連れて行きたいともマジで思ってる、でも。
教訓、もうパンツは買ってやるもんか。
素直すぎるレンを初めてうらめしく思った。




でもやっぱり強請られたら買ってやるのかもしれない自分に乾いた笑いしか出て来なかった。











END.

2011.5   執筆



---------------

コノハさん、可愛いたかレンのEDをありがとうございました…!!



[*前へ]
[戻る]


無料HPエムペ!